前回の記事では発芽したヘチマとゴーヤのカーテン化に向けた準備をお伝えしましたが、あれから1カ月半。予想していたよりも、ずっとドラマティックな展開が待っていました……。
順調だったはずのグリーンカーテン育成に、訪れた数々の危機。そして「Genspark」との相談を通じて学んだ植物の驚くべき仕組みとは? 今回は、本格的な育成管理段階に入った我が家のヘチマ栽培記をお届けします。
順調だったはずのグリーンカーテン育成に、訪れた数々の危機。そして「Genspark」との相談を通じて学んだ植物の驚くべき仕組みとは? 今回は、本格的な育成管理段階に入った我が家のヘチマ栽培記をお届けします。
順調だったはずなのに……葉がネットに広がらないのはどうして?
ネットに誘引したヘチマたちの目覚ましい成長。つるは伸び、葉も増え、「このままいけば7月末くらいには立派なグリーンカーテンの完成だな」と楽観視していた私。
しかし、1週間たち、2週間たつころ、私は薄々感じていた違和感を見過ごせなくなっていました。
しかし、1週間たち、2週間たつころ、私は薄々感じていた違和感を見過ごせなくなっていました。

育っていないわけではないが……
「背が低いし、葉が小さいし、あまりにひょろひょろすぎるのでは?」
つる性の植物らしく縦には成長しているものの、背が小さすぎて、とても「カーテン」と呼べる代物ではありません。犬の散歩をしていると目にする、近所のお宅の立派なグリーンカーテンと比較すると、その差は歴然。
水やりは毎日欠かさずやっているし、肥料も与えている。それなのになぜ、こんな有様なのか? ヘチマもゴーヤも一年草。葉がワサワサで涼し気なグリーンカーテンを育てているあの家も、我が家と大差ないタイミングでグリーンカーテン作りに着手しているはずなのに……。
つる性の植物らしく縦には成長しているものの、背が小さすぎて、とても「カーテン」と呼べる代物ではありません。犬の散歩をしていると目にする、近所のお宅の立派なグリーンカーテンと比較すると、その差は歴然。
水やりは毎日欠かさずやっているし、肥料も与えている。それなのになぜ、こんな有様なのか? ヘチマもゴーヤも一年草。葉がワサワサで涼し気なグリーンカーテンを育てているあの家も、我が家と大差ないタイミングでグリーンカーテン作りに着手しているはずなのに……。
ワラにもすがる思いでAIに相談
私だって一応は園芸のプロにおすすめされて、手順を聞いてグリーンカーテン作りに着手しています。なのに「なぜか全然育たない」という状況。これではなんだか申し訳なくて、プロにも相談しにくい……。そこで私は思い切ってAIアシスタント「Genspark」に思い通りのグリーンカーテンにするための方法を聞いてみることにしました。
まずは我が家のショボショボのグリーンカーテンの写真を見せてみると、日照不足の疑いがあるとのこと。
我が家のベランダは、人間の感覚としてはかなり日差しが強いのに、日照不足とは……。Gensparkは「少しでも日が当たるようにプランターを台の上に乗せること」また「プランターの位置を入れ替え、ヘチマにもっと日が当たるようにすること」とアドバイスをくれました。さらに「水をもっと潤沢に与えろ」とも。
まずは我が家のショボショボのグリーンカーテンの写真を見せてみると、日照不足の疑いがあるとのこと。
我が家のベランダは、人間の感覚としてはかなり日差しが強いのに、日照不足とは……。Gensparkは「少しでも日が当たるようにプランターを台の上に乗せること」また「プランターの位置を入れ替え、ヘチマにもっと日が当たるようにすること」とアドバイスをくれました。さらに「水をもっと潤沢に与えろ」とも。

Gensparkに言われたとおり、プランターを日の当たるところに移し、水やりを増やすと、確かにつるの生育がスピードアップ。水をたっぷり与えたからか、5月の種まきの名残りと思われる新しい芽が出てきたりもしました。
しかし、このまま順調にカーテン化していくと思った矢先、私のグリーンカーテンはピンチに見舞われたのです。
しかし、このまま順調にカーテン化していくと思った矢先、私のグリーンカーテンはピンチに見舞われたのです。
G、襲来
それは7月のある日曜日。朝の水やりをしようとベランダの掃き出し窓を開けると「ボタッ」という音が。音の方向に目をやると、エアコンの室外機に私の大嫌いな黒い虫・Gがいるではありませんか! ものすごい速さで窓を閉め、殺虫剤を片手にベランダに戻ると、Gは室外機の上を楽しそうに歩いています。開けるタイミングが悪ければ、室内に侵入されていたかも……。そう考えると、死んでもらうしかありません。窓の隙間から殺虫剤を吹きかけるなどして、どうにかGを処したのは30分後。その日は怖くてベランダに出ることができませんでした。
翌日、人に頼み込んで死骸を捨ててもらい、グリーンカーテンを見ると、地面に近い葉が茶色くしおれていました。プランターの土はまだ湿っています。水分不足で枯れたというより、殺虫剤がかかってしまったのが原因かもしれません。上はひょろひょろ、下は坊主状態……正直「終わった」と思いましたが、発芽したばかりの芽は無事。ここから入れる保険はあるんでしょうか?という気持ちでGensparkに質問してみました。
翌日、人に頼み込んで死骸を捨ててもらい、グリーンカーテンを見ると、地面に近い葉が茶色くしおれていました。プランターの土はまだ湿っています。水分不足で枯れたというより、殺虫剤がかかってしまったのが原因かもしれません。上はひょろひょろ、下は坊主状態……正直「終わった」と思いましたが、発芽したばかりの芽は無事。ここから入れる保険はあるんでしょうか?という気持ちでGensparkに質問してみました。


希望が見えてきた
Gensparkによれば「7月発芽でも1〜2カ月でカーテン状になります」とのこと。意外にどうにかなるかもしれません。さらに「発育を最大限にするにはどうしたらいい?」と質問すると、こんな答えが。

「爆発的成長」を目指せ!
温度管理に「摘心」……。
Gensparkから提示された「やることリスト」をとにかく順番にやってみることにしました。
Gensparkから提示された「やることリスト」をとにかく順番にやってみることにしました。
「摘心」のすごい効果
G襲来以前にも「摘心」をしたことはあります。つるの先端(成長点)をカットすることで脇芽の発生を促進する技術なのですが、以前はそもそも水と日照が足りていなかったせいか、いまいち効果が薄かったのです。私自身も「植物の先端を切るなんて……首がないのと同じでは?」と思っていたので、摘心のタイミングがやや遅かったのもよくなかったのでしょう。
しかしGensparkによれば、成長点をカットすると、植物の成長ホルモンであるオーキシンの「わき芽を抑制する」作用が解除され、エネルギーが脇芽に分散されるといいます。その結果、つるの本数が増加し、カーテンの密度が格段に向上するのだそう。
とはいえ、連日39度を記録する異常気象の中で植物をハサミでカットしてもいいのだろうか? そんな疑問も浮かびます。
「切り口が乾くように朝、たっぷり水をあげた後に摘心を行い、その日はそっとしておけ」というGensparkに従い、おそるおそる摘心を実施したのは金曜日の朝でした。つるの先端を、清潔なハサミで切り落とします。「本当にこれで良いのかな?」という不安とともに……。
ところが、日曜の朝に水やりの際に観察すると、金曜日に米粒のような脇芽があった部分から太いつるが伸び、大きな葉が出ていることに気づきます。
しかしGensparkによれば、成長点をカットすると、植物の成長ホルモンであるオーキシンの「わき芽を抑制する」作用が解除され、エネルギーが脇芽に分散されるといいます。その結果、つるの本数が増加し、カーテンの密度が格段に向上するのだそう。
とはいえ、連日39度を記録する異常気象の中で植物をハサミでカットしてもいいのだろうか? そんな疑問も浮かびます。
「切り口が乾くように朝、たっぷり水をあげた後に摘心を行い、その日はそっとしておけ」というGensparkに従い、おそるおそる摘心を実施したのは金曜日の朝でした。つるの先端を、清潔なハサミで切り落とします。「本当にこれで良いのかな?」という不安とともに……。
ところが、日曜の朝に水やりの際に観察すると、金曜日に米粒のような脇芽があった部分から太いつるが伸び、大きな葉が出ていることに気づきます。

本当に「いつの間にか」生えてきた
さらに月曜日にはこの脇芽が20センチほどにも伸びていたのです。金曜から月曜のたった3日間で起きたこととは思えませんでした。
摘心による「成長スイッチオン」、十分な水やり、日照……条件が重なることで「1日10センチくらい伸びる場合もある」。Gensparkが教えてくれたこの例は、決して大げさな表現ではなかったのです。
摘心による「成長スイッチオン」、十分な水やり、日照……条件が重なることで「1日10センチくらい伸びる場合もある」。Gensparkが教えてくれたこの例は、決して大げさな表現ではなかったのです。

中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019