「ITリテラシーが高い人」を、採用活動で見つける方法

中野 亜希

Specialインターネット業務効率化

4. 「何をしたか」「何をしているか」の報告ができない人

パソコンなどが意図しない挙動をしたとき、「何もしてないのにパソコンが壊れた」「突然動かなくなった」など、「自分は悪くない」ことを真っ先に主張する人がいますが、多くの場合、それは彼らの操作ミスです。そして、彼らが言うのは「(いろいろ操作はしたけど、この不具合の原因になるようなことは)何もやってない」という意味なのですが、周囲が知りたいのは「その不具合の原因」です。

ありのままに「やったこと」を報告できない人は、「情報の重要度を勝手に判断している」点において、リテラシーが低い人と言えます。

・面接ではどうする?
重要なことは「問題解決を最優先すること」「ありのままの報告ができること」です。「ミスしたときに、何を念頭において報告をしますか?」など、質問してみるといいでしょう。特に隠ぺいの意図がなくても、頭の中が整理できておらず、必要な情報を漏らしてしまうタイプもいるので、この時にいわゆる「5W1H」を満たしているか、合わせてチェックしたいところです。

面接時にクレーム対応などの課題を与えて、答えてもらうといった確認方法が効果的です。

5. インターネットにつながっているリスクを考えられない

SNSで非常識な動画を上げて炎上する人、一緒に写った友人に無断で写真をネットに乗せる人、芸能人の画像や転載禁止のイラストをプロフィールにしている人、他人のツイートを「パクツイ」する人、などなど……。毎日のように見かけるITリテラシーが低い人の特徴です。

こんなことをうっかり企業アカウントや本名、本人画像のSNSでやってしまうと、当の本人だけでなく会社そのものに対する信用を失うことにもなりかねません。

・面接ではどうする?
面接中の「アイスブレイク」と言われるちょっとした雑談で話題になったことを面接後にSNSで検索すると、応募者のツイートが見つかることがあります。本名で立場を明らかにした発言だけを投稿している人ならよいですが、趣味趣向が極端に偏った匿名性の高い発言も混ざっているようなら、その応募者のリテラシーを疑ってみてもよいかもしれません。

また、応募者が就活に使っているメールアドレスなどからある程度ネットリテラシーが察せられる場合があります。例えば、メールアドレスにこんな文字列が含まれているとしたら、その応募者のリテラシーにはあまり期待ができないでしょう。

・携帯キャリアメールの初期設定のような、単なる文字列で構成されている 
・性的・暴力的なものを連想させるなど他者に悪印象を与えかねない文字列

さらに、応募者の氏名などをネットで検索すると思わぬ裏の顔が出てくることも……。裏でいろいろ調査することへの賛否はあるとは思います。しかし「インターネットにつながる」ことが「不特定多数の人が自分の情報にアクセスできる」ことだと意識できる人かどうか、判断する方法のひとつとして覚えておいてもよいかと思います。

P検(ICTプロフィシエンシー検定)と呼ばれるものがあります。

・無料P検5級受験
https://www.pken.com/tool/05_test.html

こちらは、一番簡単なP検5級の問題です。日ごろから仕事でパソコンを使う人なら、勉強しなくても解けるはず。このP検は、IT系に限らず、ビジネスマンや学校で情報教育を学ぶすべての人を対象にした試験です。こういったテストで応募者のリテラシーに関するレベル感を測ってみるのもいいかもしれませんね。

「面接する側」も気を付けたい! 応募者に聞いてはいけない「NG質問集」

いろいろな判断ポイントを挙げてきましたが、面接でジャッジされるのは応募者側だけではありません。面接官には、以下のような「してはいけない質問」があるのです。主に「応募者の能力と関係ないことや、本人の意思で変えられないこと」についての質問がタブーとされています。

・本籍に関する質問
・住居とその環境に関する質問
・家族に関する質問
・資産に関する質問
・思想・信条、宗教、支持政党に関する質問
・男女雇用機会均等法に抵触する質問

例えば、ネットリテラシーを測るために「家ではどんなネット環境ですか?」「いつも見ているニュースサイトは何ですか?」などと聞いてしまうと、これらの「NG」に抵触する場合も。面接での質問内容は、そのまま企業への評価につながることもあります。

タブーとされる質問をしたことがマスコミやインターネットなどで広がって、むしろ企業側が炎上するケースもあり、社会的な信頼が失墜してしまう可能性もあります。そうなれば採用活動はおろか、企業活動そのものにも影響が及ぶかもしれません。

こういったリスクを回避するためにも、あらかじめ面接で聞きたい項目をリスト化し、面接に関わる社員同士で共有しておくと良いでしょう。


採用面接は、短い時間の中で応募者と企業がマッチしているかを確認する場です。聞きたいことは多いはずですし、質問から予定外の会話が広がっていくこともありえますが、聞くべきこと・聞いてはいけないことをよく理解することは、リテラシーを問う側としても必須と言えます。企業側もリテラシーを高く持つことで、それに見合った人材と出会うことができるのではないでしょうか。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019

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