馬に会えない日もあるけれど楽しい
私が思う馬事公苑最大のチャームポイントは「馬がいたり、いなかったり」すること。馬事公苑は動物園や牧場ではなく馬術の拠点なので、あくまで馬術ありき。大抵の週末は園内のどこかで馬術にいそしむ馬(と人)に会えるものの、平日は馬の気配がまったくしない日もあります。馬も休んでいるのでしょう。なので、そんな平日に馬を見かけると「ラッキー!」とうれしくなる。
ちなみに馬事公苑の年間スケジュールを見ると、いつアリーナに馬がいるかが、なんとなく把握できます。
ちなみに馬事公苑の年間スケジュールを見ると、いつアリーナに馬がいるかが、なんとなく把握できます。
ちょうどこの日はメインアリーナで馬術部の大学生達が自馬訓練を行っていました
アリーナの砂は馬術競技専用のもの。ファイバー入りで、カフェオレ味のかき氷のような見た目です
周回走路の砂はアリーナのものとは異なる材質。フカフカ。こちらも馬専用で、人間は横断するのみ。イベントがある日は、この周回走路を流鏑馬(やぶさめ)が疾走します
通路も馬優先
アリーナにいる馬たちは、みな馬術競技中であったり、トレーニングの真っ最中。つまり人馬ともに忙しそう。でも放牧場に時々放たれている馬やポニーは、なかなかリラックスしています。
この日の放牧場に馬はおらず
別のある日は馬がいました。地面の草をはんだり、尻尾をゆらしたり
ドーンと地面に転がり砂まみれでくつろぐ姿もかわいい
アリーナでトレーニング中の馬を静かに見守っていると、馬のご機嫌次第では来園者の近くに来てくれることも!
大充実のキッズスペースやライブラリー
広い馬事公苑を歩いた後は、メインオフィスで一休み。ソフトクリームやコーヒーを楽しめるカフェや、馬事公苑のアリーナを一望できるレストラン、キッズスペースにライブラリーまでそろっています。
木製の馬車や馬形の遊具がそろったキッズスペース。仕切りの向こうには馬型の滑り台も
馬術を体験できるホースシミュレーター! 本物の馬さながらに大きい
ライブラリーには馬に関する本がそろっています。
日本の農耕の歴史書でもある『馬耕教師の旅』と、乗馬入門書の『乗馬教本』。どちらも写真と図版をパラパラ眺めるだけでも楽しい
もちろん子ども向けの“馬本”もありますよ! 国語の教科書でおなじみの絵本『スーホの白い馬』とかね。なつかしい! 私のお気に入りは、ノルウェーの童話『バレエをおどりたかった馬』。馬事公苑のライブラリーで初めて出合った物語です。田舎の牧場で暮らす馬がダンサーにあこがれて、ウシやニワトリに見送られて都会を目指して旅立ち、たどり着いた街で下宿生活を送り、人間の子どもたちが通うバレエ教室に入るキュートなお話。
そして『馬の寄生虫対策ハンドブック』なんて専門的な本や動物行動学の本もあります。 私が馬の寄生虫対策をする日は訪れないかもしれませんが、つい読みたくなる。
JRAの施設なので、競馬にまつわるお仕事を紹介するパネルも。
そして『馬の寄生虫対策ハンドブック』なんて専門的な本や動物行動学の本もあります。 私が馬の寄生虫対策をする日は訪れないかもしれませんが、つい読みたくなる。
JRAの施設なので、競馬にまつわるお仕事を紹介するパネルも。
競馬のお仕事診断によると、私は「牧場タイプ」でした
馬事公苑の正門前に広がるケヤキ並木も見事。東京農業大学の「食と農の博物館」やロイヤルホストが並び、こちらも子育て世代に人気
2024年の「ジャパンブリーディングホースショー」は12月6〜8日開催! 引退競走馬にも会えるよ
1年のなかで馬事公苑がにぎわう季節は春、秋、冬です。夏はとても暑いので、馬事公苑で育てられている馬たちも冷房の効いた厩舎で生活しているのでしょう。そして夏が終わると秋分の日に「愛馬の日」のお祭りが行われ、以降は毎週末馬術の大会や催しが始まります。
私がとくにおすすめしたいのは2024年12月6日(金)〜8日(日)に開催される「第16回ジャパンブリーディングホースショー」です。内国産乗用馬と元競走馬だけが出場できる特別な馬術大会で、なかでも引退競走馬のサラブレッドが馬術を競う「ジャパンレーシングカップ」が私のお気に入り。
競馬を引退したサラブレッドたちの一部は、トレーニングを経て競走馬から乗用馬となり、日本各地の馬術大会で活躍しています。その引退競走馬専用の馬術大会の、年に1度の決勝の舞台が馬事公苑なんです。
競技に参加する人馬の紹介アナウンスでは「どの馬の子(産駒)であるか」や「競走馬時代のキャリア」と一緒に、馬術のパートナーである選手が知っている「その馬のチャームポイント(鼻筋の白い模様とか)」や「好物(黒糖やリンゴが人気)」も紹介されて非常に愛らしい。そして引退したとはいえサラブレッドの見事な体格や汗で輝く毛並みにウットリ。私が最も愛するのは毛深くて足の短いポニーなんですが、サラブレッドならではのキレのいいボディラインも美しいものです。
私は2023年のジャパンブリーディングホースショーから引退競走馬たちのファンになりました。そのときはお散歩のついでに、偶然観戦できたんです。赤ちゃんから大人まで安心して楽しめる大きな公園は、訪れる人が馬術や馬のことを好きになってしまう場でもあります。
タイムテーブルによるとサラブレッドの決勝が観戦できるのは12月8日(日)の14時半から。とはいえ、ジャパンブリーディングホースショーの会期中はいつフラッと立ち寄っても、ほぼ必ず立派な馬術競技を観戦できるので、暖かい服装をして、ぜひ遊びに来てくださいね。春になると桜もたっぷり咲いてお花見にもぴったりの公園ですよ!
私がとくにおすすめしたいのは2024年12月6日(金)〜8日(日)に開催される「第16回ジャパンブリーディングホースショー」です。内国産乗用馬と元競走馬だけが出場できる特別な馬術大会で、なかでも引退競走馬のサラブレッドが馬術を競う「ジャパンレーシングカップ」が私のお気に入り。
競馬を引退したサラブレッドたちの一部は、トレーニングを経て競走馬から乗用馬となり、日本各地の馬術大会で活躍しています。その引退競走馬専用の馬術大会の、年に1度の決勝の舞台が馬事公苑なんです。
競技に参加する人馬の紹介アナウンスでは「どの馬の子(産駒)であるか」や「競走馬時代のキャリア」と一緒に、馬術のパートナーである選手が知っている「その馬のチャームポイント(鼻筋の白い模様とか)」や「好物(黒糖やリンゴが人気)」も紹介されて非常に愛らしい。そして引退したとはいえサラブレッドの見事な体格や汗で輝く毛並みにウットリ。私が最も愛するのは毛深くて足の短いポニーなんですが、サラブレッドならではのキレのいいボディラインも美しいものです。
私は2023年のジャパンブリーディングホースショーから引退競走馬たちのファンになりました。そのときはお散歩のついでに、偶然観戦できたんです。赤ちゃんから大人まで安心して楽しめる大きな公園は、訪れる人が馬術や馬のことを好きになってしまう場でもあります。
タイムテーブルによるとサラブレッドの決勝が観戦できるのは12月8日(日)の14時半から。とはいえ、ジャパンブリーディングホースショーの会期中はいつフラッと立ち寄っても、ほぼ必ず立派な馬術競技を観戦できるので、暖かい服装をして、ぜひ遊びに来てくださいね。春になると桜もたっぷり咲いてお花見にもぴったりの公園ですよ!
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori