ポータブル電源は、地震や台風などの災害時に備える非常用電源として、またキャンプなどのアウトドアで用いる電源として、の注目度が高まっています。普段はアウトドアなどで活用しつつ、非常時には情報を得るためのスマートフォンを充電するなど、ライフラインとしての通信機器を使い続けられるのは大きなメリットです。ソーラーパネルを接続すれば、停電が続いてもバッテリーを充電し続けることができます。
とはいえ、ポータブル電源をどうやって選べばいいのか分からないという人も多いことでしょう。そこで、家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が、ポータブル電源の選び方、おすすめ製品を紹介します。
とはいえ、ポータブル電源をどうやって選べばいいのか分からないという人も多いことでしょう。そこで、家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者が、ポータブル電源の選び方、おすすめ製品を紹介します。
まずは容量、出力、入出力端子をチェック
定格容量・定格出力で選ぶ
ポータブル電源選びで最も重要なのが「定格容量」と「定格出力」です。
定格容量はバッテリーの容量のことで、Wh(ワットアワー)で表されます。1000Whなら、1000Wの家電を1時間使えることを示しています。例えばパナソニックの電気毛布「DB-RMH10M」の場合、表面標準温度が37℃になる目盛り「3」が33Wなので、8時間使うと約264Wh消費することになります。
またアップルのスマートフォン「iPhoneSE(第3世代)」のバッテリー容量は約2018mAh(約7.82Wh)なので、容量が800Whのポータブル電源なら100回以上充電できることになります。そのほかシロカのバッテリー式扇風機「ANDON FAN SF-PC171」は「風量1・首振りなし」の消費電力が約0.85Wなので、8時間使っても6.8Whです。「風量6・首振りあり」でも約12Wなので、8時間使うと約96Whになります。
このように、どの家電をどのくらい使いたいのかによって、定格容量の選び方が変わります。容量が大きい方が長時間使えるものの、サイズが大きくて持ち運びがしづらくなるのが難点です。
定格出力は、同時に出力できるワット数を表します。複数の家電を同時に使用する場合、それぞれの消費電力の合計がポータブル電源の定格出力以下でなければなりません。定格出力が1000Wあれば、消費電力の大きい調理家電も含めて多くの機器を使えるようになります。
一般的な家電製品の消費電力は、扇風機なら10~40W程度、電気毛布なら50~80W程度と低めですが、ヒーターを用いる家電ほど高くなる傾向にあり、ドライヤーは500~1200W、電気ケトルだと800~1200Wです。
例えば定格出力が1000Wのポータブル電源があった場合、1200Wのドライヤーは使えません。しかし「500Wのドライヤー」「40Wの扇風機」「80Wの電気毛布」を同時に使うことができます。定格容量が大きい製品ほど定格出力も大きいのですが、定格出力は見落としがちなのでしっかり確認しましょう。
定格容量はバッテリーの容量のことで、Wh(ワットアワー)で表されます。1000Whなら、1000Wの家電を1時間使えることを示しています。例えばパナソニックの電気毛布「DB-RMH10M」の場合、表面標準温度が37℃になる目盛り「3」が33Wなので、8時間使うと約264Wh消費することになります。
またアップルのスマートフォン「iPhoneSE(第3世代)」のバッテリー容量は約2018mAh(約7.82Wh)なので、容量が800Whのポータブル電源なら100回以上充電できることになります。そのほかシロカのバッテリー式扇風機「ANDON FAN SF-PC171」は「風量1・首振りなし」の消費電力が約0.85Wなので、8時間使っても6.8Whです。「風量6・首振りあり」でも約12Wなので、8時間使うと約96Whになります。
このように、どの家電をどのくらい使いたいのかによって、定格容量の選び方が変わります。容量が大きい方が長時間使えるものの、サイズが大きくて持ち運びがしづらくなるのが難点です。
定格出力は、同時に出力できるワット数を表します。複数の家電を同時に使用する場合、それぞれの消費電力の合計がポータブル電源の定格出力以下でなければなりません。定格出力が1000Wあれば、消費電力の大きい調理家電も含めて多くの機器を使えるようになります。
一般的な家電製品の消費電力は、扇風機なら10~40W程度、電気毛布なら50~80W程度と低めですが、ヒーターを用いる家電ほど高くなる傾向にあり、ドライヤーは500~1200W、電気ケトルだと800~1200Wです。
例えば定格出力が1000Wのポータブル電源があった場合、1200Wのドライヤーは使えません。しかし「500Wのドライヤー」「40Wの扇風機」「80Wの電気毛布」を同時に使うことができます。定格容量が大きい製品ほど定格出力も大きいのですが、定格出力は見落としがちなのでしっかり確認しましょう。
入出力ポートの種類と数をチェック
入出力端子、特に出力端子は多い方が便利です。一般的な家電製品を使用する際に必要なコンセント型のAC(交流)出力のほか、シガーソケットやUSB端子なども含めたDC(直流)出力、スマホなどを置くだけで充電できる無接点充電機能でMagSafeとも互換性がある「Qi(チー)」を備えた製品もあります。
端子数が多いほどさまざまな機器を同時に充電できます
入力端子は、ポータブル電源本体を充電するための端子です。AC入力のほか、シガーソケット端子などを備えています。防災対策やキャンプ用途でソーラーパネルから充電したいのであれば、ソーラーパネルからのDC入力端子があるかどうかもチェックしましょう。
AC出力は「正弦波」が必須
一般的な交流式の家電製品は、家庭のコンセントから供給される「正弦波」という電源出力波形にのみ対応しています。一部のポータブル電源には、「矩形波」と呼ばれるブロック状の直線的な波形を重ね合わせることで正弦波に近付けた「修正正弦波」しか出力できない製品もあります。修正正弦波で使用できる家電は数少ないため、必ず正弦波を出力できるポータブル電源を選びましょう。
正弦波(上)と矩形波(下)の違い。矩形波を重ね合わせて作り出す疑似正弦波では、ほとんどの家電が動作しません
充電時間も重要な要素です
ポータブル電源を家庭用コンセントから充電する際の時間も確認しましょう。急速充電モードを搭載する製品なら、いざという時にもすぐに充電できて安心です。
安全性もチェックしましょう
必ず電気用品安全法に基づく「PSEマーク」が付いている製品を選びましょう。過電流保護、過電圧保護、短絡保護などトラブルを回避する機能を搭載する製品を選ぶと安心です。
その他のチェック事項
重量とサイズ
持ち運びやすさを考慮して、重量とサイズを確認しましょう。定格容量が大きいほど重くなりがちなので、実際に持ち上げられるかや、車に積み込める重さかなども含めて確認してください。
メーカーの保証期間
保証期間が長い方が安心です。
UPS(無停電電源装置)機能
自宅にサーバーやNAS(ネットワーク接続HDD)などを設置している場合、パソコンを不意の電源断から守りたい場合に便利です。
スマホ連携機能
最近はBluetooth経由でスマホから電源のオン・オフをしたり、バッテリー残量を確認したりできる製品が増えています。細かい設定変更などもできるので便利です。
防じん・防水性能
ほとんどの製品が採用していないませんが、あると安心です。
持ち運びやすさを考慮して、重量とサイズを確認しましょう。定格容量が大きいほど重くなりがちなので、実際に持ち上げられるかや、車に積み込める重さかなども含めて確認してください。
メーカーの保証期間
保証期間が長い方が安心です。
UPS(無停電電源装置)機能
自宅にサーバーやNAS(ネットワーク接続HDD)などを設置している場合、パソコンを不意の電源断から守りたい場合に便利です。
スマホ連携機能
最近はBluetooth経由でスマホから電源のオン・オフをしたり、バッテリー残量を確認したりできる製品が増えています。細かい設定変更などもできるので便利です。
防じん・防水性能
ほとんどの製品が採用していないませんが、あると安心です。
安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。