「minne」でアラフォー男子が買い物をしてみた

池 紀彦

ECクリエイター使ってみた買い物
個人で制作したアクセサリーや雑貨などの小物を売買する「ハンドメイドマーケット」をご存じだろうか? マーケットで扱われるのは、レジンやシリコンを使ったちょっとしたアクセサリーや小物、スマホケースのほか、帽子やリボンなどのファッションアイテムや文房具、さらには財布やカバン、ガジェット小物、フィギュアに着せる洋服など。さまざまな作品を個人が作って販売を行っている。
このような、ハンドメイドマーケットに特化したオンラインサービスはいくつか提供されている。その中でも最大手と言われているのが、GMOペパボが運営する「minne」だ。 2012年1月にサービスを提供開始して以来、出品点数は年々拡大を続けており、2020年10月9日には、累計流通額がついに600億円を突破した。この流通額は、それだけ多くの利用者が多くの作品を取引したという事実につながる。

こうしたオンラインのハンドメイドマーケットサービスは、もちろんminne以外にもいくつか存在しており、各社がしのぎを削っている。この中でminneが常に利用者に選ばれ続けている理由は何なのだろうか? 実際にサービスを利用したり、現役のハンドメイド初心者の話なども交えたりしながら探っていきたいと思う。

売り手も買い手も使いやすいサービスで規模が拡大

ハンドメイド作家の最大の課題の1つは、制作した作品をどのように販売するかだ。こうしたハンドメイド作品を出品・購入する人たちは、個人の趣味の延長で楽しんでいる人も多いため、ビジネスにまで昇華させずに、できる範囲でのんびり楽しむ層が多い。そのため、店を構えることなく作品を販売したい人たちが、購入して楽しみたい人たちとの接点を持つ場は、以前は各地で開催される小規模の即売会や、オークションサイトなどが主流だった。

小規模の即売会の場合、ハンドメイドを楽しむ同好の士が多く集まるので、かなり密なコミュニケーションが取れるメリットがある。しかしその反面、一般の人からの認知は低く、開催時期や場所などもある程度調べないと分からないことが多いため、広く販売するのが難しい。

一方でオークションサイトなどでは、全国に作品を展開する事が可能だが、自分で販売価格を決めることができないなど不便な点も多かった。このような状況を打破すべく、誕生したのがminneというわけだ。
minneの最大の魅力は何といっても利用者数が多いこと、そして安心して使える信頼性の高さだろう。運営するGMOペパボによると、2020年2月末時点で74万以上の作家・ブランドが登録されており、1310万点の作品が販売・展示されているという。ちょっとしたショッピングサイト並みの作品点数だが、これらが全てハンドメイドのみというのは非常に意味のあることだ。

最近では手軽にECサイトを構築できるサービスなども増えており、そういったサービスを利用するセミプロの作家も増えているという。だが購入する側からすると、同じジャンルで多種多様な選択肢が用意されている方が、思わぬ出会いに遭遇するといった、ウィンドウショッピングのような感覚で買い物が楽しめる。だから、こうしたハンドメイド作家やブランドのみがたくさん集まったminneのようなサービスは大歓迎という人たちも多いだろう。

minneで自身の作品を販売するには会員登録と作家登録が必要になる。個人でも法人でも登録はできるが、SMSによる電話番号の確認が行われるなど、不正な登録を防ぐ仕組みになっていて、信頼性も非常に高いと感じられる。作家として利用する人からも話を聞いてみたが、入金時にサイト側からきちんと連絡があるそうで、いちいち入金確認をしなくて済む点をminne利用のメリットとして挙げていた。

作品ページには最大20枚までの画像が掲載できるほか、カテゴリを選択したり、作品名を入力したりするのみと、登録に必要な情報が少なくシンプルな構成のため、初心者でも気軽に作品登録が行えるのも魅力だ。ページデザインはハンドメイドの雰囲気が存分に感じられる、シンプルながらほんわかした雰囲気だ。

また管理画面も、複数の作品の注文情報を一元管理でき、自身の作品ページへのアクセス解析機能も用意されている。最近のECサイトの管理画面と構成があまり変わらないことには驚かされた。これならハンドメイド作品の売買を副業などとして十分当てにできるのではないか。
 
昨今のコロナ禍の影響もあって、自分で新たにビジネスを立ち上げたいと考える人は少なくない。そんな中でハンドメイドが趣味だが、ECサイトを構築するほど自信がないという人でも、minneならECサイトのように気楽に自身の作品を販売できるだろう。minneをきっかけに、趣味のハンドメイドがブランドとして認知されるようになった人も多くいることも納得できるサイトの完成度なのだ。

ほかにも、同サービスに登録する作家・ブランドたちが全国から集結し、作家・ブランド同士でハンドメイド作品やコミュニケーションを楽しむイベントが定期的に開催されている。コロナ禍の影響で現在はオンラインイベントとなっているが、こうしたイベントの開催にも力を入れているあたり、ハンドメイドマーケットを本当に好きな人たちが運営しているんだと、改めて実感させられた。
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池 紀彦

ゲーム&ガジェットライター
自ら触れて得た体感を形にする兼業ライター。ソフトウェア事業のディレクションと検証を行なう傍ら、パソコン雑誌編集部やAV機器メディア編集部を経て得た経験を活かし、パソコン、ガジェット、ゲーム、おもちゃなどのレビューを日夜各所で執筆。ThinkPadと程よい懐古物を好み、懐かしのゲームやパソコン、アニメ、漫画などをこよなく愛します。「やってみた」には定評あり。Twitter:@norihiko

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