陶器の美しさとハンドメイドマーケットminneがコラボ！唐津・伊万里・武雄・嬉野・有田のやきものが世界で1つのアクセサリーに

2021.3.23

巣ごもり消費でハンドメイド市場が拡大

2012年にサービスが開始されたハンドメイドマーケット「minne」。こだわりをもって創作した作品を、1人でも多くの人に使ってもらいたい……そんなものづくりにかける作家やブランドが、すでに74万件集まり、1310万点以上が販売・展示されているマーケットです。出品されているのは、アクセサリーや家具、生活雑貨だけでなく、野菜や魚介類、お菓子などの食品にまで及んでいます。

2020年はコロナ禍により、巣ごもり消費が拡大したのに加え、継続的な作家支援やハンドメイドブランドが拡大し、法人化するケースすらあります。ものづくりにこだわったクオリティの高い作品が、このマーケットに集まってきており、ハンドメイド市場が拡大した年にもなりました。

HIZEN5とminneクリエイターのコラボ企画

そんななか、5名の「minne」作家・ブランドと佐賀県のやきものブランド「HIZEN5（ヒゼンファイブ）」がコラボレーションし、オリジナル作品の販売や肥前のやきものの魅力を、2020年11月末より発信しています。

「HIZEN5」は、肥前国（現在の佐賀県と長崎県）のやきものの産地である唐津焼・伊万里焼・武雄焼・肥前吉田焼・有田焼のカジュアルブランドとして、佐賀県が立ち上げました。この企画では、そうした肥前を代表する窯元とクリエイターがタッグを組んで、陶片を使ったサステナブルなアクセサリーや、オリジナルの型を用いたやきもののアクセサリーなどのコラボレーション作品を制作・販売するとともに、minneが運営するメディア「minneとものづくりと」では窯元を取材した記事を公開しています。

各作家による作品は、やきもの文化を盛り上げるアイデアと伝統を守り伝える窯元の技術が込められており、伝統と若者の感性が融合した魅力的な作品に仕上げられています。各作家・ブランドのアカウントで販売されるほか、佐賀県の魅力を発信する「地域プロデューサー」が各作家・ブランドから1つずつチョイスしたものを「HIZEN5」アカウントでも販売しています。

・minne × HIZEN5 佐賀やきもの作品コレクション

肥前の陶器を使ったコラボアクセサリー

ここで各作家・ブランドの作品を紹介していきましょう。

唐津（白華窯）× What a Fantastic Rose!さん

唐津焼陶片 x 金継ぎイヤリング (黒陶片ドット, レジンアートデコール) | ハンドメイドマーケット minne

<HIZEN5> 唐津焼陶片 × 金継ぎイヤリング (黒陶片ドット, レジンアートデコール)

自然や音楽をモチーフに天然石やシーグラス、陶器を使った金継ぎアクセサリーなどを手がける作家「What a Fantastic Rose!」さんによる作品。写真は、唐津焼陶片に、金粉、銀粉を用いた金継ぎでドット柄をデザインしたイヤリングで、ほかにも天然石と唐津焼陶片とを金継ぎした作品を販売しています。

＜作家さんに聞きました！＞What a Fantastic Rose!さん
──今回の企画の感想を聞かせてください。

今回、唐津焼を初めて手に取りましたが、陶器自体の素朴さ、趣き、質感などの魅力も感じ、アイデアや作りたいものが泉のようにどんどん湧いてきて、とても貴重で楽しい経験をさせていただきました。

私もやり甲斐を持って楽しく創作させていただきましたが、何よりお客様にとても喜んでいただき、感想やレビューを読んで胸が熱くなりました。窯元様からも、唐津焼の良さがよく出ていて嬉しかった、というお声をいただきました。

もう使えない唐津焼の陶磁器が陶片になり、アクセサリーに生まれ変わり、人から人へ伝わり、またそこから新たな喜びが生まれることに感動しました。

伊万里（虎仙窯）× Nolismさん

御献上ピアス　黒砡 -kokugyoku-【HIZEN5コラボ作品】Nolism × 伊万里

御献上ピアス黒砡 -kokugyoku-【HIZEN5コラボ作品】Nolism × 伊万里

Nolismは陶磁器でできたジュエリーのブランドで、佐賀でやきものを学んだ作家が、アトリエで作陶し、デザインから制作まで1つ1つ丁寧に仕上げたアクセサリーを販売しています。写真の「御献上ピアス　黒砡 -kokugyoku-」は、淡い翡翠色の陶片に金彩をほどこし、マットな黒の陶器パーツには、伊万里焼の皿の裏に多く描かれた裏文様「牡丹唐草」を丸い形にデザイン。「大人のやきものジュエリー」に仕上げたものです。ほかにもピアスやブローチも出品されています。

＜作家さんに聞きました！＞Nolismさん
──今回の企画の感想を聞かせてください。

佐賀のやきものの中でも特に高級で格式高い「伊万里焼」とのコラボレーションということで、やきもので作品を作っている身としては少しプレッシャーも感じていたのですが、思い切って参加してとてもよかったと思います。

打ち合わせで伊万里の窯元さんはじめ関係者の皆様とお話しさせていただいたり、デザインを考えるにあたって下調べを行ったりする中で、私自身の伊万里焼についての知見も深まりましたし、何より実際の伊万里焼を使って制作するという経験はとても貴重なものとなりました。

全く別のやきもの（伊万里焼陶片と自身で焼成した陶パーツ）を組み合わせるという初めて行う表現方法にも挑戦でき、やきものの作家としての成長にもつながったと感じています。
実際ご購入いただいたお客様からも、伊万里焼の美しい色やデザインのこだわりへお褒めのお言葉を頂戴することができ、伊万里焼の魅力を伝えられる作品を作ることができたかなと嬉しく思っております。

武雄・嬉野・有田の窯元と作家さんとのコラボ作品も