日本でも流行しはじめているB級グルメ「麻辣烫」
最近、日本でも食べられる場所が増えている「麻辣烫」。妻の好物なので、筆者も頻繁に食べているうちに、すっかりハマっています
妻のおすすめはスープのうまさで「杨国福麻辣烫」
価格は選んだ具材の重さで決まるのですが、一般的な量で20〜30元程度。1元20円換算で400〜600円とかなりリーズナブル。我が家の場合、妻が好きなように「麻辣烫」を1杯注文して、+サイドメニューとビールなどで2人分といったイメージです。そのときの気分で野菜を多くしたり、麺を多くしたりと調整できます。
サイドメニューの「鸡柳(ジーリュー)」。鶏つくねのフライだそうです。食べた店舗が学生街のせいか、カロリーとボリュームの多いサイドメニューが多めでした
また、妻が大学生のときに杨国福麻辣烫の店舗が近所にあり、当時は具材の重さで値段が決まる仕組みではなく、最初から具材が決まっており、8元でおなかいっぱい食べることができたという話をするので、おそらく彼女の青春の味でもあるようです。
そんな「杨国福麻辣烫」ですが、公式WEBを見ると、現在は20カ国にチェーン展開し、店舗数は2021年時点で7000軒以上だといいます。中国有数の「麻辣烫」屋さんといえるでしょう。ちなみに店舗による味の差はかなり大きいようです。
手描き感抜群の店名表示。よくみると結構な頻度で町中に「杨国福」があるわけです。いろいろな店舗で食べてみるのも違いがあっておもしろくもあります
残念ながら、筆者には妻と同じレベルでの味付けはできていないので、これは何度もチャレンジしてみるしかないようです。値段も気軽ですので、少量を軽食のように何度も食べてみるのがおすすめです。
魔法の言葉「チェガイーガ」1本勝負の朝食
まさに「チェガイーガ」の瞬間です。かなり汎用性が高く、「チェガイーガ」だけで結構な期間生活していたことも筆者はあります
朝ご飯は勇気を出して近所の食堂に入ってみよう
そんなときは、ホテルがそこそこの都会にあるなら、朝から外でのご飯に挑戦してみることをおすすめします。おそらく中国・ハルビンでは日本語はもちろん、英語もほとんど通じないことに驚き、腰も引けるでしょうが、朝から開いている近所のローカル食堂にチャレンジしてみるのが良いでしょう。
食堂のショーケースを眺める我が家の息子。凝視していても、中国人はほとんど気にしません。東北の中国人はかなりおおらかな性格です
そして、そこで力を発揮してくれる魔法の言葉が「チェガイーガ(这个一个・これ1つ)」です。その場に肉まんや油条などが並んでいるようなお店なら、欲しいものを指さして「チェガイーガ」、さらに欲しいものを指さして「チェガイーガ」といえば、だいたいの買い物は可能になっています。
筆者も中国語でなんと発音するのか、よくわからないデザートで朝食を済ませる息子。このあたりも「チェガイーガ」でだいたいなんとかなります
ちなみに「チェガ」の後を「リャンガ」にすれば2つ、「サンガ」にすれば3つになります。あとは麻雀の数の数え方を思い出せばオッケー。なお、1(イー)、2(アール・リャン)、3(サン)、4(スー)、5(ウー)、6(リュウ)、7(チー)、8(バー)、9(ジュウ)、10(シー)です。
巨大な揚げパン「油条」。場所にもよりますが、揚げたてを提供してくれる場所もあります。店舗だけでなく屋台のような場所に行列ができていることも
「包子」は日本でいうところの肉まん。ただし中に入っている具で名称が変わります。このあたりはメニューの漢字から推測してください。豚肉以外に牛肉や羊肉などもあります。ただしノーマルの「馒头(マントウ)」は具なしふかしパンなのでご注意を。
妻にいわせると、普通どこの店もメニュー表に価格が入っているといいます。漢字さえなんとなく分かれば安心して食事ができるのもうれしいところです
最後は「豆奶」。豆乳のことです。温かい豆乳で売られていることが多く、さまざまなフレーバーがついていることも多くなっています。こちらも店ごとに味が異なることも多く、お気に入りの味を探すのも楽しいでしょう。
中国初心者にもおすすめの観光地ハルビン
ハルビンを代表する東北料理である「锅包肉(ゴウバオロウ)」(甘酢あんかけをかけた薄切り豚肉の天ぷら)。これを褒められるとハルビン人はとてもうれしそうにしてくれます
実は中国語の発音がもっとも標準的なのもハルビン
ですが、実際にハルビンに行くようになると、中国初心者にもおすすめできる中国の大都市であると分かります。筆者はかつて北京に住み、上海、深セン、広州、香港などに仕事で行っていたのですが、ハルビンはちょっと驚くほど治安が良い。北京は環状道路5環のなかは治安が良いといわれており、実際筆者も怖い思いなどをしたことはないのですが、それ以外の都市はそれなりに治安の悪さを感じることがありました。
しかし、ハルビンは人口1000万人といわれる大都市なのに、どこかのどかなのです。隙があればだましてやろうという悪意も感じないですし、タクシーの遠回りにもあったことがないですし、観光地にありがちなぼったくりもほとんど見かけません。
世界三大氷祭りといわれる「ハルビン氷祭り」。北海道出身の筆者も驚くようなスケールで行われているので、チャンスがあればぜひ訪れたい
さらにハルビンはアムール川の最大の支流である松花江が流れる川の街でもあるため、水が豊富で、中国のなかでも衛生度が高く、さまざまな料理を比較的安心して楽しめるのも大きな魅力といえます。ぜひ一度訪れて、さまざまな中国の料理を楽しんでみてはどうでしょうか。
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。