クラフトビールをおいしくテイクアウトできる！つい持ち歩きたくなる「真空断熱炭酸ボトル」

2024.9.27

炭酸飲料は開けたら待ったなし？

よく冷えた炭酸水、サイダー、コーラ、ビール、それからカヴァやシャンパーニュなどのスパークリングワイン。これらの炭酸飲料は「開けたて」が一番おいしいと私は思います。ペットボトル入りのソーダ水や缶ビールを開けた瞬間の音を思い出してください。シャンパーニュの繊細でまっすぐな泡を想像してみてください。グッと飲み干したくなりませんか。

そんな「最高！」な状態から、少しずつ精彩を欠いていくのが炭酸飲料の悲しい運命だとも思います。ほら、開栓すると炭酸が待ったなしで抜けていくでしょ？そして仮に炭酸をキープできたとしても、おいしさを保つのが、氷水や麦茶などと比べて、とても難しいのです。

例えばペットボトル入りの冷たいソーダ水を開けるやいなやクイッと一口飲んで、キャップを強く締めて外を歩いてみましょう。キャップのおかげで炭酸の刺激はそれなりにパワーを保てるかもしれません。でもソーダ水はやがて「ぬるいソーダ水」という、ちょっと残念な液体に変わります。

冷たい氷水や麦茶なら、まほうびんに入れれば、外でもひんやりおいしいまま飲めるのにね。

そんなこんなで私は屋外で炭酸飲料をあまり買いません。どうしても飲みたいときは「さっさと飲む」と覚悟を決めて飲みます。

つまり麦茶やコーヒーのようにマイボトルに気軽に詰めて持ち歩けないのが、炭酸飲料の宿命でした。でも、近頃は「炭酸飲料を入れられるまほうびん」があるというではないですか。

本当に炭酸飲料を入れちゃっていいの？ちゃんと冷たいままなの？炭酸の威力はどのくらいキープできるの？

ということで、私もタイガーの「真空断熱炭酸ボトル」を購入し、いろんなシーンで使ってみることに。ところが、次第に“ある1つの愉快な用途”に使い道が収束していったのです。それもこれもある人が「絶対に800mlサイズがいいよ！」とオススメしてくれたばっかりに……！

炭酸水を水筒に入れても本当に大丈夫なのか

私が買ったのは、タイガーの真空断熱炭酸ボトル「MTA-T080」。保冷専用です。価格はオープン価格。私はおよそ4000円弱で手に入れました。

幅10.5cmで、高さは29.3cm。中身が空っぽの状態で重さは380g。持ったときの印象は500mlペットボトルとよく似ています。ながーいけれど、大人の女性が片手で持てるサイズです。A4の書類が入るトートバッグなどにすっぽり収まりそう。

ザラっとマットな質感が美しい。色は「カッパー」、つまり銅色ですね。そしてタイガーのロゴマークの“虎”がかわいい

栓を開けるとこんな感じ。さほど力も要らず開けられます。

キャップは炭酸をうまく逃がすための安全弁の役割も果たします。そしてキャップホルダーのおかげでキャップが吹っ飛ぶこともなさそう

さらにふたも開けてみましょう。

炭酸に耐えるまほうびんの中身は……素人目には「普通のキレイなまほうびん」といった印象。ただ、炭酸をおいしく保つために炭酸の気化を防ぐ材質なのだとか。口が大きいので氷も入れやすそう。ただし手は入らないので、洗うときは長い柄のついたスポンジがあるといいでしょう

せっかくだからフタも分解してみますか。説明書に従って分解するとこんな感じ。

ミゾが多いのでていねいに洗いましょう。パッキンや各パーツを交換したいときは公式サイトで取り寄せ可能です

さてMTA-T080の初仕事＆小手調べはこちら。

炭酸水！でも私の水筒は800mlですからね、ビッグボトル580mlでも余裕で入っちゃう

同じ炭酸水を2本買って、そのうち1本をMTA-T080に詰め、栓をして2時間ほど常温で放置してみました。もう1本は未開栓のまま冷蔵庫で待機。こっちは検証用です。

今回のトライアルの観点は2つ。まず「冷たいか」。そして「シュワッとおいしいか（炭酸が抜けていないか）」です。

説明書によると、このまほうびんは「6時間後の水温を7度以下に保つ」保冷効力があるようです。これは「室温18〜22度の状況で、水温3〜5度の冷水を水筒内に満タンにして縦置きにした状態」の温度だそう。

炭酸については「フタが吹っ飛んだりせずに、2時間後も炭酸を保ったまま、ちゃんと刺激を楽しめるか」を確かめることにしました。

炭酸水を580ml詰め込まれ、キッチンのカウンターで静かに棒立ちするMTA-T080。耳を澄ませても、まほうびんに覆われた炭酸水からは「パチパチ」なんて音も聞こえず。

そして2時間後。恐る恐る開けてみたところ、「シュウッ」と小さな音を立ててキャップが外れました。安全弁がちゃんと仕事をしています。そしてもちろんフタが吹っ飛ぶこともなく、中身が吹きこぼれることもなし。

中身はこちら。コップに注いでみました。

“青ピクミン”の後ろに泡が見えますね

いざ口に含むと、ちゃんと炭酸がはじけて、キンキンに冷たくて、目をキュッと閉じたくなる。耳の奥までキーンとするような炭酸水。つまりちゃんと冷たくて、シュワッとおいしい。よかった！

十分おいしいけれど、念のために検証用の未開封の炭酸も開けてみると、MTA-T080の炭酸水の刺激は未開封と比べても遜色ないと感じました。強いていうなら、未開封の炭酸水のほうがちょっとだけ刺激が強いかもなあ、くらい。まあほんと、優秀な水筒です。

炭酸水だけで済むわけがない

小手調べを晴れてクリアしたMTA-T080は、いよいよ「本来の仕事」にチャレンジします。そう、炭酸飲料は炭酸水だけではありません。私の大好物、ビールだって堂々たる炭酸飲料なのです。

実は真空断熱炭酸ボトルを選ぶ際に「800mlがオススメですよ」と、ある人から言われました。いわく「最近クラフトビールの量り売りをしている醸造所や酒屋さんがあるから、そこで水筒を活躍させるなら、800mlは押さえておきたい」とのこと。なるほどね。

こうして物は試しといわんばかりに、MTA-T080片手にクラフトビール専門店へ赴くことに。「クラフトビール　テイクアウト　量り売り」などをキーワードに、地図を検索してお店を見つけました。

1軒目はこちら。二子玉川のブリューパブ「ふたこビール醸造所」。二子玉川生まれのクラフトビールです。なお、環状8号線沿いの瀬田の交差点を杉並方面に少し進んだところには、系列のブリューパブ「瀬田醸造所」があって、こちらにはワーキングスペースがあり、醸造体験などもできるそう。にぎやかな二子玉川もいいですが、自転車で住宅街を抜けてちょっとビールを持ち帰るのも楽しそうですね。

玉川高島屋の裏にある飲食店メインの商業施設「柳小路」にあります。昼からやってるよ！

柳小路は夜だけ営業しているお店も多いので、昼は少しひっそりとしています

「ごめんくださーい」とドアを開けると、週末の昼下がりのブリューパブはお客さんでいっぱい！ほぼ満席だけど私は平気。だって量り売りでちょっとお邪魔しただけですから。

タップは7種類。度数やビールのタイプが手書きで書かれています。日々更新されるそう。ボードの右下に量り売りについても書かれていますね

「量り売りをお願いしたいのですが」と恐る恐るお店の人に声を掛けると「グラウラーですね、わかりました！」と明るく応じてくれました。あーよかった。ちなみに「グラウラー」とは炭酸飲料を入れる水筒のこと。クラフトビール屋さんでは「グラウラー」と呼ばれることが多いようです。

「容量800mlなので、満タンでお願いします」と空っぽのMTA-T080を差し出し、1番の「フタコエール」を注文。こちらのお店では100ml単位で注文できます。

空っぽの状態の水筒の重さをあらかじめ計測して、ビールを丁寧に注いだあとで再び“体重測定”をします。奥に醸造タンクが見えますね

「800mlほぼパンパンに入りましたよ！できれば今日中に飲みきってくださいね」と手渡されたMTA-T080からビールの香りがほんのり漂います。ビールの香りがカバンに移ることや万が一の漏れが心配な場合は、水筒を包むためのビニール袋があればより安心です。お会計は2000円ちょっとでした。

さて、800mlものビールを抱えて炎天下の東京を歩いて、それを飲まずにいられるでしょうか。路上で缶ビールを飲むのは、いつもの私ならば少し気恥ずかしくてできない。でもMTA-T080は水筒です。道行く人からは「あの人、マイボトルで麦茶でも飲んでるのかな、暑いもんね」と思ってもらえるはず、と考え、帰りの二子玉川駅のホームで、恐る恐るMTA-T080のフタを開けました。

揺らさないようにそーっと持ち運んでいたので、ビールの泡は飲み口の寸前で止まりました。そして思い切って一口……おいしい。クラフトビールらしいコクのある、でも喉ごしがきれいなビールでした。今、私は線路越しに多摩川を見下ろしながら、買ったばかりのビールを飲んでいる。しかも誰にも悟られることなく。なんてこった！

ただ、MTA-T080の飲み口のわずかな「バリ」が唇に当たってちょっと気になったので（でもほんのちょっと！使っていくうちに滑らかになるかも）、「ビールを買って、ボトルに口をつけて屋外でグイッといただく」スタイルは、私はあまりやらないつもりです。今は基本的にまほうびんからコップに注いで飲んでいます。

ふたこビール醸造所
住所：東京都世田谷区玉川3-13-7 柳小路南角2F
電話番号：03-6411-7125
営業時間：11：30〜22：00
定休日：第4火曜日　※臨時休業などはSNSで案内

ふたこビール瀬田醸造所
住所：東京都世田谷区瀬田5-2-1
電話番号：03-6432-7025
営業時間：金〜日・祝日　12:00〜20:00(19:30 L.O)
定休日：月〜木曜日

お出かけ先で、さらにビールを“酌める”お店を探します