福島は想像以上に「ごちそうの国」だった
夏休みが中盤にさしかかった8月のある日、ふと「福島に行ってみようか」となりました。
ここ数年、国内旅行のおもしろさに目覚めて、西日本や北陸や信州へ何度か行き、温泉や食べ物や景色を堪能しています。とくに食べ物は一度「すごい!」と感動すると、旅行から帰ったあとも食卓のスタメンに加えます。
そう、旅の思い出は私の生活に染み込むのです。「次はいつ行こう」って毎日の食卓で考えるのは楽しいものです。「ご縁ができたわ」と勝手にうれしくなる。
たとえば毎朝のお味噌汁は長野の大桂味噌で作るのが一番好きです。冷蔵庫に眠る野菜を手当たり次第に入れても、シンプルにネギだけで仕上げても、旨味が効いたごちそうになる。食後のお茶は金沢で見つけた上林金沢茶舗の棒ほうじ茶の大容量サイズが定番。茶葉を急須に入れるときのザクザクした音や香りも楽しい。塩は昔、スペインのマジョルカ島で出合って帰国時に抱えるほど買ったFLOR DE SALを、1粒ずつ噛みしめるように使っています。もう目から星が出るくらいおいしい。ちなみにこの塩はユウキが取り扱っているのを最近発見したので、もう欧州を恋しがってチビチビ使わなくても大丈夫になりました。
そんなこんなで、国内なら次は東北エリアでしょう、となったのです。
そしたら福島はなんでもおいしかった! 私はもともと福島の日本酒のファンです。奈良萬(ならまん)や寫樂(写楽)、ロ万シリーズは東京のおいしい和食屋さんでも人気の銘柄。なので「福島のあれこれは、さぞやおいしかろうな」と予想して行って、見事的中しました。
急きょ決めた福島行きだったので、レストランガイドブックの「ゴ・エ・ミヨ」に掲載されたアノ有名店を予約して……といったことは叶いませんでしたが(1週間前じゃさすがに予約は取れません)、いいんです、次のお楽しみで。今回のようにプラッと行っても福島の底力がよくわかりました。
ここ数年、国内旅行のおもしろさに目覚めて、西日本や北陸や信州へ何度か行き、温泉や食べ物や景色を堪能しています。とくに食べ物は一度「すごい!」と感動すると、旅行から帰ったあとも食卓のスタメンに加えます。
そう、旅の思い出は私の生活に染み込むのです。「次はいつ行こう」って毎日の食卓で考えるのは楽しいものです。「ご縁ができたわ」と勝手にうれしくなる。
たとえば毎朝のお味噌汁は長野の大桂味噌で作るのが一番好きです。冷蔵庫に眠る野菜を手当たり次第に入れても、シンプルにネギだけで仕上げても、旨味が効いたごちそうになる。食後のお茶は金沢で見つけた上林金沢茶舗の棒ほうじ茶の大容量サイズが定番。茶葉を急須に入れるときのザクザクした音や香りも楽しい。塩は昔、スペインのマジョルカ島で出合って帰国時に抱えるほど買ったFLOR DE SALを、1粒ずつ噛みしめるように使っています。もう目から星が出るくらいおいしい。ちなみにこの塩はユウキが取り扱っているのを最近発見したので、もう欧州を恋しがってチビチビ使わなくても大丈夫になりました。
そんなこんなで、国内なら次は東北エリアでしょう、となったのです。
そしたら福島はなんでもおいしかった! 私はもともと福島の日本酒のファンです。奈良萬(ならまん)や寫樂(写楽)、ロ万シリーズは東京のおいしい和食屋さんでも人気の銘柄。なので「福島のあれこれは、さぞやおいしかろうな」と予想して行って、見事的中しました。
急きょ決めた福島行きだったので、レストランガイドブックの「ゴ・エ・ミヨ」に掲載されたアノ有名店を予約して……といったことは叶いませんでしたが(1週間前じゃさすがに予約は取れません)、いいんです、次のお楽しみで。今回のようにプラッと行っても福島の底力がよくわかりました。
宇都宮あたりから「おいしい福島」が始まる
福島へは東京から電気自動車のテスラで向かいました(電気自動車でのドライブ旅は「いつ、どこで充電するか」も旅程に入れます。パズルみたいで楽しい)。東北道を進み、栃木県宇都宮市の上河内SAで一休みすることに。高速道路のサービスエリアは、その土地のイチオシ、かつド定番がひしめくひのき舞台でもあります。そして宇都宮といえば餃子の国であり、それは上河内SAにおいても例外ではなく、建物に入る前からお土産用冷凍餃子の看板がびっしり。
もはや「上河内サービスエリア」ではなく「我ら宇都宮餃子なり」と宣言しているような一角
で、SAのフードコートで餃子を食べ(さすが、餃子の“羽根”がパリパリ!)、車中で飲むお茶でも買いましょうかね……とドリンク売り場を見ていたら、「それ」に出合いました。
ありがたいオーラが漂う桃色の缶ジュース
JAふくしま未来の桃100%ジュース「桃の恵み」。こちらはイギリスのボリス・ジョンソン元首相が「Yum!」って飲んでいらしたことでも知られています。餃子帝国・宇都宮なのにもう桃帝国・福島が始まってるじゃん……。ってことで、デザートはこちらに決定。加糖なしのストレートな桃ジュースで、真夏に飲んでも喉が疲れず、でも桃のみずみずしさが楽しめるよい飲み物でした。なお、このあと福島に近づけば近づくほど「桃の恵み」が並ぶ棚は拡大していきます。
スワンボートの親玉に出迎えられる
初日は猪苗代湖に立ち寄りました。このとき私はまだ猪苗代湖がどんな存在であるかをよくわかっていませんでした。ただ、道すがら「マリーナ」の看板をみて「おや?」となるわけです。ヨットやモーターボートを係留する場所は、そこが海水だろうが淡水だろうがマリーナと呼びます。だからマリンじゃない湖にマリーナがあったって間違いではない。でも、猪苗代湖ってそんなに巨大なの……?
やがて猪苗代湖に到着し、目に飛び込んできたのがこちら。
やがて猪苗代湖に到着し、目に飛び込んできたのがこちら。
鶴(じゃなくて白鳥だけど)と亀の鉄板コンビ
この日も33度を越える暑さ。でも天鏡閣のあたりは涼しかった
立体パズルのような神業桃パフェ
猪苗代湖の「はくちょう丸」と「かめ丸」に別れを告げて向かったのは、郡山市のフルーツピークス郡山コスモス通り店。青果店が運営するカフェとフルーツとフルーツケーキのお店です。こちらにはテスラの充電スタンド「スーパーチャージャー」があります。
で、充電中にカフェでお茶でも……と思ったら、ものすごい行列。 平日の夕方なのに! たしかにフルーツタルトはキラキラ光っているし、期間限定の「まるごと桃パフェ」を知らせるポスターも気になる。
桃帝国・福島にお店を構える人気フルーツ店ならば、ただ事ではない店であるはず。とはいえ並ぶ時間はない。でもやっぱりあきらめきれない! なので翌朝に行くことにして、ひとまず宿泊先の磐梯山熱海温泉へ。
磐梯山熱海温泉の守田屋は五百川沿いの温泉宿で、客室の露天風呂からも渓流のせせらぎが聞こえます。温泉はキリッとしたアルカリ性の泉質で、42度と熱めなのに繰り返し入っても湯疲れせず気持ちよい。お料理も素晴らしかった! 夏野菜、馬刺し、あと福島の郷土料理「こづゆ」もおいしかった。こづゆは山菜や里芋がたっぷり入ったすまし汁です。
で、充電中にカフェでお茶でも……と思ったら、ものすごい行列。 平日の夕方なのに! たしかにフルーツタルトはキラキラ光っているし、期間限定の「まるごと桃パフェ」を知らせるポスターも気になる。
桃帝国・福島にお店を構える人気フルーツ店ならば、ただ事ではない店であるはず。とはいえ並ぶ時間はない。でもやっぱりあきらめきれない! なので翌朝に行くことにして、ひとまず宿泊先の磐梯山熱海温泉へ。
磐梯山熱海温泉の守田屋は五百川沿いの温泉宿で、客室の露天風呂からも渓流のせせらぎが聞こえます。温泉はキリッとしたアルカリ性の泉質で、42度と熱めなのに繰り返し入っても湯疲れせず気持ちよい。お料理も素晴らしかった! 夏野菜、馬刺し、あと福島の郷土料理「こづゆ」もおいしかった。こづゆは山菜や里芋がたっぷり入ったすまし汁です。
今回の福島旅行で「熱い温泉」にハマりました
そして翌朝、フルーツピークス郡山コスモス通り店に再びチャレンジ。もちろん「まるごと桃パフェ」をオーダーします。やって来たのがこちら。
「まるごと桃パフェ」の名に恥じない、まるごとの桃
思わず「これはこのまま食べていいのですか?」と店員さんに尋ねてしまうくらい桃がどうしようもなく丸くて大きい。店員さんは「はい!(にこにこ)」といった感じで去り、いよいよ桃とフォークを握った私とが相対することに。
いろいろ思案した結果、まずはブルーベリーを1粒つまんで食べて、その下にある桃を1切れだけ、そーっとフォークで引っ張り上げます。なんだかジェンガみたいだな、崩れませんように……!
すると、果汁をたっぷり含んだ桃は1切れ抜けたくらいじゃビクともしないのです。
桃の皮はつるんと剥かれ、果肉にはキズ1つ見当たらない。しかも桃の種もキレイにくりぬかれてる。神業! どうやって作っているんだろう。神秘的なスイーツだわと感心しながら、白桃をむしゃむしゃ食べていきます。私が今まで食べてきた桃のなかで一番派手で一番おいしい。それもそのはず、この桃は最高等級の「特秀」なのだそう。
すばらしい桃は、最後の2〜3切れになったあたりでパフェのグラスに静かに沈みました。ホント立体パズルみたい。ちなみにグラスの中にもカットした桃が入ってます。バニラアイスや桃のシャーベットと一緒に、刻み桃をスプーンですくって食べて……うわー、最初から最後まで桃!
夏が過ぎると共に桃の季節も終わりますが、怒濤の「特製パフェ」は続きます。なんたって年中いろんなフルーツが出回りますからね。秋になったら和栗や無花果(いちじく)の特製パフェが始まりました。冬はきっとイチゴが待っているはず。
いろいろ思案した結果、まずはブルーベリーを1粒つまんで食べて、その下にある桃を1切れだけ、そーっとフォークで引っ張り上げます。なんだかジェンガみたいだな、崩れませんように……!
すると、果汁をたっぷり含んだ桃は1切れ抜けたくらいじゃビクともしないのです。
桃の皮はつるんと剥かれ、果肉にはキズ1つ見当たらない。しかも桃の種もキレイにくりぬかれてる。神業! どうやって作っているんだろう。神秘的なスイーツだわと感心しながら、白桃をむしゃむしゃ食べていきます。私が今まで食べてきた桃のなかで一番派手で一番おいしい。それもそのはず、この桃は最高等級の「特秀」なのだそう。
すばらしい桃は、最後の2〜3切れになったあたりでパフェのグラスに静かに沈みました。ホント立体パズルみたい。ちなみにグラスの中にもカットした桃が入ってます。バニラアイスや桃のシャーベットと一緒に、刻み桃をスプーンですくって食べて……うわー、最初から最後まで桃!
夏が過ぎると共に桃の季節も終わりますが、怒濤の「特製パフェ」は続きます。なんたって年中いろんなフルーツが出回りますからね。秋になったら和栗や無花果(いちじく)の特製パフェが始まりました。冬はきっとイチゴが待っているはず。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori