縦折り式スマホの価格破壊を起こすUlefone「V Flip」
2023年に入り、大手スマートフォンメーカーはアップル以外の全社が折りたたみモデルを販売している。折りたたみスマートフォンの価格は画面サイズの大きい横折りスタイルが20万円台、折りたたむとコンパクトサイズになる縦折りスタイルが10万円超えと、まだまだ高い。だが来年には手軽に買える「格安縦折りスマホ」が登場しそうだ。中国Ulefoneは「X Fold」という名前の縦折りモデルを開発中で、IFA 2023ではモックアップを展示していた。
Ulefoneの縦折りスマホ「X Flip」
詳細スペックはまだ未定だが、カメラは1億画素を搭載する。またカメラの横には1インチ程度の円形サブディスプレイも搭載している。また開いたときのメインディスプレイサイズは7インチ弱のようだった。ここまでの性能を見ると他社の縦折りモデルと変わらないが、価格はかなりアグレッシブなものになるという。元々Ulefoneはコストを抑えたタフ仕様の製品を多数展開しており、手ごろな価格のモデルが多い。X Flipも予定価格は400ドル程度、5万円台を想定しているという。これは現在販売中の縦折りスマートフォンの半分以下の価格だ。
たたむと小さくコンパクトになる。5万円台の価格は驚異的だ
発売時期は未定だが、モックアップができていることから、すでに製品開発は終盤を迎えていると考えられる。本体はビーガンレザーで覆われており、肌触りもよく高級感ある仕上げだ。本当に5万円台の価格で発売になれば、折りたたみスマートフォン市場の台風の目になるかもしれない。Ulefoneのスマートフォンは海外のアマゾンなどでオンライン販売されており、発売されればアメリカやヨーロッパからの購入が可能になる。日本市場に投入されるかどうかは不明だが、今から発売を楽しみにしておくといいだろう。
本体の仕上げも高級感がある
注目を集めるサムスンとモトローラの折りたたみスマホ
日本ではまだまだ折りたたみスマートフォンの認知度は低いが、海外ではかなり知られる存在になってきている。元々サムスンやモトローラのスマートフォンは人気製品であり、いまやフラッグシップモデルとして折りたたみモデルを大々的に投入しているからだ。この2社の折りたたみスマートフォンは日本でも販売中だ。
モトローラの折りたたみスマートフォンは日本でも発売された「razr 40 Ultra」に加え、海外では「razr 40」も注目されている。razr 40 Ultraは本体をたたんだままでも使えるように外側に3.6インチの大型ディスプレイを搭載しているが、razr 40は1.5インチと細長いディスプレイになっている。通知を知る程度にしか使い道がないものの、閉じた状態の上蓋側もビーガンレザーに覆われた高級感ある外観に仕上げられている。また外の画面サイズが小さい分、400ドル程度安い。つまり日本円で10万円程度で買うことができるのだ。現時点では中国やヨーロッパでの販売となるが、日本でもrazr 40 Ultraの姉妹機として発売してほしいもの。
モトローラの折りたたみスマートフォンは日本でも発売された「razr 40 Ultra」に加え、海外では「razr 40」も注目されている。razr 40 Ultraは本体をたたんだままでも使えるように外側に3.6インチの大型ディスプレイを搭載しているが、razr 40は1.5インチと細長いディスプレイになっている。通知を知る程度にしか使い道がないものの、閉じた状態の上蓋側もビーガンレザーに覆われた高級感ある外観に仕上げられている。また外の画面サイズが小さい分、400ドル程度安い。つまり日本円で10万円程度で買うことができるのだ。現時点では中国やヨーロッパでの販売となるが、日本でもrazr 40 Ultraの姉妹機として発売してほしいもの。
外側も上品な作りの「razr 40」(左)。右は「razr 40 Ultra」を開いたところ
サムスンの折りたたみスマートフォンは日本を含むほぼ全世界で販売されており、毎年夏に最新モデルが発表されている。モトローラ同様、サムスンも顔となる製品を折りたたみスマートフォンとしており、IFA 2023の巨大なサムスンブースでも縦折り式の「Galaxy Z Flip5」と横折り式の「Galazy Z Fold5」はどちらも人気が高かった。
Galaxy Z Flip5はモトローラrazr 40 Ultraよりやや小ぶりながら、本体を閉じたままで自撮りもできる3.4インチの大型ディスプレイを外側に配置しており、ブースでも「閉じたまま」「本体をL字に折りたたんで」セルフィーできる機能のデモが行われていた。またスマートウォッチ「Galaxy Watch6」の画面をカメラのプレビューとして使い、リモートシャッターが切れるなど、サムスン製品のエコシステムを活用した使い方も注目を集めていた。
Galaxy Z Flip5はモトローラrazr 40 Ultraよりやや小ぶりながら、本体を閉じたままで自撮りもできる3.4インチの大型ディスプレイを外側に配置しており、ブースでも「閉じたまま」「本体をL字に折りたたんで」セルフィーできる機能のデモが行われていた。またスマートウォッチ「Galaxy Watch6」の画面をカメラのプレビューとして使い、リモートシャッターが切れるなど、サムスン製品のエコシステムを活用した使い方も注目を集めていた。
Galaxy Watch6でプレビューしながらGalaxy Z Flip5のカメラをコントロール
Galaxy Z Fold5は開けば小型タブレットとなり、手書き入力できるSペンを使うことでビジネスやクリエイティブ用途にも活用できる。折りたためばスーツやジーンズのポケットにも入るスリムな形状になるので、持ち運びもしやすい。Galaxy Z Fold5はサムスンの5世代目の折りたたみスマートフォンでもあり、総合的な使い勝手は他社製品を一歩リードしている。サムスンは日本市場を重視しているので、最新折りたたみスマートフォンを毎年常に投入してくれるのはうれしいことだ。
ペン入力にも対応するGalaxy Z Fold5
折りたたみスマートフォンはまだニッチな存在かもしれないが、ファッションアイテムから実用性の高いツールになるモデルまで、さまざまな製品が登場している。これからも海外では毎月のように折りたたみスマートフォンや折りたたみノートPCの新製品が登場することだろうし、その一部が日本でも発売されることに期待したい。
折りたたみスマートフォンの進化はまだまだ続く
山根 康宏
香港在住携帯研究家
スマホとSIMを求めて世界各国を取材中。海外、特に中国の通信事情に精通している。大手メディアへの執筆も多数。海外スマホ・ケータイを1800台所有するコレクターでもある。