「上司の言うことが正しいと頭ではわかっていても、ミスを指摘されるとどうしても傷ついてしまう」という人は少なくありません。「大人になれば𠮟責に慣れる」というものでもないですし、「ほぼ怒られずに育ってきた」という若い世代にとっては、なおさらショックが大きいようです。それだけに、上手にミスを指摘して改善につなげてもらうためには、相手の心情を踏まえた振る舞いが求められます。
受ける部下や後輩はもちろん、する側にとっても楽しくはない「ミスの指摘」。素直に聞いてもらえて、できれば「教えてもらえてよかったな」と思ってもらうには? 気を付けたいポイントをまとめました。
受ける部下や後輩はもちろん、する側にとっても楽しくはない「ミスの指摘」。素直に聞いてもらえて、できれば「教えてもらえてよかったな」と思ってもらうには? 気を付けたいポイントをまとめました。
原則として、人前では叱らない
仕事上のミスや、目標を達成できていないことをほかのメンバーの前で叱ることは、部下や後輩の自尊心を傷つけます。ストレスや反発心を生むことにもつながるため、肝心の指摘が響かないことも。また、部下や後輩に人前で謝罪させ、上司である自分が大げさに責めることで周囲の怒りをコントロールし、場を収めようとする人もいますが、それは彼らを生贄としたパワハラです。「見せしめ」のような対応は、ほかのチームメンバーの士気を下げ、失敗に対する恐怖を植え付けます。結果として、誰も挑戦しない、覇気のないチームになってしまいます。
自分が若手だった頃も「心を傷つけられて、仕事への意欲がわいた」なんてことはなかったはずです。ミスの指摘は、部下を別室に呼び出すか、周囲に人のいないタイミングで行いましょう。さらに、実際には「指摘」だとしても、再発防止のために「事情を聴く」というスタイルで行うと、「圧迫された」「パワハラ」と受け取られることは少なくなります。
例外として「遅刻の常習犯である」「社内(屋内)で社則なのにマスクをしない」といった「チームに迷惑をかけること」や、「社内だからと顧客を呼び捨てにする」などの「社の規範を乱すもの」については、周囲に人がいようといまいと、その場で即座に注意するべきです。
こういった「注意されて当然」という認識が共有できていることについては、仮に人前で注意を受けても心に傷が残りにくいです。一方で、これらの「明らかによくない」とされていることに対して、上司が一貫した姿勢を見せないと、ほかのチームメンバーの不満の種になってしまいます。知らない間に上司への信頼が目減りする原因になるので、ここだけは「即、注意」としたいものです。
例外として「遅刻の常習犯である」「社内(屋内)で社則なのにマスクをしない」といった「チームに迷惑をかけること」や、「社内だからと顧客を呼び捨てにする」などの「社の規範を乱すもの」については、周囲に人がいようといまいと、その場で即座に注意するべきです。
こういった「注意されて当然」という認識が共有できていることについては、仮に人前で注意を受けても心に傷が残りにくいです。一方で、これらの「明らかによくない」とされていることに対して、上司が一貫した姿勢を見せないと、ほかのチームメンバーの不満の種になってしまいます。知らない間に上司への信頼が目減りする原因になるので、ここだけは「即、注意」としたいものです。
短時間でサクッと
部下に反省させようと、指摘の際に時間をかけてよくないところをあげつらうのは逆効果です。長々としたお説教は、部下を萎縮させるだけ。「ミスをすると、長時間同じことを繰り返してネチネチ叱られる」と部下が学習してしまうと、今後はミスを隠そうとするようになるかもしれません。
ミスを指摘するときほど「要点を整理してサクッと短時間で」を心がけたいものです。心理的なハードルを下げ、受け入れやすいスタイルでの指摘を心掛けたほうが、部下も成長するはずです。
「ミスをしたので怒られると思っていたら、改善点を伝えられただけだった。私のミスの後始末をした上司はきっと大変だったはず。それなのに感情的にならず、『今後、どうすればよいか』をわかりやすく教えてくれた上司の態度がありがたくて、同時に深く反省もした」という若手の声もあります。
とにかく「カラッと」「的確に」を心がけることが大切です。
ミスを指摘するときほど「要点を整理してサクッと短時間で」を心がけたいものです。心理的なハードルを下げ、受け入れやすいスタイルでの指摘を心掛けたほうが、部下も成長するはずです。
「ミスをしたので怒られると思っていたら、改善点を伝えられただけだった。私のミスの後始末をした上司はきっと大変だったはず。それなのに感情的にならず、『今後、どうすればよいか』をわかりやすく教えてくれた上司の態度がありがたくて、同時に深く反省もした」という若手の声もあります。
とにかく「カラッと」「的確に」を心がけることが大切です。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019