新しいiPhone 16シリーズは何が変わった?Pixel 9シリーズとどちらを買うべき?

坂倉 優介

AISpecialスマートフォン
2024年もさまざまなスマートフォンが発売されましたが、トレンドは「AI」と「折りたたみ」でした。

特に注目度が高いAIで先手を打ったのはGoogleです。昨年秋に発売したGoogle Pixel 8シリーズでAIを全面に打ち出し、生成AIを活用したアシスタント機能のGeminiと、写真編集の編集マジックを追加し、2024年発売のGoogle Pixel 9シリーズでは、さらにAI機能を強化しています。

各スマホメーカーがAIを積極的に導入するなかで、AIの導入に慎重だったAppleも、2024年9月に発売したiPhone 16シリーズを「Apple Intelligenceのために設計」とAIを強く打ち出しました。

これからスマホのAI導入が本格化することになり、スマホの選び方も変わっていくはずです。これまでは、カメラの画質やゲームがどれだけ快適にプレイできるかなどを重視して選んでいた人たちも、これからは便利なAI機能が買い替え理由の上位に挙がることになるかもしれません。

そんなスマホ進化の途上にあるまさに今、その選び方に頭を悩ませている人も多いはず。

そこで今回は、特に日本で高い人気を誇るiPhone 16シリーズにフォーカスし、デザインやカメラなどが前モデルからどういった進化を遂げたのか、さらに、AIで先行し日本でも人気が急速に高まっているPixel 9シリーズとの違いを比較したいと思います。

iPhone 16シリーズはどう進化した?

iPhone 16シリーズは、スタンダードモデルの「iPhone 16」と「iPhone 16 Plus」、高性能なカメラとチップセットを搭載したProモデルの「iPhone 16 Pro」と「iPhone 16 Pro Max」の4機種がラインアップされています。

画面サイズは、従来のシリーズでは6.1インチと6.7インチの2種類でしたが、今年のProモデルの2機種ではより薄くなったベゼルを採用したことで、わずかに大型化した6.3インチと6.9インチも選ぶことができます。

・iPhone 16:6.1インチ
・iPhone 16 Plus:6.7インチ
・iPhone 16 Pro:6.3インチ
・iPhone 16 Pro Max:6.9インチ

ディスプレイの画面輝度(明るさ)は、最小1ニトまで下げることが可能になりました。つまり、これまでよりも画面を暗くできるため、例えば、暗い寝室で子どもや家族が隣に寝ているときでも、画面の明るさを気にすることなくスマホを操作できます。

側面には新しい「カメラコントロール」が追加されました。

カメラコントロールを1回押すとカメラがすぐに起動し、カメラが起動した状態で1回押すと写真と動画を撮影できるため、目の前で起きたことを逃さずに記録できます。

さらに、カメラコントロールを半押ししてから指でなぞるようにスライドすると、ズームや露出(明るさ)、被写界深度、スタイル、トーンの調整もできるなど、名前が表すとおり、指1本でカメラのさまざまな機能をコントロールできます。
年内に配信されるアップデートでは、カメラ専用機のように、半押しで被写体にフォーカスを合わせて露出を固定し、そのまま押すと撮影できる「2段階シャッター」も追加予定です。

画質面では、狭い場所でも広く撮れる超広角レンズが、より明るく撮影できるようになり、スタンダードモデルは初めてマクロ撮影にも対応しました。iPhone 16 Proは、コンパクトなProモデルとして初めて光学5倍ズームの望遠レンズを搭載(これまでは光学3倍ズーム)。高い望遠圧縮効果で、スマホ離れした写真を撮影可能になっています。

動画もなめらかさと解像度が向上しました。解像度の向上によって、iPhoneで撮影した動画をテレビなど大画面で視聴したり、拡大して再生するときも、くっきりした映像で視聴できます。
スタジオ品質のマイクを搭載するProモデルでは、動画に記録される音声の音質も向上しています。また、4機種すべてが音声の編集機能「オーディオミックス」に対応しているため、背景の音を小さくしたり、動画に映っている人の声だけを大きく強調するなど音を自在に調整できます。そして、ようやく風切り音の低減にも対応したので、強風の日の屋外撮影も背景音を気にせずにできるようになりました。

そのほかにも、高速かつ安定した通信が可能なWi-Fi 7に対応、電池持ちの向上も図られています。また、マグネットを活用したワイヤレス充電「MagSafe」の出力が15Wから25Wに向上したことで、有線の高速充電と同じ約30分で最大50%まで充電できます(新しいMagSafe充電器と30W以上の電源アダプタが必要)。

チップセットは、スタンダードモデルがA18、ProモデルがA18 Proを搭載することで4機種すべてが「Apple Intelligence」に対応します。iPhone 16シリーズ以外では、A17 Proチップを搭載するiPhone 15 Pro/15 Pro Maxの2機種のみ対応しているので、Apple Intelligenceを利用したいのであれば、これら6機種のいずれかに買い替える必要があります。

Google Pixel 9シリーズとiPhone 16シリーズを徹底比較

ラインアップ

ラインアップはiPhone、Pixelのいずれも4機種ですが、iPhone 16シリーズは割安ながら大画面かつ長い電池持ちのiPhone 16 Plusを選べるのに対して、Google Pixel 9シリーズの大画面モデルは高額なProモデル1機種と、折りたたみスマホ1機種となっています。

・iPhone 16:6.1インチ
・iPhone 16 Plus:6.7インチ
・iPhone 16 Pro:6.3インチ
・iPhone 16 Pro Max:6.9インチ

・Google Pixel 9:6.3インチ
・Google Pixel 9 Pro:6.3インチ
・Google Pixel 9 Pro XL:6.8インチ
・Google Pixel 9 Pro Fold:6.3インチ / 6.8インチ(折りたたみスマホ)

デザインとカラー

デザインは背面に大きな違いがあります。

iPhone 16シリーズは背面の左上にカメラをまとめているのに対して、Google Pixel 9シリーズは背面を大胆に横断するカメラバーを採用しています。見た目は好みがありますが、筆者個人的にはiPhoneが好み。実用上は机に置いたまま操作してもガタつきが少ないGoogle Pixel 9シリーズに軍配が上がります。

iPhone 16 Pro - デザートチタニウムとGoogle Pixel 9 Pro - オブシディアン

背面の仕上げは、スタンダードモデルのGoogle Pixel 9を除いて指紋の目立ちにくいマット仕上げを採用しています。フレームの素材は、iPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Maxがチタニウムを採用。軽量ながら耐久性に優れ、高級感もあります。ほかはチタニウムよりも軽量なアルミニウムを使用しています。フレームの仕上げは、Google Pixel 9/9 Pro XLのみ、指紋が目立つ光沢仕上げとなっています。

カラーは、どちらもブラック系とホワイト系の選びやすい色合いに加えて、スタンダードモデルはポップなカラー、Proモデルでは落ち着いた色合いが選べる傾向にあります。

カメラ(スタンダードモデル)

どちらのスタンダードモデルも広角カメラと超広角カメラで構成されるデュアルカメラを搭載しています。違いは超広角カメラの画素数で、Google Pixel 9の48メガピクセルに対して、iPhone 16/16 Plusは12メガピクセルです。

「カメラの高い画素数が必ずしも、高い画質につながるわけではない」といった話を、読者の皆さんももしかしたら一度は聞いたことがあるかもしれませんが、現代のスマートフォンは、高性能なプロセッサと優れたソフトウェア処理、高画素なイメージセンサーを組み合わせることで画質向上が可能です。

代表的な例が複数のピクセルを1つに束ねることで、夜間など暗い場所での撮影時でも多くの光を取り込み、明るくノイズの少ない写真が撮れるというもの。

この技術は標準的な機能で両機種の広角カメラに導入されていますが、Google Pixel 9では超広角カメラにも取り入れています。スマートフォンのカメラでは、超広角カメラに切り替えると画質が劣化する機種もありますが、両方のカメラに同じ技術を導入しているGoogle Pixel 9のカメラは画質が劣化しにくいといえます。

超広角カメラ。左:iPhone 16 Proで撮影、右:Google Pixel 9 Proで撮影

・iPhone 16/16 Plus:広角48メガピクセル+超広角12メガピクセル
・Google Pixel 9:広角50メガピクセル+超広角48メガピクセル

カメラ(Proモデル)

iPhone、PixelともにProモデルには、遠くの被写体をくっきり撮影できる望遠カメラも加えた、トリプルカメラが搭載されています。望遠カメラも超広角カメラと同じように画素数に違いがあるほか、Google Pixel 9/9 Pro XLの望遠カメラは光学相当10倍ズームに対応しています。

これも高画素なイメージセンサーならではのカメラ機能です。iPhone 16 Pro/16 Pro Maxで10倍にズームすると、12メガピクセルで撮影した画像を引き伸ばすため、画素が荒くなって画質が劣化します。一方、Google Pixel 9/9 Pro XLの場合は、高画素なイメージセンサーの中心部から12.5メガピクセルの画像を切り抜くことで、鮮明な撮影を可能にしています。

10倍ズーム。左:iPhone 16 Proで撮影、右:Google Pixel 9 Proで撮影

なお、動画撮影では、4K/最大120fpsでなめらかな映像を撮影できるiPhone 16 Pro/16 Pro Maxに対して、Google Pixel 9 Pro/9 Pro XLは8K/30fps、4K/最大60fpsと高解像度な撮影が楽しめる違いがあります。また、高画質で自由度の高い編集によるプロフェッショナルな撮影ができるProResやLog撮影が可能なのはiPhone 16 Pro / 16 Pro Maxだけです。

・iPhone 16 Pro/16 Pro Max:
広角48メガピクセル+超広角48メガピクセル+望遠12メガピクセル、光学5倍ズーム、4K/120fps、ProRes、Log撮影
・Google Pixel 9 Pro/9 Pro XL:
広角50メガピクセル+超広角48メガピクセル+望遠48メガピクセル、光学5倍ズーム、光学相当10倍ズーム、8K/30fps
・Google Pixel 9 Pro Fold:
広角48メガピクセル+超広角10.5メガピクセル+望遠10.8メガピクセル、光学5倍ズーム、4K/60fps
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坂倉 優介

ブログメディア運営
スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うブログメディア「携帯総合研究所」を運営。高校生時代に立ち上げて15年以上が経過しました。エンジニアの経験を活かして、大手キャリア4社の機種代金や月額料金を比較できる料金シミュレーターも開発しています。

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