新しいiPhone 16シリーズは何が変わった?Pixel 9シリーズとどちらを買うべき?

坂倉 優介

AISpecialスマートフォン

ソフトウェア補正

AIを含むソフトウェア補正は、画質や写り具合に大きく影響します。ここは各メーカーの特色が出るため、自分好みのものを選ぶ必要があります。

数カ月使って感じるのは、Google Pixel 9 シリーズが青い空が映えるような爽やかな色合いで記録するのに対して、iPhone 16 シリーズは、暖色寄りで人の見た目に近づけた色合いで記録されるということ。

以下の写真を見てもわかるとおり、Google Pixel 9シリーズで撮影した写真はシーンによらず青っぽく撮れますが、iPhone 16 Proで撮影した写真は比較的、黄色や赤色に近い暖色寄りになります。

左:iPhone 15 Proで撮影、右:Google Pixel 9で撮影

5倍ズーム。左:iPhone 16 Proで撮影、右:Google Pixel 9 Proで撮影

ディスプレイ

ディスプレイにも大きな違いがあります。

Google Pixel 9シリーズが前面カメラ部分に丸い「パンチホール」を採用するのに対して、iPhone 16シリーズは横長の「ダイナミックアイランド」を採用しています。

ダイナミックアイランドとパンチホール

見た目のほかに、機能性にも違いがあります。

例えば、タイマーをかけてアプリから離れる場合、Google Pixel 9シリーズでは、時計アプリに戻るか、通知やロック画面を表示する必要がありますが、iPhone 16シリーズならダイナミックアイランドに表示されるため、どこの画面にいても残り時間を確認できます。料理をしていて材料を確認したり、レシピ動画を見るときなどに便利です。

時計アプリから離れてもタイマーの残り時間を確認できる

ほかにもダイナミックアイランドでは音楽をコントロールしたり、ナビを確認したり、Uber Eatsの配達残り時間を確認することも可能。広範囲を照らしたり、一点に集中させるなど、懐中電灯の光り方を操作することもできます。

ディスプレイの性能そのものを比較すると、より明るく表示できるのはGoogle Pixel 9シリーズ、逆により暗く表示できるのはiPhone 16シリーズです。iPhone 16/16 PlusはProシリーズとは違い、ロック状態でも画面が常に点灯して通知や時間を確認できる常時表示機能やProMotionテクノロジーによるなめらかな表示には対応していません。

・iPhone 16/16 Plus:リフレッシュレート60Hz、1ニト〜2,000ニト
・iPhone 16 Pro/16 Pro Max:リフレッシュレート1-120Hz、1ニト〜2,000ニト、常時表示対応
・Google Pixel 9:リフレッシュレート60-120Hz、2,700ニト、常時表示対応
・Google Pixel 9 Pro/9 Pro XL:リフレッシュレート1-20Hz、3,000ニト、常時表示対応

また、Google Pixel 9/9 Pro/9 Pro XLのディスプレイには、超音波式の指紋認証センサーが搭載されているため、画面に指を乗せるだけで画面ロックを解除できます。両シリーズとも顔認証を利用できます。

チップセットの性能

スマホの性能に大きく影響するチップセット。iPhone 16/16 PlusはA18、iPhone 16 Pro/16 Pro MaxはA18 Proを搭載しています。Google Pixel 9シリーズは4機種すべてGoogle Tensor G4を搭載しています。

チップセットの性能を数値化できるベンチマークスコアを計測したところ、以下のような結果になりました。
すべてのベンチマークアプリにおいて、iPhone 16 ProがGoogle Pixel 9シリーズを上回っています。

総合パフォーマンスを評価するAnTuTuでは150万点超を記録し、CPUのパフォーマンスを計測したGeekbench 6でもダブルスコアをつけています。

ゲームを快適にプレイできる目安となるGPUのパフォーマンスにおいても、iPhone 16 Proが大差を付け、長いプレイ時間でも発熱の影響を受けずにどれだけ性能を維持できるのか目安になるストレステストにおいても、パフォーマンスの維持率が約7割とかなり優秀。ロースコアがGoogle Pixel 9 Pro XLのベストスコアを上回るなど、チップセットの性能に関してはiPhone 16 Proの圧勝となっています。

AI

Google Pixel 9シリーズには、「Gemini」をはじめとする多くのAI機能が搭載されています。

おそらく最も有名なGoogle PixelのAI機能は「消しゴムマジック」でしょう。写真に映り込んだ不要なものをなぞるだけで、AIが消したいものを認識して自然に消すことができます。また、被写体を大きくしたり、場所を移動して協調できる「編集マジック」や、動画の音声をAIが分類して音量を調整できる「音声消しゴムマジック」も利用できます。

Google Pixel 9シリーズでは、AIが写真の構図を自動で調整する「オートフレーム」や、旅行などで集合写真を撮るときに、交代しながら撮影した写真をAIが1枚に合成することで、撮影者も同じ写真に映ることができる「一緒に写る」、写真の好きな場所を選び、電車や花火など追加したいものをテキスト入力することで、AIが生成して自然に追加してくれる「イマジネーション」といった最新のAI機能も追加されています。

追加したいものをテキスト入力するだけで写真に追加できる新機能「イマジネーション」

また、電源ボタンを長押しすると、いつでもGeminiを起動して重要なメールの要約を依頼することや、旅行のプランを考えてもらうこともできます。

一方、iPhone 16シリーズで利用できる「Apple Intelligence」では、AIが文章の作成をサポートしてくれる作文ツールや、テキストからの画像生成、iPhoneなどAppleの製品についてわからないことを教えてくれる新しいSiri、Siriとシームレスに連係してSiriが答えられないことを教えてくれるChatGPT、録音した音声の文字起こしと要約、Google Pixelの消しゴムマジックに相当する「クリーンアップ」などが追加される予定です。

多くの機能はすでにGoogle Pixelで実現されている機能ですが、Apple Intelligenceならではの機能として、Siriがデバイス上の情報を活用して探しものを自分の代わりに見つけてくれる機能が追加されます。これまではメモに保存したのか、LINEで送られてきたのか、それともiMessageだったかなど、まずは何でメッセージをやり取りしたかというように、アプリを特定するところから探しものが始まっていましたが、Apple Intelligenceの提供後はSiriに聞くだけとなります。

なお、Apple Intelligenceは2024年内に米国英語から公開予定と案内されています。日本語対応は2025年以降となるため、楽しみにしておきましょう。

結論!iPhone 16 シリーズとGoogle Pixel 9 シリーズ、どっちを選ぶべき?

以上がiPhone 16シリーズとGoogle Pixel 9シリーズの違いでした。どちらを選ぶのか、決め手となるのはやはりカメラです。

より遠くの被写体をきれいに撮影したいのであれば、Google Pixel 9 Pro/9 Pro XLがオススメ。光学相当の10倍ズームや最大30倍の超解像ズームを備え、撮影後の拡大編集時に失われるディテールをAIで補正することで画質を向上させる「ズーム画質向上」(Proモデルのみ)にも対応するからです。カメラ専用機のような望遠圧縮効果が楽しめるため、ついついズームして写真を撮りたくなるカメラです。

自然な色合いの写真を撮影したり、食べ物を美味しそうに撮れる暖色を好むなら、iPhone 16シリーズをオススメします。動画を撮る機会が多いのであれば、最大4K/120fpsの高解像度かつ、なめらかな映像を撮影可能で、ProResやLog撮影といった映像制作向けのビデオフォーマットにも対応するiPhone 16 Pro/16 Pro Maxがオススメです。

どちらのシリーズでも長期間のアップデート提供が期待できますが、チップセットの性能を考えると、iPhone 16シリーズの方が数年経った後も快適に操作できそうです。

最後に価格を確認しましょう。公式ストアの価格は以下のとおり。競合機種の価格はほぼ同額の設定になっていて、価格差が選択の大きな決め手になるということはないと思います。

・iPhone 16:128GB・12万4800円から
・Google Pixel 9:128GB・12万8900円から
・iPhone 16 Pro:128GB・15万9800円から
・Google Pixel 9 Pro:128GB・15万9900円から
・iPhone 16 Pro Max:256GB・18万9800円から
・Google Pixel 9 Pro XL:128GB・17万7900円から(256GBは19万2900円)
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坂倉 優介

ブログメディア運営
スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うブログメディア「携帯総合研究所」を運営。高校生時代に立ち上げて15年以上が経過しました。エンジニアの経験を活かして、大手キャリア4社の機種代金や月額料金を比較できる料金シミュレーターも開発しています。

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