ロボットやデジタルヒューマンがトレンド
ロボットは、人間に近い両腕で作業できるタイプや二足歩行タイプ、犬のような四つ足歩行型が中心で、人と一緒に作業したり、物をつかんで動かすといった細かな動作のできるものがトレンドです。数こそ多くありませんでしたが、筆者が取材した大阪・関西万博でも人型ロボットは着実に需要が伸びている印象なので、来年のInnoVEXではもっといろいろなタイプのロボットが出展されるかもしれません。

ロボットは人型の開発が世界的トレンドになっている
デジタルヒューマンはAIの進化でよりスムーズな対話が可能になり、活用が進んでいます。会場では、AIアバターと会話しながら好みのお酒を選ぶと、隣にいるロボットが自動でカクテルを作ってくれる「AIバーテンダー」が人気を集めていました。

AIバーテンダーが来場者と会話をし、好みに合わせた本物のカクテルを提供
アキバなCOMPUTEX、ファッショナブルなCOMPUTEX
もちろん、これまでどおりの“アキバ的”なCOMPUTEX展示も健在で、奇抜なデザインの自作コンピュータがあったり、オーバークロックのイベントが開催されていたりします。

驚くようなデザインのコンピュータがあちこちで見られる

これも自作パソコン
またCOMPUTEXは、日本と同じかそれ以上に、派手な衣装を着たコンパニオンやコスプレイヤーたちが会場各所にいるのも見どころ。一般にも開放される最終日には、それらがお目当てらしき人たちがたくさん会場に詰めかけていました。

ゲーム関連の展示にあわせたコスプレイヤーたちも登場
一方で、IT業界をファッショナブルにしていこうという流れもあるようです。男性ファッション誌の「GQ」がおしゃれなラウンジを出展し、カッコいいモデルがデジタル機器を解説する映像を流しながら、無料でカクテルやフードを提供するという、ちょっと不思議なエリアもありました。

ファッション誌「GQ」による無料ラウンジはまるでバーそのもの
COMPUTEXは全体的に来場者の年齢層が低く、女性もたくさん見かけ、IT業界への関心が高いことがわかります。来場者数だけ見れば米国や日本で開催されるIT系展示会より少ないものの、会場では英語が当たり前のように飛び交い、アジア最大の展示会へと成長しそうな勢いが強く感じられます。日本からは飛行機で3時間とアクセスもよく、展示だけでなく観光も楽しめるので、機会があればぜひ参加してみることをオススメします。

野々下 裕子(NOISIA)
テックジャーナリスト
神戸を拠点に国内外のテック系イベントやカンファレンスの取材、インタビュー、リサーチなどを幅広く行う。オンラインメディアを中心に執筆多数。