「用賀に来て」と胸を張って友達を呼べるお店
東京都世田谷区用賀の位置を、用賀に詳しくない人に対して手短に説明するなら、「田園都市線沿いの二子玉川駅の手前にあります」とか「砧公園の最寄り駅ですよ」というのがちょうどよさそうです。用賀駅直結の複合施設GMOインターネット TOWERがあることでも知られています。
車を運転する人ならば、用賀は首都高速道路と東名高速道路の入り口でおなじみでしょうし、東急バスのターミナルも便利。まあ、いいところなんです。
でもね、かつて用賀に7年ほど暮らしていた私は、首都圏在住の友達と会うときに「用賀へ来て!」となかなか言えませんでした。なぜなら東京があまりに巨大すぎるから。東京スカイツリーや渋谷スカイの展望台から東京を眺めるとよくわかります。大きな都市がいくつもくっついて構成されているのが東京なんです。友達が暮らすエリアだってバラバラで、だったらターミナル駅の渋谷や新宿に集まった方が効率がいいし、私だけ待ち合わせ場所に徒歩5分で到着する用賀にみんなを呼び寄せるなんて気が引ける。
ところが、用賀にある、いくつかのおいしいお店と出合ってからは「絶対に後悔させないから足を運んでほしい」と誘えるようになりました。今では関西方面から用賀へ定期的に遊びに来てくれる人もいます。
数年前に引っ越しをして用賀から離れてしまった今も、私はそれらのお店に定期的に通っています。そんなとっておきのお店のいくつかを紹介します。
車を運転する人ならば、用賀は首都高速道路と東名高速道路の入り口でおなじみでしょうし、東急バスのターミナルも便利。まあ、いいところなんです。
でもね、かつて用賀に7年ほど暮らしていた私は、首都圏在住の友達と会うときに「用賀へ来て!」となかなか言えませんでした。なぜなら東京があまりに巨大すぎるから。東京スカイツリーや渋谷スカイの展望台から東京を眺めるとよくわかります。大きな都市がいくつもくっついて構成されているのが東京なんです。友達が暮らすエリアだってバラバラで、だったらターミナル駅の渋谷や新宿に集まった方が効率がいいし、私だけ待ち合わせ場所に徒歩5分で到着する用賀にみんなを呼び寄せるなんて気が引ける。
ところが、用賀にある、いくつかのおいしいお店と出合ってからは「絶対に後悔させないから足を運んでほしい」と誘えるようになりました。今では関西方面から用賀へ定期的に遊びに来てくれる人もいます。
数年前に引っ越しをして用賀から離れてしまった今も、私はそれらのお店に定期的に通っています。そんなとっておきのお店のいくつかを紹介します。
スペイン・バスク地方の料理を楽しめる「LANBRoA(ランブロア)」
「ランブロア」は、世界有数の美食都市として知られるスペイン・バスク地方のサンセバスチャンで腕を磨いたシェフのお店です。数年前にサンセバスチャンを旅行して以来、私はバスク料理が大好きになりました。海と山のおいしい食材を丁寧な味付けで優しく仕上げるのがバスク料理の特徴です。
用賀駅から徒歩5分ほどの住宅街にあります。緑の屋根と窓枠が目印
6人ほどが座れるカウンターとテーブルひとつのこぢんまりとしたお店です。バスクシャツを着たシェフとソムリエの2人の女性が切り盛りしています。いつも大にぎわい。必ず予約して行きましょう。
暑い季節は冷たいガスパチョがメニューに並ぶことも
好きな食材で注文を決めるもよし、見知らぬ料理名にチャレンジするもよし。気になる料理を見つけたら、お店の人に尋ねてみましょう。
私が必ず最初に注文するのは「真鰯(マイワシ)の酢漬け」です。
私が必ず最初に注文するのは「真鰯(マイワシ)の酢漬け」です。
お皿の色や紋章もバスク仕様
きれいに並んだ鰯の酢漬けと、ひたひたのオリーブオイルの金色がなんとも美しい。ひと目で「このお店のごはんは、全部おいしいに違いない」とわかる一皿。温かくてふわふわのバゲットと一緒に食べるのがおすすめ。
いろんなグラスワインやビールが用意されているので、ソムリエのお姉さんに相談しながらあれこれ楽しむと、料理をより深く味わえますよ。サンセバスチャン名物のチャコリ(微発泡のワイン)も飲めます。
いろんなグラスワインやビールが用意されているので、ソムリエのお姉さんに相談しながらあれこれ楽しむと、料理をより深く味わえますよ。サンセバスチャン名物のチャコリ(微発泡のワイン)も飲めます。
スペインの白ワインと「ヤリイカと玉葱コンフィのソテー バスク風」
ベシャメルソースに包まれたチキンをこんがり揚げた「鶏ムネ肉のベシャメルフライ」も必ず注文します。
そのままでもおいしいですし、添えられたトマトソースと一緒にいただくのも幸せ
こちらの「肉団子の煮込み 玉葱ソース」も大好き。
盛り付けも、こんもりかわいい
柔らかく煮込まれた肉団子がしみじみおいしい。肉団子の上にトッピングされたサイコロ状のかわいいカリカリは、ジャガイモの素揚げ。揚げたてです。玉葱のソースと一緒に口に運ぶと幸せな気持ちになります。
カウンター席からはシェフが次から次へと料理を作る様子を見学できるので、たとえば「あ、あの揚げたジャガイモは、どのお料理に添えられるんだろう」といった具合に気になってしょうがない。たぶんカウンターに座ったお客さんはみんな同じような気持ちで見守っているはず。シェフはつむじ風のように動いているのに、少しも慌ただしい雰囲気じゃないんですよね、不思議。きっと何百回、何千回と作ってきた料理ばかりなんだろうなあ……。
カウンター席からはシェフが次から次へと料理を作る様子を見学できるので、たとえば「あ、あの揚げたジャガイモは、どのお料理に添えられるんだろう」といった具合に気になってしょうがない。たぶんカウンターに座ったお客さんはみんな同じような気持ちで見守っているはず。シェフはつむじ風のように動いているのに、少しも慌ただしい雰囲気じゃないんですよね、不思議。きっと何百回、何千回と作ってきた料理ばかりなんだろうなあ……。
メインの「真鯛(マダイ)とアサリのサルサベルデ」。サルサベルデはスペイン語で「緑のソース」という意味。バゲットでソースをすくって食べました
別のある日のメインは「イベリコ・デ・ベジョタのグリル ペドロヒメネスソース」、ドングリだけを食べて放牧でのびのび育ったイベリコ豚のグリルです。
赤身の豚! 付け合わせの野菜もきれいでおいしい。ランブロアの料理は添え物まで丁寧に作り込まれています
表面はカリッと香ばしくて、中は程よく柔らかいイベリコ豚。何をどうやったらこんな仕上がりになるんだろう。厨房の様子をずーっと見学してるのにわからない。
デザートも素晴らしいんですよ! ここ数年、日本でも人気のバスクチーズケーキはサンセバスチャンのバル「La Viña(ラ・ヴィーニャ)」が発祥ですが、ランブロアではラ・ヴィーニャのレシピでつくったバスクチーズケーキが供されます。お腹いっぱいなのについ頼んじゃう。
食べきれない場合は持ち帰りましょう。お土産用に包んでくれます。
デザートも素晴らしいんですよ! ここ数年、日本でも人気のバスクチーズケーキはサンセバスチャンのバル「La Viña(ラ・ヴィーニャ)」が発祥ですが、ランブロアではラ・ヴィーニャのレシピでつくったバスクチーズケーキが供されます。お腹いっぱいなのについ頼んじゃう。
食べきれない場合は持ち帰りましょう。お土産用に包んでくれます。
濃厚で香ばしいチーズケーキを食後酒のベルモットと一緒に
帰り道に「あれ、おいしかったねえ」「次はあれが食べたいな」と言いながらお腹をさすりつつ駅までのんびり歩く楽しさよ。“食いしん坊、ここに極まれり”な夜を過ごせます。お昼ご飯を控えめにして、お腹を目いっぱい空かせて臨んでください。
店名:ランブロア
住所:東京都世田谷区用賀3-11-15
営業時間:17:30~22:00(要確認)
定休日:月・火(要確認)
備考:臨時休業や時短営業等の場合がありますのでご確認ください
店名:ランブロア
住所:東京都世田谷区用賀3-11-15
営業時間:17:30~22:00(要確認)
定休日:月・火(要確認)
備考:臨時休業や時短営業等の場合がありますのでご確認ください
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori