東京⇔京都日帰り旅──ブライアン・イーノ個展『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』と街歩きを楽しむ夏
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6月3日から始まったブライアン・イーノの大規模個展『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』を体験するために、東京から一瞬だけ京都へ行くことに。滞在時間は約6時間。もったいないかも……と少し心配していましたが、思いのほか大満足でした。
※「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」の会期は2022年9月3日(土)まで。
※「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」の会期は2022年9月3日(土)まで。
イーノ、なんで京都なの?
大人になるに従って、自分で選べることってどんどん増えていきます。着たい服、会いたい人、観たい映画、使ってみたいシャンプー、そして暮らす街。私は18歳からずっと東京にいます。大満足かつ大好きな首都・東京で長年生活していると、ウッカリ「この街にはなんだってある」と錯覚しそうになります。だけどそう、これは重大かつ傲慢な錯覚なのです。
だってブライアン・イーノが展覧会『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』を開催するために選んだ場所は、我が東京じゃなくて京都だったから。久々に「は?」と慌てました。なんで? イーノ、なんで清澄白河とか六本木の美術館じゃなくて京都なの?
でも会場を調べて納得。京都駅のすぐそばにある「京都中央信用金庫 旧厚生センター」をまるまる使って作品を展示しているというのです。1930年に建てられたクラシカルな建物とブライアン・イーノの組み合わせは美しいはず。いいじゃん、素敵だね。
それに大丈夫。東京と京都は新幹線で結ばれています。だから、ブライアン・イーノ展のために京都へ行くことだって私は選べる。
ブライアン・イーノに関しては少し苦い思い出があります。2006年に原宿で開催されたブライアン・イーノの音楽映像インスタレーション展『77 Million』を私はまんまと見逃していたのです。だから今回は絶対にブライアン・イーノの作品を体験したかった。ということで、京都行きを急遽決めました。
でも、同時に頭をもたげるのが「せっかく京都に行くんだから、何して遊ぼう?」です。できることがいっぱいありすぎる。選択肢が無数にあると、私は急に気が重くなります。さあ京都で何をしよう……いや、思い出せ、私の目的はイーノだってば。だから割り切ってミニマムに京都を楽しむことだって、私は選べる。よし、無理せず最小限の旅行にしよう。
だってブライアン・イーノが展覧会『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』を開催するために選んだ場所は、我が東京じゃなくて京都だったから。久々に「は?」と慌てました。なんで? イーノ、なんで清澄白河とか六本木の美術館じゃなくて京都なの?
でも会場を調べて納得。京都駅のすぐそばにある「京都中央信用金庫 旧厚生センター」をまるまる使って作品を展示しているというのです。1930年に建てられたクラシカルな建物とブライアン・イーノの組み合わせは美しいはず。いいじゃん、素敵だね。
それに大丈夫。東京と京都は新幹線で結ばれています。だから、ブライアン・イーノ展のために京都へ行くことだって私は選べる。
ブライアン・イーノに関しては少し苦い思い出があります。2006年に原宿で開催されたブライアン・イーノの音楽映像インスタレーション展『77 Million』を私はまんまと見逃していたのです。だから今回は絶対にブライアン・イーノの作品を体験したかった。ということで、京都行きを急遽決めました。
でも、同時に頭をもたげるのが「せっかく京都に行くんだから、何して遊ぼう?」です。できることがいっぱいありすぎる。選択肢が無数にあると、私は急に気が重くなります。さあ京都で何をしよう……いや、思い出せ、私の目的はイーノだってば。だから割り切ってミニマムに京都を楽しむことだって、私は選べる。よし、無理せず最小限の旅行にしよう。
「ちょっとそこまで」のノリで京都へ
まずは6月のある土曜日にターゲットを定め、『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』のチケットをオンラインで買うことに。混雑解消のためか1時間ごとに入場する時間帯が区切られていますが、一度入場してしまえばずっと滞在できます。柔軟なシステム。では何時台に入場するべきか? すなわち、何時に京都入りするか?
早朝からやる気満々で新幹線に乗るのは気が進みません。眠いし。あと、宿泊もしません。今回は、ちょっとそこまで足を伸ばしてブライアン・イーノの展覧会を見に行けたら、それでよし。
幸い『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』の会場は京都駅から徒歩5分なので「駅への到着時間から、ほぼ十数分後には会場に入れる」と見積もれます。
ということで『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』は14時台に入場するチケットを買い、新幹線は東京駅12時18分発、京都駅14時30分着の便を手配しました。乗車券だけ往復で買い、帰りたくなったタイミングで帰りの特急券を京都駅で買います。
早朝からやる気満々で新幹線に乗るのは気が進みません。眠いし。あと、宿泊もしません。今回は、ちょっとそこまで足を伸ばしてブライアン・イーノの展覧会を見に行けたら、それでよし。
幸い『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』の会場は京都駅から徒歩5分なので「駅への到着時間から、ほぼ十数分後には会場に入れる」と見積もれます。
ということで『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』は14時台に入場するチケットを買い、新幹線は東京駅12時18分発、京都駅14時30分着の便を手配しました。乗車券だけ往復で買い、帰りたくなったタイミングで帰りの特急券を京都駅で買います。
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新幹線が走り出すやいなや、お弁当タイムに入ります
東京駅でお昼ごはん用の駅弁を買って、もぐもぐ食べたあとは居眠りしながら京都へ。ちょうどこの日は日本各地の駅弁を買えたので青森のいかめしをチョイス。デザートはBAKEのチーズケーキです。
京都に到着後、まず向かった先は駅直結のデパート。地下2階にあるお弁当屋さんで帰りの新幹線の中で食べるお弁当を買います。はつだの和牛焼肉弁当の「小サイズ」を確保。 事前予約必須です。オンラインで購入できます。
京都に到着後、まず向かった先は駅直結のデパート。地下2階にあるお弁当屋さんで帰りの新幹線の中で食べるお弁当を買います。はつだの和牛焼肉弁当の「小サイズ」を確保。 事前予約必須です。オンラインで購入できます。
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京都の和牛専門店「はつだ」のお弁当は牛肉びっしり
シンプルかつ力強いお弁当。お肉の下にはキャベツの千切りが敷き詰められています。香ばしい焼き肉の香りとキャベツのみずみずしさとごはんの甘さとお肉の香ばしさが合うのです! これは帰路までのお楽しみ。
こんな寄り道ができるのも『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』の会場が駅から徒歩5分の距離で、事前にチケットも買っているから。
ということで、お弁当を確保した安心感を胸にのんびり会場へ向かいます。
こんな寄り道ができるのも『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』の会場が駅から徒歩5分の距離で、事前にチケットも買っているから。
ということで、お弁当を確保した安心感を胸にのんびり会場へ向かいます。
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石造りの頑丈そうでクリーンな建物が会場
客層は、親子連れ、ブライアン・イーノと同世代の人、大学生くらいの若者などさまざま。
会場の「京都中央信用金庫 旧厚生センター」の構造を活かして作品が展示されています。アンビエントミュージックと光と暗がりを組み合わせた作品です。
会場の「京都中央信用金庫 旧厚生センター」の構造を活かして作品が展示されています。アンビエントミュージックと光と暗がりを組み合わせた作品です。
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中は写真撮影OKですが、撮る時間がもったいない。あとシャッター音がすごく無粋に響くので撮影はほとんどしていません。
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1階から3階まで作品が展示されています。3階のFace to Faceは世界初公開の作品です。
会場内部の冷房でひんやりした空間と、ブライアン・イーノのアンビエントミュージックの組み合わせがとても気持ちいい。暗がりの中でめいめいアンビエントミュージックを聴きながらブライアン・イーノが作った空間をじっくり味わいます。さながら、音をじんわり浴びる涼しいサウナのよう。じーーーーっと聴いて、じーーーーっと空間を味わう。
特に私が面白いと感じたのは、観客としてやって来た子どもの声。「(会場は)暗いね」とか「音がするね」と口々につぶやいていましたが、ブライアン・イーノの音楽と重ねて耳にすると、子どもの声もアンビエントミュージックの一部のようで何も気にならないのです。『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』では、子ども連れで鑑賞することを推奨する日も設けているようですが、そうではない日に鑑賞した私でも、子どもたちの声は少しも気になりませんでした。
会場内部の冷房でひんやりした空間と、ブライアン・イーノのアンビエントミュージックの組み合わせがとても気持ちいい。暗がりの中でめいめいアンビエントミュージックを聴きながらブライアン・イーノが作った空間をじっくり味わいます。さながら、音をじんわり浴びる涼しいサウナのよう。じーーーーっと聴いて、じーーーーっと空間を味わう。
特に私が面白いと感じたのは、観客としてやって来た子どもの声。「(会場は)暗いね」とか「音がするね」と口々につぶやいていましたが、ブライアン・イーノの音楽と重ねて耳にすると、子どもの声もアンビエントミュージックの一部のようで何も気にならないのです。『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』では、子ども連れで鑑賞することを推奨する日も設けているようですが、そうではない日に鑑賞した私でも、子どもたちの声は少しも気になりませんでした。
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じわーんと色が変わる作品、キレイです。この展覧会に来るお客さんは、どの作品の前でもみな、サウナにいる人みたいにじーっとしてます。
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『77 Million』は原宿で私が見損ねた作品。会場の1階で展示されていました。数年越しの願いが叶った瞬間です。
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壁や絨毯の色がとてもきれい。建物まるごとが作品と化しています。
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ちょっとした休憩スペースも美しい。建物がもつ美しさも活きています。
会場の1階ではグッズが買えます。
会場の1階ではグッズが買えます。
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『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』オリジナルの和菓子。祇園の「鍵善良房」の特注品です。日によって入荷状況にばらつきがあるとのことですが、土日はふんだんに並んでいるようでした。
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ブライアン・イーノのエコロジーに対する考えは、グッズ売り場でも徹底されています。有料のビニール袋などはありません。お店でバッグを買うか、お買い物袋を持参しましょう。
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花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori