これはアートか発明か?“地上最大”のDIYのお祭り「Maker Faire Bay Area 2023」に参加してきた

Maker Faire Bay Area とは

Maker FaireはDIYやモノづくりをする人たち(=Maker)が作品を持ち寄って見せ合い、知識をシェアするイベント。世界中で開催されていて、日本でも年に1度開催されるMaker Faire Tokyoをはじめ、京都・浜松・大垣・山口・仙台など各地で開催されている。

いわゆる商業・工業展やアートフェアとは違って、デザイン、クラフト、電子工作、ロボットなどジャンルもさまざまな一品モノの作品を、展示している人もいれば“Makerこだわりの制作物”として販売している人もいる。

Maker Faire Around the World : https://makerfaire.com/globalmap/ より

最初の開催地であるサンフランシスコ・ベイエリアのMaker Faire Bay Areaはフラッグシップ的イベントだったが、運営コストの高騰、スポンサー確保の問題があり、2019年を最後にしばらく開催されていなかった。

ちなみに、僕が最初にMaker Faire Bay Areaに参加したのは2012年。それまで参加してきた国内のイベントとは、来場者の規模(10万人以上)も作品の大きさや種類の多様さも違い、初めて参加したときは驚愕そのものだった。それから、ほぼ毎年参加していたので、2019年を最後に開かれなくなったことを非常に残念に思っていた。

Maker Faire Bay Area 2012の様子

再び開催される可能性は低いと思っていたMaker Faire Bay Areaが、今年になって再び開催されるというニュースを見た時は本当に驚いた。すぐ出展エントリーを行い、承認されてMaker Faire Bay Areaに再び参戦することになった。

フェリーに乗って会場へ作品を持ち込む

イベントは学生向け公開の10月20日(金)、一般公開の21日(土)・22日(日)の3日間、午前10時から午後6時まで開催された。前日19日(木)の設営日に合わせて、日本を18日(水)に出発。イベント翌日の集荷日を想定して25日(水)に米国を出て帰国する予定を組んだ。約1週間、平日も含む日程なので、有給休暇を取って挑んだ。

今回出展するのは、何年か前に制作した「8-bit」という作品だ。

出展作品の「8bit」

この作品は国内では何度か展示したが、これまでBay Areaでは展示する機会がなかったのでエントリーしたところ、出展が承認された。海外では初の出展になる。出展・展示作品は何でもOKというわけではなく、エントリーして承認されないと展示ができない決まりになっている。

制作物は自宅にフルセットで置いてある。試しに一番大きいキャリーに入れてみたところ、総重量が33キロもあった。

キャリーに詰めるか空輸がよいか、比較検討したときの様子

この重量を手持ちで持っていくか、国際宅配便で空輸するかで非常に悩んだ。手持ちの場合、30キロを超える荷物を1人で持っていくことになる。一方、空輸する場合は昨今の物価高・円安で、全てをダンボール1個に入れて送るだけでも14万円ほどかかる見積もりだった。

最後まで判断が難しかったので、イベント翌日の集荷日も想定した予定を組んだものの、最終的にはキャリーとバックパックに分散させて、手持ちで全て持っていくことにした。

フェリーでサンフランシスコからベイエリアのメア・アイランドに移動

会場があるのはサンフランシスコ近郊のヴァレーホ市にあるメア・アイランド。海軍が使っていた倉庫が会場で、サンフランシスコ市内からは車かフェリーで移動することになる。僕は設営日に市内から会場までフェリーで移動した。

フェリーでの移動はSan Fransisco Bay Ferryのアプリが便利だった。フェリーの場所・乗り場・運行状況を確認し、チケットが買える。サンフランシスコからメア・アイランドまでは10ドル。僕は公共交通機関で使えるClipperカードでフェリーに乗った。Clipperカードは日本のSuicaやPASMOのような非接触型ICカードで、お金をチャージしておけば電車・バス・フェリーなどの交通機関で使うことができる。サンフランシスコの公共交通での移動ではClipperカードを持っておくと重宝するだろう。

メア・アイランドのフェリーターミナルを降りてすぐの所にMaker Faire Bay Areaの会場があった

サンフランシスコ市内からフェリーで約1時間でメア・アイランドに到着した。市内から離れた場所での開催で人が来るのかしらと思っていたが、実際は来場者が非常に多く驚かされた。

会場は倉庫を複数使っていて、屋外・ロボット・エレクトロニクス・暗室など、カテゴリごとに分かれていた。僕の作品の分類はエレクトロニクスになる。

設営時の様子。人がいない倉庫にテーブルが並んでいる

開場後の同じ場所の様子。多くの来場者でいっぱいになった

この手のイベントで、設営から開催までのお楽しみの1つは、来場者がいないガラガラの状況を堪能できることだと思う。来場者がいない空間を味わえるのは、この瞬間だけだ。イベントが始まると、たくさんの来場者で倉庫はあふれ返ることになった。

日本から持ってきた作品「8bit」を見つめる来場者

出展者は作品の説明を来場者に行うのだが、説明し続けていると他の作品を見ることができない。特に1人で出展すると、説明や作品のメンテナンスで非常に忙しい。

他の面白い多種多様な作品を見て回りたかったので、今回は作品を自動で動作して見ることができるインスタレーションのような形にして持っていった。加えてフライヤーを用意して、作品を見ながら説明のフライヤーを読めば内容がわかる構成にした。
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GMOインターネットグループ 新里祐教

GMOインターネットグループ特命担当プログラマ、デベロッパーエキスパート
先端技術から個人制作・OSS・技術誌での執筆など広く行う。 2019-2020年「IPA 未踏ターゲット ゲート式量子コンピュータ向けソフトウェア開発」、2022年「第25回文化庁メディア芸術祭 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品」、ほかイベントやハッカソンでの受賞など、制作した作品の展示をMaker Faireなどで行っている。

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