近年、生成AIの進歩は目覚ましい。画像や動画のクリエイティブ分野では、Stable DiffusionやMidjourney、Soraといったツールが登場し、革新的な進歩が見られる。
一方、音楽の分野でも2023年、Googleの音楽生成AI「MusicLM」の試験公開以降、テキストから音楽を作成できる生成AIが次々に登場。また、ビートルズがAIによる音源分離技術を活用して“最後の新曲”を発表したことや、実在するアーティストの声をAIがカバーする音声変換技術も大きな話題になった。
革新的なAI音楽ツールによって、音楽の分野でもAIの台頭が叫ばれるようになった現在。しかし、この分野では以前から多数のAI音楽制作ツールが発表されており、すでに何らかの形で自身の音楽制作環境に導入している音楽クリエイターも少なくない。
そこで今回は「作曲」「音声変換」「音源分離」「マスタリング」「サンプル分類」の5つの用途に大別して、音楽クリエイターの制作活動に役立つ代表的なAI音楽ツールを紹介したい。
一方、音楽の分野でも2023年、Googleの音楽生成AI「MusicLM」の試験公開以降、テキストから音楽を作成できる生成AIが次々に登場。また、ビートルズがAIによる音源分離技術を活用して“最後の新曲”を発表したことや、実在するアーティストの声をAIがカバーする音声変換技術も大きな話題になった。
革新的なAI音楽ツールによって、音楽の分野でもAIの台頭が叫ばれるようになった現在。しかし、この分野では以前から多数のAI音楽制作ツールが発表されており、すでに何らかの形で自身の音楽制作環境に導入している音楽クリエイターも少なくない。
そこで今回は「作曲」「音声変換」「音源分離」「マスタリング」「サンプル分類」の5つの用途に大別して、音楽クリエイターの制作活動に役立つ代表的なAI音楽ツールを紹介したい。
テキストで出した指示から音楽を作曲するAI
「Suno AI」
Suno AIは、AIによる作詞・作曲・演奏・歌唱までがワンストップで行える音楽生成AIによる作曲サービス。生成できる楽曲のスタイルもロックやヒップホップ、テクノ、レゲエからK-POP、J-POPまで幅広く、作詞と歌唱に関しては日本語にも対応する。Microsoft「Copilot」にも機能限定版が組み込まれているが、ブラウザアプリ版ではより高度な内容をAIに指示できる。
Suno AIの特徴は、音楽制作未経験者でも、入力したテキストから最大1分20秒の長さの“ある程度以上のクオリティの音楽”が“歌唱付き“で、わずか数分でできてしまうところにある。また、ノーマルモードでもテキストでAIに曲を作成する指示は出せるが、カスタマイズモードにすることで、オリジナルの歌詞の仕様や楽曲のスタイル、使用する楽器、特定言語での歌唱などをAIに指示することができる。そのほかにも1度作成した楽曲の続きのパートの作成(60秒まで)やリミックスも可能だ。
Suno AIでは、無料プランの「Basic Plan」と商用利用も可能な楽曲が作成できる有料プラン(月額/年額)の「Pro Plan」「Premier Plan」の3つが用意されている(プランによって1カ月に作成できる楽曲数が異なる)。Pro PlanとPremier Planでは作成できる楽曲が規定数に達した場合、追加のクレジットを購入することも可能だ(1曲につき10クレジットが必要)。また、Basic Planでは、入力したテキストから同時に作成できるのは2曲だが、Pro PlanとPremier Planの場合は同時に10曲作成できる。
ちなみに2024年2月23日には有料プランユーザー向けに最新バージョン「V3」のアルファ版が公開されている。V3では、1曲の長さが最長で2分までになったほか、オーディオ品質の改善や作曲時間の短縮、表現力の向上、インストゥルメンタル曲の指定、利用できる言語の拡大などのアップデートが図られている。
楽器演奏やDAWの打ち込み、音楽理論などこれまで作曲するために必要だった音楽的なスキルや知識がなくても、Suno AIでは、テキストを通じて自分の頭の中にある音楽のイメージを反映した曲を作成できる。また、作曲経験がない人が簡単に作曲できるようになるだけでなく、作曲経験がある人でも、頭の中に浮かんだアイデアをとりあえず形にするための“スケッチツール”として活用できるだろう。
Suno AIは、AIによる作詞・作曲・演奏・歌唱までがワンストップで行える音楽生成AIによる作曲サービス。生成できる楽曲のスタイルもロックやヒップホップ、テクノ、レゲエからK-POP、J-POPまで幅広く、作詞と歌唱に関しては日本語にも対応する。Microsoft「Copilot」にも機能限定版が組み込まれているが、ブラウザアプリ版ではより高度な内容をAIに指示できる。
Suno AIの特徴は、音楽制作未経験者でも、入力したテキストから最大1分20秒の長さの“ある程度以上のクオリティの音楽”が“歌唱付き“で、わずか数分でできてしまうところにある。また、ノーマルモードでもテキストでAIに曲を作成する指示は出せるが、カスタマイズモードにすることで、オリジナルの歌詞の仕様や楽曲のスタイル、使用する楽器、特定言語での歌唱などをAIに指示することができる。そのほかにも1度作成した楽曲の続きのパートの作成(60秒まで)やリミックスも可能だ。
Suno AIでは、無料プランの「Basic Plan」と商用利用も可能な楽曲が作成できる有料プラン(月額/年額)の「Pro Plan」「Premier Plan」の3つが用意されている(プランによって1カ月に作成できる楽曲数が異なる)。Pro PlanとPremier Planでは作成できる楽曲が規定数に達した場合、追加のクレジットを購入することも可能だ(1曲につき10クレジットが必要)。また、Basic Planでは、入力したテキストから同時に作成できるのは2曲だが、Pro PlanとPremier Planの場合は同時に10曲作成できる。
ちなみに2024年2月23日には有料プランユーザー向けに最新バージョン「V3」のアルファ版が公開されている。V3では、1曲の長さが最長で2分までになったほか、オーディオ品質の改善や作曲時間の短縮、表現力の向上、インストゥルメンタル曲の指定、利用できる言語の拡大などのアップデートが図られている。
楽器演奏やDAWの打ち込み、音楽理論などこれまで作曲するために必要だった音楽的なスキルや知識がなくても、Suno AIでは、テキストを通じて自分の頭の中にある音楽のイメージを反映した曲を作成できる。また、作曲経験がない人が簡単に作曲できるようになるだけでなく、作曲経験がある人でも、頭の中に浮かんだアイデアをとりあえず形にするための“スケッチツール”として活用できるだろう。
Suno AI Tutorial - How To Make A Full Song 2024 (New Prompts)
「Suno AI」のチュートリアル動画
via www.youtube.com
自分の歌声を他のアーティストの歌声に変換するAI
「Voice-Swap」
Voice-Swapはアーティストの権利を保護し、適正な報酬の支払いを保証することを目的に開発されたブラウザベースのAI音声変換ツール。アーティストが自分の音声が入った25分間分の楽曲、または8曲分のアカペラトラックを提供すると、AIは提供された音源を基にアーティストの音声を学習し、AIボイスモデルを作成する。また、音声を提供したアーティストには、比例配分方式でAIボイスモデルの使用による収益が支払われる。
一方、ユーザーはVoice-Swapにアップロードした自分の音声ファイル(もしくは著作権を持つ音声ファイル)を、Voice-Swapに公開されている任意のAIボイスモデルの音声に変換できる。
音声変換できる時間の長さが異なる「BEGINNER」「PRO」「ULTIMATE」の3つの有料プラン(月額/年額)が用意されており、例えばBEGINNERプランでは、アップロードした10分までの音源の音声変換ができる。
Voice-Swapはアーティストの権利を保護し、適正な報酬の支払いを保証することを目的に開発されたブラウザベースのAI音声変換ツール。アーティストが自分の音声が入った25分間分の楽曲、または8曲分のアカペラトラックを提供すると、AIは提供された音源を基にアーティストの音声を学習し、AIボイスモデルを作成する。また、音声を提供したアーティストには、比例配分方式でAIボイスモデルの使用による収益が支払われる。
一方、ユーザーはVoice-Swapにアップロードした自分の音声ファイル(もしくは著作権を持つ音声ファイル)を、Voice-Swapに公開されている任意のAIボイスモデルの音声に変換できる。
音声変換できる時間の長さが異なる「BEGINNER」「PRO」「ULTIMATE」の3つの有料プラン(月額/年額)が用意されており、例えばBEGINNERプランでは、アップロードした10分までの音源の音声変換ができる。
voice-swap.ai: Swap your voice with Chart-topping artists - legally!
「Voice-Swap」の機能紹介動画
via www.youtube.com
Jun Fukunaga
ライター・インタビュワー
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター・インタビュワー。最近はバーチャルライブ関連ネタ多め。DJと音楽制作も少々。