その3:「背景紙」の利用でワンランク上の撮影を!
自作した撮影ボックスに和紙のラッピングペーパーを取り付けたところ。背景紙を使うだけで写真がぐんとプロっぽくなります
背景紙と言うと大判の模造紙を考える方が多いでしょうが、実は模造紙はシワが発生しやすく、扱いが大変です。写真のような、シワが目立たないラッピングペーパーや、合皮はぎれなどがおすすめです。「背景はシワとの戦い!」だと覚えておきましょう
前述した撮影ボックスなどの背景に、背景紙を使うと写真がさらにプロっぽく仕上がります。こう聞くと、100円ショップで売っているカラー模造紙を使おうと考える方が多いかもしれませんが、残念ながら100円ショップでは模造紙は細めの筒状に巻いた状態で販売されており、伸ばしても折り目やシワなどが消えないことが多いため背景紙には向きません。
布を使う方法もありますが、これも想像以上にシワや折り目が目立ちがち。プロのカメラマンは小型のアイロンを持ち歩いている人もいるほどで、とにかく“背景はシワとの戦い”なのです。
そこで、発想を切り替えて和紙や不織布でできたラッピングペーパーなど、シワが気にならない用紙を使ってはどうでしょうか。今回ダイソーで110円で購入した「リバーシブルクレープペーパー」 は、全面にシワ加工がされていることで逆にシワが気にならず、裏表で色が違うので両面が使えてよりお得です。それぞれの100円ショップにさまざまな色のラッピングペーパーが販売されているので、自分の好みやイメージに合うものをみつけたら、購入してストックしておくのがお勧めです。
布を使う方法もありますが、これも想像以上にシワや折り目が目立ちがち。プロのカメラマンは小型のアイロンを持ち歩いている人もいるほどで、とにかく“背景はシワとの戦い”なのです。
そこで、発想を切り替えて和紙や不織布でできたラッピングペーパーなど、シワが気にならない用紙を使ってはどうでしょうか。今回ダイソーで110円で購入した「リバーシブルクレープペーパー」 は、全面にシワ加工がされていることで逆にシワが気にならず、裏表で色が違うので両面が使えてよりお得です。それぞれの100円ショップにさまざまな色のラッピングペーパーが販売されているので、自分の好みやイメージに合うものをみつけたら、購入してストックしておくのがお勧めです。
赤側
ゴールド側
「リバーシブルラッピングペーパー ゴールドタイプ」赤側を使用した写真とゴールド側を使用した写真。どちらも雰囲気良く撮れており、背景紙の色だけで写真のイメージを大きく変えられます
写真撮影用の背景紙としては、白、グレー、黒といった無彩色が一般的です。しかし、ある程度の頻度で背景紙を使った商品などの撮影をするのであれば、これら無彩色の背景紙は PVC(ポリ塩化ビニル) 製をおすすめします。各種ネットショップで「PVC 背景紙」などと検索すれば、さまざまな大きさ種類のものがヒットするでしょう。サイズにもよりますが1枚1000円から2000円程度で手に入り、シワを心配する必要もなく、繰り返し使えます。
この、「汚れても拭けばいい」という点もポイントで、被写体を置いた部分は想像以上に汚れやすく、紙だと跡も消しにくいため、模造紙だとひんぱんに買い換えることになるからです。
逆に100円ショップで購入する背景紙は、カラフルなものやさまざまな質感のものを選ぶことをおすすめします。すでに写真で紹介したゴールドや赤といった背景は、イメージを大きく左右するので使用する被写体を選びます。しかし使い方によってはとても効果的です。
また100円ショップでは模造紙やラッピングペーパーだけではなく、下に掲載した写真の背景紙のように「合皮はぎれ」などを見かけることも。表面の光沢や映り込み具合などが紙の背景紙とは異なり、面白い効果が得られます。背景として使ったら面白いのではと感じるものを見つけたら、試してみることをおすすめします。
この、「汚れても拭けばいい」という点もポイントで、被写体を置いた部分は想像以上に汚れやすく、紙だと跡も消しにくいため、模造紙だとひんぱんに買い換えることになるからです。
逆に100円ショップで購入する背景紙は、カラフルなものやさまざまな質感のものを選ぶことをおすすめします。すでに写真で紹介したゴールドや赤といった背景は、イメージを大きく左右するので使用する被写体を選びます。しかし使い方によってはとても効果的です。
また100円ショップでは模造紙やラッピングペーパーだけではなく、下に掲載した写真の背景紙のように「合皮はぎれ」などを見かけることも。表面の光沢や映り込み具合などが紙の背景紙とは異なり、面白い効果が得られます。背景として使ったら面白いのではと感じるものを見つけたら、試してみることをおすすめします。
背景紙に合皮はぎれ使用
キャンドゥで税込110円で購入した「合皮はぎれ」を背景紙として使用し撮影した写真。映り込みなどが紙とは異なる点も面白いところです
その4:光を拡散!障子紙で「面光源」作り
壁に障子紙を画びょうで取り付け、ハンガーラックで逆側を支えています。これだけで障子紙を使って被写体の上部に大きな面光源を作れます
材料はダイソーで税込110円で購入した「障子紙 無地 1枚分」。 これを自宅にあったハンガーラックと画鋲で設置しました
商品撮影にはさまざまな方法があるので一概には言えませんが、比較的メジャーな方法がトレーシングペーパーを使った方法でしょう。撮影用のトレーシングペーパーを商品の上に垂らしてセッティング。左右それぞれにトレーシングペーパーを貼り、背景にはゆるいカーブをつけて背景紙をセッティングします。さらにトレーシングペーパーの後ろにはそれぞれストロボを用意して、上と左右の3方向から光の強弱などをコントロールし撮影するわけです。
とはいえ、普通はストロボを3灯も持っていませんし、そもそも撮影用のトレーシングペーパーなど自宅にないのが当たり前でしょう。そこで障子紙でその状況を再現したのが、上の写真の撮影方法です。普通の住宅では、光源となる照明は天井のシーリングライトが一般的だと思います。その光源からの光を使うため、壁に障子紙を画びょうで留め、逆側をハンガーラックで支えてシーリングライトの光を拡散し、面光源にしています。
障子紙はダイソーで税込110円で買った「障子紙 無地 1枚分」。ハンガーラックは手持ちのものや、スーパーやホームセンターなどで1,000円程度で売っているものでOK。あとは画鋲と、ここまでで紹介した何らかの背景紙があればいいだけです。実はこの面光源だけで、写真が大きく変わります。
とはいえ、普通はストロボを3灯も持っていませんし、そもそも撮影用のトレーシングペーパーなど自宅にないのが当たり前でしょう。そこで障子紙でその状況を再現したのが、上の写真の撮影方法です。普通の住宅では、光源となる照明は天井のシーリングライトが一般的だと思います。その光源からの光を使うため、壁に障子紙を画びょうで留め、逆側をハンガーラックで支えてシーリングライトの光を拡散し、面光源にしています。
障子紙はダイソーで税込110円で買った「障子紙 無地 1枚分」。ハンガーラックは手持ちのものや、スーパーやホームセンターなどで1,000円程度で売っているものでOK。あとは画鋲と、ここまでで紹介した何らかの背景紙があればいいだけです。実はこの面光源だけで、写真が大きく変わります。
障子紙なし
障子紙+合皮はぎれあり
上の写真が室内の光そのままで撮影したもの、下の写真が障子紙で光を拡散し大きな面光源にして撮影したもの
掲載した2枚の写真のうち、上の写真がテーブルに置いたツボをそのまま撮影したも、下の写真が障子紙を使って光を拡散し、背景紙にカーブをつけて壁から垂らした「合皮はぎれ」(税込110円・キャンドゥで購入)を使って撮影したものです。画鋲とハンガーラックを持っていれば、かかる費用は税込220円。両者はかなり印象が異なるのではないでしょうか。
細かな点をみていくと、天井からの光がそのまま当たっている上の写真では、つぼの表面にあたる光の明るさにムラがあり、表面の一部がギラついているようにみえます。また、茶色のテーブルの天板の影響などを受け、ツボの下の方が暗く茶色っぽくなっているのも気になるでしょう。これに対して、障子紙で光を拡散して撮影した写真のつぼは、当たる光にムラがなく、表面の模様などがはっきりすっきりとみえています。また背景紙を使用しているので、すっきりとした印象で、ごちゃごちゃとした生活感がありません。
ただし、この方法は障子紙を使って光を拡散させるため、どうしても光量が減少してしまいます。スタンドがあれば障子紙の上から光をあてたり、もしあれば写真のようにワイヤレスストロボを使う方法もお勧めです。この場合、白い天井に向かって光を照射し、天井から反射してきた光を障子紙で拡散して使うと効果的。ワイヤレスストロボといっても、最近では数千円の安価な商品もあるので、頻繁に商品などを撮影する人は購入を検討してみてはどうでしょうか。
細かな点をみていくと、天井からの光がそのまま当たっている上の写真では、つぼの表面にあたる光の明るさにムラがあり、表面の一部がギラついているようにみえます。また、茶色のテーブルの天板の影響などを受け、ツボの下の方が暗く茶色っぽくなっているのも気になるでしょう。これに対して、障子紙で光を拡散して撮影した写真のつぼは、当たる光にムラがなく、表面の模様などがはっきりすっきりとみえています。また背景紙を使用しているので、すっきりとした印象で、ごちゃごちゃとした生活感がありません。
ただし、この方法は障子紙を使って光を拡散させるため、どうしても光量が減少してしまいます。スタンドがあれば障子紙の上から光をあてたり、もしあれば写真のようにワイヤレスストロボを使う方法もお勧めです。この場合、白い天井に向かって光を照射し、天井から反射してきた光を障子紙で拡散して使うと効果的。ワイヤレスストロボといっても、最近では数千円の安価な商品もあるので、頻繁に商品などを撮影する人は購入を検討してみてはどうでしょうか。
室内光などの環境光をそのまま拡散するだけではなく、ワイヤレスのストロボなどを照射してやるとさまざまなライティングが楽しめます
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。