100円ショップのアイテムで商品写真撮影のクオリティを激上げする5つの方法

2022.3.28

齋藤千歳

その5：厚手のポリプロピレンシートと100円ショップのLED照明で「透過光」を作って背景が透明の小物写真を撮る

写真のように厚手のPPシートを浮かせて、その下に光源を配置。背後から光が透過してくる逆光を利用して小物を撮影しています

撮影に使った材料は、「PPシート乳白色両面光沢タイプ」（サイズ約331×245×厚さ2mm）と「発泡スチロールレンガ（黒）」ふたつ、そして「12SMD&1LEDランタン」。すべてひとつ税込110円でダイソーにて購入

今回の記事で最後に紹介するのが、半透明のPPシートを利用した、透過光を使った撮影です。この撮影方法では、カメラのアクセサリーシューに取り付けるタイプの「クリップオンストロボ」の使用がお勧めです。

アクリル板を使ったアクセサリーなどの撮影は比較的メジャーな撮影方法ですが、このDIYでは、高価なアクリル板ではなくダイソーで税込110円で購入した「PPシート乳白色両面光沢タイプ」（サイズ約331×245×厚さ2mm）を使うのがポイント。このPPシートを「発泡スチロールレンガ」の上に乗せ、PPシートの下からダイソーの「12SMD&1LEDランタン」等で照らし、発光する撮影台を作り出します。

アクセサリーなどを、この発光する撮影台の上に乗せ、上から見下ろすように設置したカメラに取り付けたクリップオンストロボを、白い天井に向けて発光させます。撮影台の背景からPPシートを透過してくる光と、天井から反射してくる光とでアクセサリー（被写体）を挟み込むように撮影するイメージです。

透過光なし

透過光あり

上が普通にテーブルの上に置いて撮影した写真で、下が透過光を使って PP シートの上で撮影した写真になります。かなり印象が違うのがわかるでしょうか

テーブルの上に置いて天井の照明だけで撮影した上の写真と、LEDライトを仕込んだPPシートの上に被写体を置いてストロボ光と挟み込むようにして撮影した下の写真の違いは一目瞭然。時計や指輪、ピアスなどのアクセサリー類を撮影する際に、特に印象的に仕上げることができます。

PPシートを照射する「12SMD&1LEDランタン」は1灯でもいいのですが、税込110円と低価格なので、2灯を使って上下もしくは左右から挟み込むように光を当てると光のムラが小さくなり、美しく仕上がります。筆者は天板の白いテーブルを使ったので、そのままPPシートを上に置いていますが、テーブルの天板が濃い色の場合は、白い紙などを置いた上にセットを組んだ方が光の周りがよくなります。発泡スチロールレンガも白の在庫があればそちらの方がさらに光の周りがよりよくなります。

また、このPPシートを使った透過光撮影は、ビニールなどの透明なパッケージに入った商品の撮影もおすすめです。特に下の例の「ハリボーゴールドベア」のように、透明なビニールに包まれた半透明のパッケージで、さらにお菓子自体が色つきの場合などは、透過光を使うと発色がとてもよく仕上がるのでぜひ試してみてください。

アクセサリー小物だけではなく、透明ビニールでパッケージングされた商品などの撮影にもおすすめのライティングです

まずは100円ショップのアイテムでDIY、ひんぱんに使うなら専用品に買い替えよう

今回紹介した光のコントロール方法にワイヤレスストロボなどを組み合わせれば、ちょっとした商品写真としても使えるこだわりの写真が撮影できます

今回の記事で紹介した光のコントロール方法に、ワイヤレスストロボなどを組み合わせると、プロの写真に近いものが撮影できるはずです。ワイヤレスストロボもカメラメーカー純正の機材はやや高価ですが、最近はGodoxやYONGNUOなどといった中国ブランドが安価で高性能なものを多数発売しています。ストロボによる商品撮影の敷居はとても低くなっていますので、ぜひ挑戦してみてください。

また、今回100円ショップのアイテムでDIYした撮影小物は、ほとんどの場合、専用の撮影機材が存在します。細かな使い勝手や耐久性まで考えると、100円ショップのグッズはやはりあくまで代用品。効果を実感して、普段の自分の撮影で頻繁に使うようになったら、専用の撮影小物に買い替えることをおすすめします。

逆に、使い勝手や耐久性を気にしなければ100円ショップのアイテムでDIYする代用品でも、撮影結果には大きな遜色がないことも。まずは今回おすすめした5つの方法をぜひ試してみてください。ECサイトやオークションサイト、ブログ、 SNS などに投稿する写真のレベルが、劇的にアップするはずです。