観光地の新しいバリアフリーを考えてみる
しかし、ひとつ課題をクリアするとさらに欲が出てくるのが人間の罪なところ(笑)。
そんな2022年、伊勢神宮を参拝した次の日。「国際福祉機器展H.C.R.2022」のトヨタブースで、階段を登れる電動車いす「JUU(ジェイユーユー)」(※参考出品)を目にして、これまでのモヤモヤが一気に晴れた気がしました!
最近は神社やお寺なども、車いすユーザーでも参拝ができるよう、スロープに加えエレベーターまでもが設置されたりしています。これは車いすユーザーにとっては非常にありがたいことです。ですが、利用させていただいている当事者の身でこんなを言うのは本当におこがましいのですが、車いすユーザーのオレ自身が「このスロープやエレベーターがあることで神社やお寺の本来の美観を損ねている気がするなぁ」と、やはり感じてしまうんです。
伊勢神宮内宮のご正宮前には25段の石段があります。なので、車いすユーザーのオレは毎回その階段の下で手を合わせています。もちろん皆さんと同じように石段を上って、ご正宮前で手を合わせたい気持ちは持っています。
そんな2022年、伊勢神宮を参拝した次の日。「国際福祉機器展H.C.R.2022」のトヨタブースで、階段を登れる電動車いす「JUU(ジェイユーユー)」(※参考出品)を目にして、これまでのモヤモヤが一気に晴れた気がしました!
最近は神社やお寺なども、車いすユーザーでも参拝ができるよう、スロープに加えエレベーターまでもが設置されたりしています。これは車いすユーザーにとっては非常にありがたいことです。ですが、利用させていただいている当事者の身でこんなを言うのは本当におこがましいのですが、車いすユーザーのオレ自身が「このスロープやエレベーターがあることで神社やお寺の本来の美観を損ねている気がするなぁ」と、やはり感じてしまうんです。
伊勢神宮内宮のご正宮前には25段の石段があります。なので、車いすユーザーのオレは毎回その階段の下で手を合わせています。もちろん皆さんと同じように石段を上って、ご正宮前で手を合わせたい気持ちは持っています。
伊勢神宮内宮のご正宮前には石段があるので、車椅子ユーザーのオレはいつも階段の下で手を合わせるスタイルです
しかし、この石段にスロープやエレベーターなどを付けるのは車いすユーザーの自分ですら、ちょっと違うと思うのです。こういった歴史的な価値もある場所を安易にバリアフリー化するのは何か違う!
でも、先ほどの階段を登れるJUUのようなガジェットを使うことで、車いすユーザーが“階段を上がれる能力を拡張する”といったアプローチ方法であればアリなのでは!
JUUの大きなタイヤならば玉砂利にタイヤを取られることもなくスイスイ移動できます。そしていつもは石段の下でご正殿を見上げながらお参りをするだけだったのが、皆さんと同じように石段を上ってご正宮まで行ける! この新しい車いすを見た瞬間、観光地のバリアフリーに一石を投じるガジェットになる予感がしました。
そしてたぶん、この“車いすユーザー自身の能力を拡張しバリアを超えて行く”という方法が、伊勢神宮のように安易なバリアフリー化について慎重に考えるべき場所には最適な手段であり、今後のバリアフリーの新しいアプローチなんじゃないか? と思うのです。
JUUのような新技術を搭載した電動車いすが一般に広まることを期待しています。
でも、先ほどの階段を登れるJUUのようなガジェットを使うことで、車いすユーザーが“階段を上がれる能力を拡張する”といったアプローチ方法であればアリなのでは!
JUUの大きなタイヤならば玉砂利にタイヤを取られることもなくスイスイ移動できます。そしていつもは石段の下でご正殿を見上げながらお参りをするだけだったのが、皆さんと同じように石段を上ってご正宮まで行ける! この新しい車いすを見た瞬間、観光地のバリアフリーに一石を投じるガジェットになる予感がしました。
そしてたぶん、この“車いすユーザー自身の能力を拡張しバリアを超えて行く”という方法が、伊勢神宮のように安易なバリアフリー化について慎重に考えるべき場所には最適な手段であり、今後のバリアフリーの新しいアプローチなんじゃないか? と思うのです。
JUUのような新技術を搭載した電動車いすが一般に広まることを期待しています。
赤澤 賢一郎
編集・ライター
アカザーの愛称で週刊アスキーなどの編集者として活躍、現在は車いすのフリー編集者・ライター。2000年にスノーボード中の事故で脊髄を損傷(Th12-L1)し、以来車いすユーザーに。しかし、2018年に再生医療の治験を受け、2年間の歩行トレーニングを経て20年ぶりに歩き、クララの記録を更新!