先日の津波警報発令により、多くの方が実際に避難を経験されました。テレビやスマートフォンから響く緊急速報音、慌ただしく準備して避難所へ向かう人々の姿は、災害がいつでも私たちの身近に起こりうるという現実を改めて突きつけています。
現代は、これまでの「一律の防災」から「個別最適化された防災」への転換が求められる時代です。家族構成や住環境に合わせた防災の重要性が高まっています。
災害にはできるだけ遭いたくないものの、日本においてそれはきっと難しい。せめて災害後の生活をよりよく過ごせたら……。今回は、一人暮らしでペットを飼っている筆者が、そのためのヒントを考えてみました。
現代は、これまでの「一律の防災」から「個別最適化された防災」への転換が求められる時代です。家族構成や住環境に合わせた防災の重要性が高まっています。
災害にはできるだけ遭いたくないものの、日本においてそれはきっと難しい。せめて災害後の生活をよりよく過ごせたら……。今回は、一人暮らしでペットを飼っている筆者が、そのためのヒントを考えてみました。
すぐ持ち出せる防災グッズ、我が家の場合
災害発生後、自宅が安全な状態であればそれに越したことはありませんが、緊急で避難が必要になる可能性に備えることは大切です。そんなときのために、基本の防災グッズをそろえておくと安心。コンパクトに持ち出せる避難セットをまとめておくことは、今すぐできる防災のひとつ。
・ヘルメット
・LEDランタン・ラジオ・乾電池
・救急用品
・軍手
・非常食と水
・携帯トイレ
といった基本的な防災グッズがバックパックとセットになったものが売られています。価格帯は1人用で約1万5000円~3万円程度。はじめにそれを購入し、家族構成に合わせてカスタマイズしていくのがオススメです。
一人暮らしの私がそろえているのは、下の写真のセット。
・ヘルメット
・LEDランタン・ラジオ・乾電池
・救急用品
・軍手
・非常食と水
・携帯トイレ
といった基本的な防災グッズがバックパックとセットになったものが売られています。価格帯は1人用で約1万5000円~3万円程度。はじめにそれを購入し、家族構成に合わせてカスタマイズしていくのがオススメです。
一人暮らしの私がそろえているのは、下の写真のセット。

これをリュック一つに入れておく
具体的には、
・衛生用品、下着
・汗ふきシート
・歯磨きセット、マウスウォッシュ
・トイレットペーパー
・現金(小銭中心に1~2万円)
・ラップ
・ゴミ袋
・割り箸・スプーン
・革手袋
・非常用ブランケット
・長袖長ズボンの洋服1セット
・マスク
・常備薬
・厚底スリッパ
・カイロ
・冷却材
・メガネ
といったラインアップです。
「災害時にはコンタクトレンズを使えない」「肌が露出しているとケガのもとなので衣類は季節を問わず長袖」「普段のキャッシュレス生活に比べ、小銭中心の現金が必要。防犯面を考慮して、常に身につけていられる極薄タイプの財布を使う」など、「非常時に困ることは何か?」を想像してみると、自分にあった防災グッズがそろいます。
また、ラップやビニール袋は「食器に敷く」「汚れ物をまとめる」といった用途のほか、「断水時に給水所でビニール袋に水を汲み、バックパックで自宅に運ぶ。袋の口を結んだまま段ボールに入れて水を保管」といった使い方もできます。大小いろいろなサイズを多めに備えておいて損はありません。
そして、こういったグッズは「いざというときサッと持ち出せるかどうか」がとても重要。写真で紹介したグッズは画角の都合上、非常食などを少なめにしています。それでもこの量になるので「いかにコンパクトに収めるか」を念頭に防災グッズをそろえていきたいところです。
一方、そんな持ち出し品の取捨選択をする中で、一見無駄に思えても、いくつか優先したいものが。
私の場合は写真にもある長期保存が可能な水やアルファ米といった非常食のほかに、ミニようかんやチョコレートといった長期保存可能な甘いお菓子も用意しています。災害時の備えはストイックに考えがちですが、メンタル面での支えも大事。普段から好きな甘いものも荷物の隙間に忍ばせておくと癒やしになるはずです。災害ではありませんが、山間部の遭難などでも「ようかんで生き延びた」「たまたまバッグに入っていたマヨネーズを食べて助かった」という話をしばしば聞きます。少量で糖分・脂質を補えるお菓子類の備蓄はおすすめです。
また、災害時は「保湿ができず、ひび割れた指先が痛かった」「保存食を食べ続けるうちにビタミン不足になり、口の端が切れた」といった話も聞いているため、マルチビタミンや保湿アイテムも入れてあります。
こういった飲食物やコスメ類は、多めに買ってストックしておき、賞味期限・使用期限を確認して古いものから使い、新しいものを買い足す「ローリングストック」方式を取っています。
冷蔵庫に普段入れている食品や経口補水液についても同じ方法をとることで、いつも新しいものを食べられて、備えとしての余裕も持つことができます。
・衛生用品、下着
・汗ふきシート
・歯磨きセット、マウスウォッシュ
・トイレットペーパー
・現金(小銭中心に1~2万円)
・ラップ
・ゴミ袋
・割り箸・スプーン
・革手袋
・非常用ブランケット
・長袖長ズボンの洋服1セット
・マスク
・常備薬
・厚底スリッパ
・カイロ
・冷却材
・メガネ
といったラインアップです。
「災害時にはコンタクトレンズを使えない」「肌が露出しているとケガのもとなので衣類は季節を問わず長袖」「普段のキャッシュレス生活に比べ、小銭中心の現金が必要。防犯面を考慮して、常に身につけていられる極薄タイプの財布を使う」など、「非常時に困ることは何か?」を想像してみると、自分にあった防災グッズがそろいます。
また、ラップやビニール袋は「食器に敷く」「汚れ物をまとめる」といった用途のほか、「断水時に給水所でビニール袋に水を汲み、バックパックで自宅に運ぶ。袋の口を結んだまま段ボールに入れて水を保管」といった使い方もできます。大小いろいろなサイズを多めに備えておいて損はありません。
そして、こういったグッズは「いざというときサッと持ち出せるかどうか」がとても重要。写真で紹介したグッズは画角の都合上、非常食などを少なめにしています。それでもこの量になるので「いかにコンパクトに収めるか」を念頭に防災グッズをそろえていきたいところです。
一方、そんな持ち出し品の取捨選択をする中で、一見無駄に思えても、いくつか優先したいものが。
私の場合は写真にもある長期保存が可能な水やアルファ米といった非常食のほかに、ミニようかんやチョコレートといった長期保存可能な甘いお菓子も用意しています。災害時の備えはストイックに考えがちですが、メンタル面での支えも大事。普段から好きな甘いものも荷物の隙間に忍ばせておくと癒やしになるはずです。災害ではありませんが、山間部の遭難などでも「ようかんで生き延びた」「たまたまバッグに入っていたマヨネーズを食べて助かった」という話をしばしば聞きます。少量で糖分・脂質を補えるお菓子類の備蓄はおすすめです。
また、災害時は「保湿ができず、ひび割れた指先が痛かった」「保存食を食べ続けるうちにビタミン不足になり、口の端が切れた」といった話も聞いているため、マルチビタミンや保湿アイテムも入れてあります。
こういった飲食物やコスメ類は、多めに買ってストックしておき、賞味期限・使用期限を確認して古いものから使い、新しいものを買い足す「ローリングストック」方式を取っています。
冷蔵庫に普段入れている食品や経口補水液についても同じ方法をとることで、いつも新しいものを食べられて、備えとしての余裕も持つことができます。
ペットのためのプラスアルファは?
大切な家族であるペットのためのプラスアルファも必要です。我が家には小型犬が1頭いるため、以下を追加で準備しています。
・ペット用フード・水(7日分以上)
ペットが食べ慣れているものを用意するのが基本です。普段から療法食を食べている場合は特に重要。我が家の場合は普段のフードに加え、嗜好性が高く食いつきのいいフードも用意しておき、環境の変化やストレスで犬が食欲をなくした場合にも対応できるようにしています。パッケージ内で小分けになっているものが理想です。
・ペット愛用のグッズ
ペットが心細くならないよう、普段からお気に入りの毛布やおもちゃも持ち出します。きれいな新品よりは、本人(犬)が使い倒した、なじみのあるものがよいようです。
・ペット用フード・水(7日分以上)
ペットが食べ慣れているものを用意するのが基本です。普段から療法食を食べている場合は特に重要。我が家の場合は普段のフードに加え、嗜好性が高く食いつきのいいフードも用意しておき、環境の変化やストレスで犬が食欲をなくした場合にも対応できるようにしています。パッケージ内で小分けになっているものが理想です。
・ペット愛用のグッズ
ペットが心細くならないよう、普段からお気に入りの毛布やおもちゃも持ち出します。きれいな新品よりは、本人(犬)が使い倒した、なじみのあるものがよいようです。

犬にも「いつもの愛用品」を
・キャリーバッグ・ケージ
避難時の移動と避難所での居場所を確保するためのマストアイテム。伏せた状態で頭まですっぽり入るものを。
避難時の移動と避難所での居場所を確保するためのマストアイテム。伏せた状態で頭まですっぽり入るものを。

「おとなしく伏せる練習」が必要
・ペットシーツ・排泄処理用品
避難所では特に重要になるマナーアイテム。うちのコはペットシーツを1枚敷けばその上で排泄できるので、トイレ用のトレーが要らず助かっていますが、限られたスペースでニオイや汚れを出さないためにも、「失敗せずにトイレができる環境づくり・しつけ」が普段から大切になってくると思います。
・首輪・リード・鑑札類
迷子対策として、普段使いのもののほかに予備を用意しています。また、飼い主が斜めがけのベルトを着用し、そこにリードをつないでハンズフリーにできるタイプのリードも購入を検討しています。
・飼育記録メモ
ワクチン接種歴、持病、かかりつけ医の情報などをメモしています。
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」によれば、ペット用品の備蓄は最低5日分、できれば7日分以上が推奨されています。我が家の場合、フードやペットシーツのローリングストック、シニア犬なので常備薬なども余裕を持って備えるとなると、2万円弱の出費がありました。しかし、人間に比べて我慢が利かないペットたちにストレスを極力与えることなく、一緒に苦境を乗り切るためには、必要な出費だと思っています。
避難所では特に重要になるマナーアイテム。うちのコはペットシーツを1枚敷けばその上で排泄できるので、トイレ用のトレーが要らず助かっていますが、限られたスペースでニオイや汚れを出さないためにも、「失敗せずにトイレができる環境づくり・しつけ」が普段から大切になってくると思います。
・首輪・リード・鑑札類
迷子対策として、普段使いのもののほかに予備を用意しています。また、飼い主が斜めがけのベルトを着用し、そこにリードをつないでハンズフリーにできるタイプのリードも購入を検討しています。
・飼育記録メモ
ワクチン接種歴、持病、かかりつけ医の情報などをメモしています。
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」によれば、ペット用品の備蓄は最低5日分、できれば7日分以上が推奨されています。我が家の場合、フードやペットシーツのローリングストック、シニア犬なので常備薬なども余裕を持って備えるとなると、2万円弱の出費がありました。しかし、人間に比べて我慢が利かないペットたちにストレスを極力与えることなく、一緒に苦境を乗り切るためには、必要な出費だと思っています。

中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019