“もしも”を想定した「日常に溶け込む防災」
防災は「備えて終わり」ではありません。普段からの準備と点検が重要です。いざというときに迷いなく動くためにも、普段から「もしも」を想定した行動を取りたいものです。
・家の中のリスクを減らす
建物自体の損壊が少なくても、家財などでケガをしては本末転倒。背の高い家具や、TVのような倒れやすい家電を固定し、転倒を防ぎましょう。専用のストッパーがなくても、棚の上を段ボール箱で埋め、家具の下に滑り止めシートを敷くだけでも違います。
また、揺れるタイプの照明や吊るすタイプの観葉植物は、大きな地震の際に振り子のように揺れ、ケガの元になる場合も。主要な生活動線上にあるものだけでも、照明は直付けに変更し、植物は床置きにしておきましょう。
窓にガラス飛散防止フィルムを貼ることができれば安心ですが、難しい場合はカーテンを常に引いておくだけでも、かなりガラスの飛散を防ぐことができます。
・防災グッズの定期点検・更新
年2回(春・秋)のように、あらかじめ点検日を決めて実施します。Googleカレンダーなどに繰り返しの予定として登録しておきます。
・家族との連絡手段・集合場所の確認
「もしものとき、どこで落ち合う?」と家族間で話し合っておきましょう。災害用伝言ダイヤル(171)の使い方も練習しておきます。スマートウォッチを使っている場合は、持ち主が危険な状態に陥ったときに自動で家族に連絡が行く機能があるものも。あらかじめ家族の連絡先を登録しておきましょう。
・ハザードマップ・避難所の確認
「自宅が水害に遭う可能性」「最寄りの避難所」も確認しておきたいところ。いざというときは少しの迷いが命を分けることも。
・ペットの訓練
ペットに対しても、普段からキャリーバッグに慣れさせておいたり、知らない人に吠えないしつけ、「待て・伏せ」「呼び戻し」といった訓練を積んでおきたいところ。
反射的にできるようになるまで練習させておくと、パニックを起こしがちな災害時も少し安心できると思います。
・家の中のリスクを減らす
建物自体の損壊が少なくても、家財などでケガをしては本末転倒。背の高い家具や、TVのような倒れやすい家電を固定し、転倒を防ぎましょう。専用のストッパーがなくても、棚の上を段ボール箱で埋め、家具の下に滑り止めシートを敷くだけでも違います。
また、揺れるタイプの照明や吊るすタイプの観葉植物は、大きな地震の際に振り子のように揺れ、ケガの元になる場合も。主要な生活動線上にあるものだけでも、照明は直付けに変更し、植物は床置きにしておきましょう。
窓にガラス飛散防止フィルムを貼ることができれば安心ですが、難しい場合はカーテンを常に引いておくだけでも、かなりガラスの飛散を防ぐことができます。
・防災グッズの定期点検・更新
年2回(春・秋)のように、あらかじめ点検日を決めて実施します。Googleカレンダーなどに繰り返しの予定として登録しておきます。
・家族との連絡手段・集合場所の確認
「もしものとき、どこで落ち合う?」と家族間で話し合っておきましょう。災害用伝言ダイヤル(171)の使い方も練習しておきます。スマートウォッチを使っている場合は、持ち主が危険な状態に陥ったときに自動で家族に連絡が行く機能があるものも。あらかじめ家族の連絡先を登録しておきましょう。
・ハザードマップ・避難所の確認
「自宅が水害に遭う可能性」「最寄りの避難所」も確認しておきたいところ。いざというときは少しの迷いが命を分けることも。
・ペットの訓練
ペットに対しても、普段からキャリーバッグに慣れさせておいたり、知らない人に吠えないしつけ、「待て・伏せ」「呼び戻し」といった訓練を積んでおきたいところ。
反射的にできるようになるまで練習させておくと、パニックを起こしがちな災害時も少し安心できると思います。
住まいのタイプで変わる避難スタイル
「災害時は避難所暮らしになる」と思っている人も多いかもしれません。しかし近年は、住環境によって最適な避難方法が異なることが防災の常識になってきています。
マンション住まいの場合は、「在宅避難」が基本に。私が「持ち出し用」より「備蓄品」に力を入れている理由もここにあります。鉄筋コンクリート造の建物は耐震性が高く、自宅での避難が可能な場合が多いです。避難所への移動よりも在宅避難を前提とした備蓄が重要です。特に上層階に住んでいる場合、エレベーターが停止した際の物資運搬を考慮して、普段から多めの備蓄を心がけましょう。
低層階で浸水リスクがある場合は、階段の踊り場や屋上など、建物内のより高い共用部分への一時避難を想定する必要があります。ただし、事前に管理組合での取り決めや上階住民との合意形成が必要になるでしょう。
基本的には自宅避難は人の目を気にする必要がなく、慣れ親しんだ環境で過ごせる避難方法。安心感があり、ペットにとってもうれしい方法でしょう。
戸建て住宅では、建物の損傷リスクが高いため、避難所への移動を前提とした準備が必要です。特にペットを飼っている場合、避難所がペットを受け入れてくれるかどうかの確認は不可欠です。
持ち出し用防災グッズについても、移動を前提とした軽量・コンパクトな備えが重要になります。
自家用車と駐車場があるなら、選択肢として「車中泊」も検討してみるとよいでしょう。スペースにゆとりは少ないものの、独立したスペースで過ごせる安心感は、ペットのストレスも軽減してくれるはず。車のトランクがあれば、防災グッズも多めに持ち出せます。
マンション住まいの場合は、「在宅避難」が基本に。私が「持ち出し用」より「備蓄品」に力を入れている理由もここにあります。鉄筋コンクリート造の建物は耐震性が高く、自宅での避難が可能な場合が多いです。避難所への移動よりも在宅避難を前提とした備蓄が重要です。特に上層階に住んでいる場合、エレベーターが停止した際の物資運搬を考慮して、普段から多めの備蓄を心がけましょう。
低層階で浸水リスクがある場合は、階段の踊り場や屋上など、建物内のより高い共用部分への一時避難を想定する必要があります。ただし、事前に管理組合での取り決めや上階住民との合意形成が必要になるでしょう。
基本的には自宅避難は人の目を気にする必要がなく、慣れ親しんだ環境で過ごせる避難方法。安心感があり、ペットにとってもうれしい方法でしょう。
戸建て住宅では、建物の損傷リスクが高いため、避難所への移動を前提とした準備が必要です。特にペットを飼っている場合、避難所がペットを受け入れてくれるかどうかの確認は不可欠です。
持ち出し用防災グッズについても、移動を前提とした軽量・コンパクトな備えが重要になります。
自家用車と駐車場があるなら、選択肢として「車中泊」も検討してみるとよいでしょう。スペースにゆとりは少ないものの、独立したスペースで過ごせる安心感は、ペットのストレスも軽減してくれるはず。車のトランクがあれば、防災グッズも多めに持ち出せます。
ペットは「同行避難」が原則に
ペット防災を取り巻く環境は大きく変化しています。
2019年の改正動物愛護管理法により、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に災害時のペットへの対応について記載することが義務化されました。これにより、ペット防災への取り組みが制度的に後押しされています。
環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、「同行避難」を原則としており、災害発生時に飼い主がペットを同行して避難場所まで安全に避難することが推奨されています。
東京都内でも多くの避難所でペットとの避難が認められていますが、23区内の約900カ所の指定避難所のうち、ペット専用スペースの確保が明確に計画されているのは6割程度。まだ改善の余地があります。
「ペットを家に置いていくのが不安」と感じる一方で、ほとんどの飼い主が最寄りの指定避難所のペット受け入れ体制を知らないともいわれており、意識と準備の間にギャップがあることも明らかになっています。
ペットを飼っていない人の目にはペット同行避難は飼い主の「わがまま」に見えるかもしれません。しかし、これは二次災害防止の観点からも重要なこと。同行避難には、ペットを置いて避難した飼い主が危険を冒して戻ったり、放浪するペットが交通事故を引き起こしたりするリスクを防ぐ意味もあるのです。ペットを飼っている方は、環境省のガイドラインに基づいた同行避難の準備を。ペットを飼っていない方も、地域全体の防災力向上のために、ペット防災への理解を深めていただければと思います。
2019年の改正動物愛護管理法により、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に災害時のペットへの対応について記載することが義務化されました。これにより、ペット防災への取り組みが制度的に後押しされています。
環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、「同行避難」を原則としており、災害発生時に飼い主がペットを同行して避難場所まで安全に避難することが推奨されています。
東京都内でも多くの避難所でペットとの避難が認められていますが、23区内の約900カ所の指定避難所のうち、ペット専用スペースの確保が明確に計画されているのは6割程度。まだ改善の余地があります。
「ペットを家に置いていくのが不安」と感じる一方で、ほとんどの飼い主が最寄りの指定避難所のペット受け入れ体制を知らないともいわれており、意識と準備の間にギャップがあることも明らかになっています。
ペットを飼っていない人の目にはペット同行避難は飼い主の「わがまま」に見えるかもしれません。しかし、これは二次災害防止の観点からも重要なこと。同行避難には、ペットを置いて避難した飼い主が危険を冒して戻ったり、放浪するペットが交通事故を引き起こしたりするリスクを防ぐ意味もあるのです。ペットを飼っている方は、環境省のガイドラインに基づいた同行避難の準備を。ペットを飼っていない方も、地域全体の防災力向上のために、ペット防災への理解を深めていただければと思います。
情報収集&実践的チェックポイント
効果的な防災準備には、正確な情報収集が欠かせません。各自治体のホームページには防災に関する詳細な情報が掲載されています。
・指定避難所の場所とペット受け入れ状況
・地域の防災マップ・ハザードマップ
・災害時の情報伝達手段
・自治体独自の防災アプリの有無
は、すぐにでも確認しておきたいポイントです。
さらにペットを飼っている場合は、以下の点を事前に確認しておきましょう。
・ペット受け入れ可能な避難所の場所
・ペット用スペースの有無(屋内・屋外)
・飼育ルールや制限事項
・必要な持参物
かかりつけの動物病院とも災害時の対応について、以下のような内容は話し合っておきたいものです。
・緊急時の連絡方法
・療法食や薬の備蓄方法
・一時預かりの可否
・近隣の救急対応可能な動物病院の情報
住環境とペットの有無に応じて、以下のチェックポイントを確認しておきましょう。
・マンション居住者向けチェックリスト
□ 在宅避難用備蓄品(1週間分)の確認
□ 管理組合の防災体制と備蓄状況の把握
□ 上階への避難ルート確認(低層階居住の場合)
□ エレベーター停止時の物資運搬方法の検討
□ 近隣住民との緊急時連絡体制
・戸建て居住者向けチェックリスト
□ 最寄り避難所の場所とペット受け入れ状況の確認
□ 複数の避難ルートの安全性確認
□ 持ち出し用防災グッズの準備と定期点検
□ 車中泊用品の準備(車を所有している場合)
□ 建物の耐震診断と必要に応じた補強
・ペット飼育世帯向けチェックリスト
□ ペット用防災グッズ(7日分以上)の準備
□ キャリーバッグ、クレートトレーニングの実施
□ 鑑札・迷子札・マイクロチップの装着確認
□ 避難時の移動手段(徒歩・車・公共交通機関)の確認
□ 避難所でのマナーと配慮事項の理解
□ 近隣のペット一時預かり施設の情報収集
・指定避難所の場所とペット受け入れ状況
・地域の防災マップ・ハザードマップ
・災害時の情報伝達手段
・自治体独自の防災アプリの有無
は、すぐにでも確認しておきたいポイントです。
さらにペットを飼っている場合は、以下の点を事前に確認しておきましょう。
・ペット受け入れ可能な避難所の場所
・ペット用スペースの有無(屋内・屋外)
・飼育ルールや制限事項
・必要な持参物
かかりつけの動物病院とも災害時の対応について、以下のような内容は話し合っておきたいものです。
・緊急時の連絡方法
・療法食や薬の備蓄方法
・一時預かりの可否
・近隣の救急対応可能な動物病院の情報
住環境とペットの有無に応じて、以下のチェックポイントを確認しておきましょう。
・マンション居住者向けチェックリスト
□ 在宅避難用備蓄品(1週間分)の確認
□ 管理組合の防災体制と備蓄状況の把握
□ 上階への避難ルート確認(低層階居住の場合)
□ エレベーター停止時の物資運搬方法の検討
□ 近隣住民との緊急時連絡体制
・戸建て居住者向けチェックリスト
□ 最寄り避難所の場所とペット受け入れ状況の確認
□ 複数の避難ルートの安全性確認
□ 持ち出し用防災グッズの準備と定期点検
□ 車中泊用品の準備(車を所有している場合)
□ 建物の耐震診断と必要に応じた補強
・ペット飼育世帯向けチェックリスト
□ ペット用防災グッズ(7日分以上)の準備
□ キャリーバッグ、クレートトレーニングの実施
□ 鑑札・迷子札・マイクロチップの装着確認
□ 避難時の移動手段(徒歩・車・公共交通機関)の確認
□ 避難所でのマナーと配慮事項の理解
□ 近隣のペット一時預かり施設の情報収集
今日から始める「我が家流」防災
住まいの特性を活かした防災計画を立て、ペットを含めた家族全員の安全を守る準備を整えることが大切です。
個々の状況に応じた柔軟な防災対策こそが、真に役立つ備えとなります。今日からできる具体的なアクションを一つずつ実践していきましょう。
防災は「もしも」に備える取り組みですが、準備の過程で家族の絆が深まり、地域とのつながりも生まれます。これを機に、我が家らしい防災スタイルを見つけていきましょう。
個々の状況に応じた柔軟な防災対策こそが、真に役立つ備えとなります。今日からできる具体的なアクションを一つずつ実践していきましょう。
防災は「もしも」に備える取り組みですが、準備の過程で家族の絆が深まり、地域とのつながりも生まれます。これを機に、我が家らしい防災スタイルを見つけていきましょう。

中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019