夢ってどうやってかなえるの? 熊谷正寿『一冊の手帳で夢は必ずかなう なりたい自分になるシンプルな方法』の凄み
「私には、こういう夢があったんだな」
手帳で夢をかなえるために何をすればよいか。まずは夢をカタチにすることだ。
“まずは自分の「夢」「目標」「やりたいこと」を長いスパンで考えて、それらを「やりたいことリスト」として書き出してみましょう。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
「夢なんてない」と呆然とする人だっているだろう。この本には、そういう人へ向けた熊谷氏のアドバイスもあるのだが、そこが私はとても好きだった。新卒の就職活動でエントリーシートを前に「やりたいことって何?」と悩む学生にも刺さるはずだ。ぜひ読んでもらいたい。
そして、手帳との付き合い方のレクチャーとともに、熊谷氏は自身が人生でいかにして夢をカタチにして、それをかなえたかのエピソードも語られる。
“「僕には、お金も時間も学歴もない。今は苦しい。でも、こんなにたくさんの夢があるではないか」
という思いを強くし、やる気が満ち満ちてくるのを実感したことを覚えています。いかに現実が苦しくても、人は夢を持つことでその苦しさから救われるものなのです。
不思議なもので、具体的に文字にすると、夢が“居所”を得るせいか、気分が落ち着いてきます。
「僕には、こういう夢があったんだな」
と再認識し、夢に近づく努力をしようという元気もわいてきます。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
夢が居所を得る、っていい言葉だ。私も「私には、こういう夢があったんだな」と夢を可視化して、じっくり見つめ直してみる。で、「夢を持つって最高だな!」で終わらないところがこの本の痛快なところだ。夢を手帳に書き出しました、さあ次はどうするか。そう、夢に近づく努力をします。これも手帳の上で実行する。
“「やりたいことリスト」でリストアップした夢を、「夢・人生ピラミッド」の各セクションに振り分けます。”
“まずは自分の「夢」「目標」「やりたいこと」を長いスパンで考えて、それらを「やりたいことリスト」として書き出してみましょう。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
「夢なんてない」と呆然とする人だっているだろう。この本には、そういう人へ向けた熊谷氏のアドバイスもあるのだが、そこが私はとても好きだった。新卒の就職活動でエントリーシートを前に「やりたいことって何?」と悩む学生にも刺さるはずだ。ぜひ読んでもらいたい。
そして、手帳との付き合い方のレクチャーとともに、熊谷氏は自身が人生でいかにして夢をカタチにして、それをかなえたかのエピソードも語られる。
“「僕には、お金も時間も学歴もない。今は苦しい。でも、こんなにたくさんの夢があるではないか」
という思いを強くし、やる気が満ち満ちてくるのを実感したことを覚えています。いかに現実が苦しくても、人は夢を持つことでその苦しさから救われるものなのです。
不思議なもので、具体的に文字にすると、夢が“居所”を得るせいか、気分が落ち着いてきます。
「僕には、こういう夢があったんだな」
と再認識し、夢に近づく努力をしようという元気もわいてきます。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
夢が居所を得る、っていい言葉だ。私も「私には、こういう夢があったんだな」と夢を可視化して、じっくり見つめ直してみる。で、「夢を持つって最高だな!」で終わらないところがこの本の痛快なところだ。夢を手帳に書き出しました、さあ次はどうするか。そう、夢に近づく努力をします。これも手帳の上で実行する。
“「やりたいことリスト」でリストアップした夢を、「夢・人生ピラミッド」の各セクションに振り分けます。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
一気に事業計画書っぽくなってきた! あまりに大きすぎて私には分不相応かも……と怖気付いてしまいそうな夢たちが、急に立体的かつ解像度高めに浮かび上がってくる。そして熊谷氏は「夢を叶えたいなら、このピラミッドを歪みも偏重もなく完璧なカタチで実現するオールマイティな人間にならなければならない」と説くのだ。
“私を含めて誰もが、成功とお金を手にしたいと願っているでしょう。ですが、欲に支配されると道を誤ります。「夢を達成した結果、手に入れる」のが成功であり、お金であるという「幸せの前提」を忘れてはいけません。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
なんだかもう末代まで伝えたいよ……。ここも赤ペンで二重丸をつけた(そして自分の手帳に書き写しました)。
ちなみに「赤ペン」は、この本の中で熊谷氏の情報収集の三種の神器のひとつとして紹介されている。「赤ペン」と「比較」、そして「夢」さえあれば、無数の情報の中からその人にとって価値のある情報が見つかるのだという。これから先、インターネットの新しいサービスや高機能なスマートフォンがいくら出てきたとしても、この三種の神器は揺るがない。
大きな夢を叶えた人の凄みを感じる一冊だ。そして元気が出る。手帳と自分の夢が大好きになるはずだ。
最後にこの本を読んだあと私の身に実際に起こった「効果」について書きたい。めちゃくちゃ正直に書くが、私の「やりたいこと」のひとつは「カルティエのラブブレスレットを普段着のようにいつも左手につける」だ。数十年前からあるデザインで、イエローゴールドにダイヤが4粒あしらわれている。文句なしに美しい。「きれいだな〜」とぼんやり百貨店で眺めるだけじゃなく、手帳に「XX歳までに手に入れる」と恐る恐る書いてみた。するとそれまでは「キラキラだし、すさまじく高価だし、私には不釣り合いかも」とフニフニ迷っていたのに、その気持ちが完全に失せた。目を閉じると、何の気負いもなくそのブレスレットを身に着けている自分がイメージできる。
手帳に書くくらい憧れているなら、いっそその夢かなえようじゃないか。そんな気持ちになれるのはまさに「手帳の力」だ。
・『一冊の手帳で夢は必ずかなう なりたい自分になるシンプルな方法』
(熊谷正寿・著、かんき出版)
一気に事業計画書っぽくなってきた! あまりに大きすぎて私には分不相応かも……と怖気付いてしまいそうな夢たちが、急に立体的かつ解像度高めに浮かび上がってくる。そして熊谷氏は「夢を叶えたいなら、このピラミッドを歪みも偏重もなく完璧なカタチで実現するオールマイティな人間にならなければならない」と説くのだ。
“私を含めて誰もが、成功とお金を手にしたいと願っているでしょう。ですが、欲に支配されると道を誤ります。「夢を達成した結果、手に入れる」のが成功であり、お金であるという「幸せの前提」を忘れてはいけません。”
(2章「夢がなければ夢をかなえることはできない」より)
なんだかもう末代まで伝えたいよ……。ここも赤ペンで二重丸をつけた(そして自分の手帳に書き写しました)。
ちなみに「赤ペン」は、この本の中で熊谷氏の情報収集の三種の神器のひとつとして紹介されている。「赤ペン」と「比較」、そして「夢」さえあれば、無数の情報の中からその人にとって価値のある情報が見つかるのだという。これから先、インターネットの新しいサービスや高機能なスマートフォンがいくら出てきたとしても、この三種の神器は揺るがない。
大きな夢を叶えた人の凄みを感じる一冊だ。そして元気が出る。手帳と自分の夢が大好きになるはずだ。
最後にこの本を読んだあと私の身に実際に起こった「効果」について書きたい。めちゃくちゃ正直に書くが、私の「やりたいこと」のひとつは「カルティエのラブブレスレットを普段着のようにいつも左手につける」だ。数十年前からあるデザインで、イエローゴールドにダイヤが4粒あしらわれている。文句なしに美しい。「きれいだな〜」とぼんやり百貨店で眺めるだけじゃなく、手帳に「XX歳までに手に入れる」と恐る恐る書いてみた。するとそれまでは「キラキラだし、すさまじく高価だし、私には不釣り合いかも」とフニフニ迷っていたのに、その気持ちが完全に失せた。目を閉じると、何の気負いもなくそのブレスレットを身に着けている自分がイメージできる。
手帳に書くくらい憧れているなら、いっそその夢かなえようじゃないか。そんな気持ちになれるのはまさに「手帳の力」だ。
・『一冊の手帳で夢は必ずかなう なりたい自分になるシンプルな方法』
(熊谷正寿・著、かんき出版)
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori