フリーランスが“フリーナンス”の無償保険に入ってみた

2021.6.9

仕事とくらし、与信、お金の4つの分野でサービスを提供していきたい

フリーナンスは今後は、「フリーランスの仕事とくらし、与信、お金の4つの分野でサービスを提供していきたい」と次松氏は語ります。

フリーナンスのサービス分野

「フリーランサーにアンケートを取ると、悩みの上位は、だいたい仕事とお金のことなんですよね。フリーナンスは今後、そこにミートした形でサービスを展開していきます。仕事の面で言えば『あんしん補償』に加えて、ケガや病気などで働けなくなった場合の収入の補償を行う『あんしん補償プラス』というサービスを昨年夏にリリースしました。あんしん補償プラスは、コロナ禍でフリーランサーから要望があったものなんです」（次松氏）

有料で提供する「あんしん補償プラス」のサービス概要

現在フリーナンスでは、登録時に本人確認と“反社チェック”を行っていますが、フリーランサーの与信、つまり信用を高めるサポートもしていきたいと次松氏は語ります。

「フリーナンスの登録時には、フリーランスとしての技量の評価を現在は行っていないのですが、登録後にユーザーが『与信スコア』を見られるようになっています。運営からの電話インタビューやビデオインタビューに答えてもらったり、昨年の収入証明書をアップロードしてもらうとスコアが上がる仕組みです。取引の1件1件の実態をつかむことは難しいのですが、過去にどういう活動をしていたか、どんな収入を得ていたのかを記録することで与信スコアが上がっていく仕組みです」（次松氏）

今後の狙いとして次松氏は、「金融機関などと提携し、与信スコアが一定以上に上がると住宅ローンを組めるといったように、フリーランサーの生活や信用の向上に活用していきたいと思っています」と語ります。

「お金」のサポートについて現在は即日払いを提供していますが、「与信スコアと組み合わせることで、住宅ローン以外でもフリーランサーが融資を受けやすくする仕組み作りもを行っていきたいと思います」（次松氏）とのことです。

フリーナンスの与信が、新たなビジネスを生み出す

企業が安心してフリーランサーへ仕事を発注できるように、フリーナンスの審査制度を活用したサービスも登場しています。2020年12月に連携を開始した九州電力の習い事マッチングプラットフォーム事業「おけいこタウン」です。同サービスの講師は、フリーナンスへの登録を必須にすることで、本人確認と”反社チェック”を行える仕組みです。

「フリーランサーに対する本人確認と反社チェックによって、企業側が安心できる側面ももちろんありますが、それだけではありません。例えば、あんしん補償は、ここまでのお話ではフリーランサーを守るための仕組みでしたが、損害賠償保険なので、裏を返すとフリーランサーに発注する企業も守られることになります。当社との提携有無に関わらず、フリーランサーへ発注する場合にあらかじめフリーナンスへの登録をフリーランサーへ促してしてくださいという企業が増えています」（次松氏）

おけいこタウンのほかにも、「フリーコンサルタント.jp」などを展開するみらいワークスも、2020年6月にフリーナンスとの提携をスタートしました。

「みらいワークスさんはコンサルタントなどのプロの人材を業務委託で派遣するサービスを展開していますが、そこへ登録する人は原則としてフリーナンスへの登録を必須にしています」（次松氏）

フリーランサーからすれば、資金繰りや仕事上のトラブルを過度に心配することなく仕事に取り組めますし、裏を返すと企業側はフリーナンスのユーザーであれば、安心して仕事を依頼できるようになり、お互いに安心して仕事ができるようになります。

企業側は、フリーランサーに対する本人確認と反社チェックのほか、「あんしん補償」でも守られ、安心して発注できる

フリーナンスのユーザーが増え、フリーナンスと提携する企業が増えることで、企業対企業だけでなく、企業対フリーランサーのマッチングもしやすくなり、フリーランサーがより活躍できるようになる。そんな社会に進んでいく大きな期待感を持ちました。

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安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。