オーストラリア・メルボルン発祥の人気プランツショップ「The Plant Society(以下、プラントソサエティ)」が初めての海外進出に選んだ街は、東京都江東区の清澄白河。東京都現代美術館と大きな公園、そしておしゃれなカフェや醸造所が立ち並ぶ下町です。
清澄白河は、美しい室内用観葉植物と一点物の鉢をたくさん取り扱うプラントソサエティの初上陸地点にふさわしい街だと思います。のびのびとしていて、散歩するととても気持ちがいい。秋晴れのある週末に、プラントソサエティ詣でも兼ねて清澄白河を散歩してきました。
清澄白河は、美しい室内用観葉植物と一点物の鉢をたくさん取り扱うプラントソサエティの初上陸地点にふさわしい街だと思います。のびのびとしていて、散歩するととても気持ちがいい。秋晴れのある週末に、プラントソサエティ詣でも兼ねて清澄白河を散歩してきました。
我が家に庭はないけれど
2021年7月にオープンしたプラントソサエティの日本1号店「プラントソサエティトーキョーフラッグシップ」に通い始めてから、私の生活は激変しました。
我が家の植物の一部。こんなにたくさん育てるはずじゃなかった
なにせ大好きなイタリアのシューズブランド、ジャンヴィト・ロッシのパンプスを買うのをちょっとガマンして植物と鉢を集めてる(色違いで揃えるのが楽しいんですよ、ジャンヴィト・ロッシは!)。
寝る前に映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を観てはニヤニヤし、街を歩けば園芸店を目ざとくチェックし、さらに「このカフェの鉢と植栽は上品でかわいいな」といった具合に売り物でもなんでもない植物までチラチラ観察する。なんでそんなことになっちゃったんでしょう。
予兆は2年ほど前からありました。まず南向きの大きな窓のある部屋に引っ越したこと。そして全英ベストセラーの『庭仕事の真髄 ―老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭』を読んだこと。イギリスの精神科医であるスー・スチュアート・スミスによるこの本は、ガーデニングと人の心との結びつきを丹念に描き、植物を育てる喜びをこれでもかと訴えかけてくる良書です。
で、マンション暮らしで庭を持っていない私もスミスさんの影響で土に触れたくなり、熱帯アフリカ原産の観葉植物、フィカス・ウンベラータの鉢を近所の園芸屋さんで買い求め、リビングの窓辺に置いてみました。すると面白いくらいフサフサとたくましく育ったのです。物言わぬ植物の静かで美しい生命力に胸を打たれました。今では我が家の立派なシンボルツリーです。
寝る前に映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を観てはニヤニヤし、街を歩けば園芸店を目ざとくチェックし、さらに「このカフェの鉢と植栽は上品でかわいいな」といった具合に売り物でもなんでもない植物までチラチラ観察する。なんでそんなことになっちゃったんでしょう。
予兆は2年ほど前からありました。まず南向きの大きな窓のある部屋に引っ越したこと。そして全英ベストセラーの『庭仕事の真髄 ―老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭』を読んだこと。イギリスの精神科医であるスー・スチュアート・スミスによるこの本は、ガーデニングと人の心との結びつきを丹念に描き、植物を育てる喜びをこれでもかと訴えかけてくる良書です。
で、マンション暮らしで庭を持っていない私もスミスさんの影響で土に触れたくなり、熱帯アフリカ原産の観葉植物、フィカス・ウンベラータの鉢を近所の園芸屋さんで買い求め、リビングの窓辺に置いてみました。すると面白いくらいフサフサとたくましく育ったのです。物言わぬ植物の静かで美しい生命力に胸を打たれました。今では我が家の立派なシンボルツリーです。
フサフサと立派に育ったフィカス・ウンベラータ
食器のように鉢を選ぶ
フィカス・ウンベラータの圧倒的成長に気をよくした私は、それ以来、園芸店をちょいちょいのぞくように。もっと植物が欲しい! でも、何かが足りない。そう、植物はかわいいけれど、購買意欲を強くかきたてる「何か」が足りない……それは「鉢」でした。
たとえば、食器の美しさは、料理のおいしさを引き立てます。あの理屈と同じです。鉢は植物をただ収めるだけじゃなく、その強さや美しさを引き立てることもできる、大切な器なんです。
そして、一般的な園芸店で見かける鉢は、プラスチック、ブリキ、テラコッタのこざっぱりしたものが大半。悪くはないけれど、ちょっと味気ない。で、なにかデザインされた鉢を探そうとすると、ベルサイユ宮殿の部品のようなロマンチックなものか、カントリー調のものか、はたまた縄文土器風のトライバルな模様が施されたものばかり。私はそのどれもがあまり好きじゃなくて、ここで物欲にブレーキがかかっていました。
でもプラントソサエティの鉢は違いました。とくにオーストラリアの作家によるハンドメイドの鉢がずば抜けて美しい。都内のおしゃれな家具店や雑貨店でも見つけられないような鉢がたくさん並んでいます。そして、プラントソサエティで自分好みの鉢を見つけると、ほかのお店でも「こんな感じの鉢を家に置きたい」と明確なイメージを持って鉢を探せるようになったのです。こうして「植物探し」と「鉢探し」にドライブがかかり、やがて深い沼にすっぽり肩まで漬かってしまうことになりました。
たとえば、食器の美しさは、料理のおいしさを引き立てます。あの理屈と同じです。鉢は植物をただ収めるだけじゃなく、その強さや美しさを引き立てることもできる、大切な器なんです。
そして、一般的な園芸店で見かける鉢は、プラスチック、ブリキ、テラコッタのこざっぱりしたものが大半。悪くはないけれど、ちょっと味気ない。で、なにかデザインされた鉢を探そうとすると、ベルサイユ宮殿の部品のようなロマンチックなものか、カントリー調のものか、はたまた縄文土器風のトライバルな模様が施されたものばかり。私はそのどれもがあまり好きじゃなくて、ここで物欲にブレーキがかかっていました。
でもプラントソサエティの鉢は違いました。とくにオーストラリアの作家によるハンドメイドの鉢がずば抜けて美しい。都内のおしゃれな家具店や雑貨店でも見つけられないような鉢がたくさん並んでいます。そして、プラントソサエティで自分好みの鉢を見つけると、ほかのお店でも「こんな感じの鉢を家に置きたい」と明確なイメージを持って鉢を探せるようになったのです。こうして「植物探し」と「鉢探し」にドライブがかかり、やがて深い沼にすっぽり肩まで漬かってしまうことになりました。
植物と鉢の組み合わせにうっとり
私を植物の世界に引きずり込んだプラントソサエティトーキョーフラッグシップは、清澄白河駅から徒歩8分くらいのところにあります。自転車ブランド「tokyobike(トーキョーバイク)」の旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO(トーキョーバイク トーキョー)」の2階に併設され、1階ではおいしいコーヒーも楽しめます。
1階も2階も旗艦店という気合いの入った建物ですが、抜け感のある爽やかなグレーで統一されています
自転車のレンタルもできるので清澄白河散策の拠点としてもよさそう
自転車と家具と雑貨と植物がいい感じに共存
2階の奥にプラントソサエティトーキョーがあります。
はい、入って数秒でかわいい
見よ! このフサフサかつスタイリッシュな空間を!
ここに来ると、同じ形の鉢でも色が違うと印象がまるで変わることに感動します。これだけ鉢と植物が揃っているので、店員さんに「この鉢に合う植物はどれ?」と相談しながらあれこれ選ぶのがとても楽しい。
もちろん、植物だけ、鉢だけをそれぞれ買うこともできます。ハンドメイドの鉢は安い買い物ではないですし、そもそも植物は生き物なので、慎重に選びましょう。
ちなみに、これらの鉢と植物はオンラインショップでも販売されています。植物の種類によっては「この鉢が似合いますよ」といった具合に鉢と植物の組み合わせをオンライン上でも提案してくれます。私はオンラインショップであれこれ吟味してから清澄白河のお店に通っています。
もちろん、植物だけ、鉢だけをそれぞれ買うこともできます。ハンドメイドの鉢は安い買い物ではないですし、そもそも植物は生き物なので、慎重に選びましょう。
ちなみに、これらの鉢と植物はオンラインショップでも販売されています。植物の種類によっては「この鉢が似合いますよ」といった具合に鉢と植物の組み合わせをオンライン上でも提案してくれます。私はオンラインショップであれこれ吟味してから清澄白河のお店に通っています。
浅くて直経の大きな鉢に小さな植物を並べるのもかわいい。細長い鉢も部屋によくなじみます
大きな植物もいますよ! みんな立派
このスタイリッシュな輪っかは植物のツルを這わせるワイヤー。きれいですね
こぢんまりとしたお店ですが、吹き抜けで開放感もあって気持ちがいいです。のんびり選べます。ちなみに、もし購入後に植物の育て方に困ったらインスタグラムのメッセージから相談を受け付けてくれるそうです(2022年10月時点の情報です)。
プラントソサエティはときどき百貨店や商業施設でポップアップストアを出展しているので、機会があればぜひ、のぞいてみてください。鉢と植物の美しさにうっとりしますよ!
プラントソサエティはときどき百貨店や商業施設でポップアップストアを出展しているので、機会があればぜひ、のぞいてみてください。鉢と植物の美しさにうっとりしますよ!
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori