ワーク・ライフ・バランス、QOLアップにAIを活用しよう!

中野 亜希

AISpecialライフスタイル業務効率化
あなたはChatGPTやGeminiといった生成AIをどのように活用していますか? 大きな期待を集める生成AIは、仕事だけでなく、私たちの身近な面倒ごとを解決する強力な味方になってくれます。

忙しいビジネスパーソンの日々の仕事や生活で発生する細々とした、しかし面倒なタスク。これらは時間と労力を奪う厄介な存在ですが、生成AIを賢く活用することで効率的に解決できるかもしれません。

この記事では、普段の生活や仕事で発生する「ちょっと面倒なこと」を生成AIで上手に解決するヒントをお届けします。少しの工夫で、あなたの生産性が飛躍的に向上するかもしれません。

原稿やレポート……「文章のまとめ」を考えてもらう

単純作業ではなく、頭を使って考える生産性の高い仕事にこそ、やりがいを感じるものです。しかし、答えの出ない「悩む時間」が増えると、他のやるべきことに手が回らなくなる場合も。そんな事態に陥りがちなシチュエーションに「文章を書く」仕事があります。

ちょっとした原稿やレポートを作成する機会は、どんな職種にもあります。そんなときこそ、生成AIをうまく活用したいところ。

とはいえ、AIに「〇〇という問題提起があり、△△という結論に至るような文章を書いて」と指示しても、最初から満足の行くようなものが出力されることはありません。期待するアウトプットに向けてAIへの指示を考えるうちに、原稿の構成が出来上がり、自分で書いたほうが早かった……という場合もあります。

その一方、自分で書いた文章をAIに読ませたうえで、「結論への着地」を考えてもらうと、はじめから期待するアウトプットに近いものを得られることが多いです。

ChatGPTをはじめとする大規模学習モデルは、多くのデータを学習する過程で「このような文章には、こういった文章が続く」というパターンも学んでいるといいます。つまり、AIは「続きを書く」ことが得意なのです。

文章を書いていて、そろそろまとめに入らなくてはいけない、しかしどのような導線で結論までたどり着こうか迷う……。そんなときに「この文章に続く結論・締めを300文字程度で出力して」と依頼してみると、すぐにでも使えそうな案が出力されます。私の書いた文章の流れ、語彙や言い回しを学習しているのか、取ってつけたような感じもありません。

「あなたは敏腕編集者です」「この文章で取り上げている◯◯についてポジティブにまとめる方向で」など、さまざまな指示を付け足すだけでもアウトプットは変わります。それらを比較したり、AIが出力したまとめを眺めたりしているうちに、新たなひらめきを得られることも。

出力結果をそのまま使うというよりは、文章をブラッシュアップするヒントを得るために使う、と考えると、AIはいい相棒になってくれます。

文章の書き出しを考えてもらう

文章の「書き出し」も意外に頭を悩ませることの1つです。

たとえ重要なビジネス文書でも、流し読みされてしまうことはあります。むしろ、それを読むことが「義務」であるビジネス文書こそ、「目を通せばいい」とばかりに適当に読まれることも多く、書いた内容が全部相手に伝わるとは限りません。

円滑なやり取りのためには、読み手に「この文章は読む価値がある、集中して読もう」と意識してもらう必要があります。

「本題については考えがまとまっているけど、冒頭のリード文を考えるのが面倒くさい」——そんなときは、先に作成した本文やその構成をAIに渡し、「以下の文章を思わず真剣に読みたくなるような、興味をそそるリード文を書いてください」と命じます。

このとき、文章の読み手についての説明を付け加えたり、複数のAIに同じ質問をしてみると、生成される結果が変わってきます。何度かチューニングしながら完成度を上げていくも良し、切り口だけを学んで自分で書くのもまた良しです。効果的なつかみとなるリード文を作成できるでしょう。

同じように頭を悩ませる作業に、SNSに写真を投稿する際のキャプションづくりがあります。

そこで投稿したい写真をAIに読み込ませ、「あなたは有能なSNSプランナーです。この写真をインスタグラムに投稿する際の効果的なキャプションと、ハッシュタグ3つを書いてください」と指示すると、以下のように、キャプションを生成してくれます。

写真を読み込ませてキャプションづくりを指示する

Instagram向けのキャプションが生成された

これもまた、「結果をそのまま使う」よりは「それを土台に自分の意図するニュアンスを乗せて調整する」と考えるのがポイントです。

メールから探してもらう

大事なことが書かれているはずのメールがどこかに紛れてしまった……。地味に面倒なシチュエーションですが、これもAIで解決できます。

私は、帰宅時に「荷物が多いから後で取りに行こう」と思い、そのまま不在票を紛失。宅配ボックスのBOX番号と暗証番号がわからなくなる、という失敗をよくします。

ネット通販は注文完了、発送、配送中など、こまめに似たようなタイトルのメールが来るため、タイトル検索では目当てのメールがすぐにみつからない場合も。そんなときはGeminiに頼んで、Gmailに送信されているはずのメールを探してもらいます。

通販で頼んだ荷物が届いている宅配ボックスと暗証番号を調べる

「タイトルなんだっけ」「届いたのいつだっけ」「配達完了メールは”新着”フォルダ? それとも”メイン”フォルダに来るんだっけ?」……これらをいちいち検索条件として指定し、メールボックスを探さなくても、曖昧な条件で望みの情報を一発で探してきてくれるのはAIならではの機能だと思います。

プレゼン資料を作成し、そこから想定されるQ&Aを事前に出してもらう

プレゼンテーションなどの資料を作成しているとき、客観的な姿勢を忘れると、説明不足や矛盾を見落としがちです。これを防ぐには、生成AIに「この資料を読んだ人から出るであろう質問」を出してもらうのがおすすめです。

それにより、説明が足りていない部分、予想される反論などが明らかになります。作成した資料が実際に人の目に触れる前に、「予想されるツッコミ」への対策ができるのです。

また、GPTsで「メカ上司」を作成し、企画書ができた段階で、事前にダメ出ししてもらい、その点をすべて潰した上で提出する……そんな使い方も、資料のクオリティアップに一役買います。

「敏腕コンサルタント」「校正」「エンジニア」「経理」といった、その企画書に仕事上関わるキャラクターを設定して、作成した資料を読み込ませ、そこに各々の立場から「客観的なダメ出し」をしてもらうのです。

はじめから資料を作り込みすぎず、6割程度完成した時点でAIにダメ出しをしてもらい、そこに留意しつつ仕上げていくと、仕事の品質を高められると同時に、自分の能力を磨くことができます。

ブレストの相手になってもらう

「アイデア出し」といえばブレスト(ブレインストーミング)を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、いつでも、必要なタイミングで、有意義なブレストができる環境にいる人は少ないのではないでしょうか。

なぜなら、「職場の人間関係」とブレストは、実はそれほど相性が良くないからです。ブレストのつもりがいつの間にか雑談になっていたり、「思ったことを本当に口にしていいのかわからない」と、遠慮を見せる人もいます。年齢や立場の差が大きいチームであるほど、「出てきたアイデアを否定・批判しない」「変わったアイデアを歓迎する」「質より量を優先」といったブレストのルールを守りにくいと感じる人も多いでしょう。

そんな中、何を言っても、何度質問しても嫌な顔をしない生成AIは、アイデア出しやブレストの相手としてうってつけ。「上司に批判されたら怖い」「部下が遠慮している気がする」……そんな”やりづらさ”を感じずにすみ、心理的安全性が担保された「ブレスト仲間」になってくれるのです。

とはいえ「◯◯というアイデアについてどう思う?」「△△できるようなアイデアを出して」といった目的がハッキリしない、いわゆる「開いた質問」にはAIは漠然とした答えを返します。

一方でざっくりと問題を提示して「この問題を解決するために乗り越えるべき課題は?」というような”課題となる点”をピンポイントで聞くようにすると、かなり具体的な答えをくれます。

「開いた質問」より「課題」を問うほうがAIに渡す情報量も少なくて済むため、情報漏洩を起こしにくくなるメリットも。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
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