なぜクリスマスになるとソワソワするのか
ハロウィーンの夜が明けて24時間も経たないうちに、街はカボチャのオレンジ色からキラキラ輝くホリデーシーズンの装飾に切り替わります。スーパーマーケットにはクリスマスケーキのポスターが貼り出され、お花屋さんはポインセチアの鉢や松ぼっくりとリンゴのリースを店の軒先に並べ、イギリスの老舗百貨店ジョン・ルイスのクリスマスCMが待ってましたとばかりに配信され(今年も素晴らしいですが、2022年版も忘れがたい名作です。涙が出る)、私の家にはぶ厚いジュエリーカタログがどっさり届きます。
すると、別に12月24日や25日が祝日になるわけでもないのに「クリスマスが……来る」と、いい歳した大人になった今でも浮き足立つわけです。街全体がアドベントカレンダーの役目を果たしているんでしょうね。
そんなクリスマスムードに流されまくった頭で私がソワソワと考えるのはディナーのこと。もちろん、いつも通りに過ごすのだってかまわないし、「若草物語」を見習って誰かへの親切を心がけるのも超大事。でも、24日か25日のどちらかは、私はどうしても外でごちそうを食べたいんです。そんな優しい気持ちと食いしん坊気分がせめぎあう夜に、いったい何を食べましょうか。
すると、別に12月24日や25日が祝日になるわけでもないのに「クリスマスが……来る」と、いい歳した大人になった今でも浮き足立つわけです。街全体がアドベントカレンダーの役目を果たしているんでしょうね。
そんなクリスマスムードに流されまくった頭で私がソワソワと考えるのはディナーのこと。もちろん、いつも通りに過ごすのだってかまわないし、「若草物語」を見習って誰かへの親切を心がけるのも超大事。でも、24日か25日のどちらかは、私はどうしても外でごちそうを食べたいんです。そんな優しい気持ちと食いしん坊気分がせめぎあう夜に、いったい何を食べましょうか。
クリスマスに中華料理をあえて選ぶワケ
私がここ数年のクリスマスディナーに選んでいるのは中華料理です。西洋料理もそりゃ大好きだけど、クリスマスには、同じことを同じタイミングで考える無数の人たちがいて、人気店は数カ月前から予約でいっぱいだったりします。
それに「クリスマスディナーに行きたいよ」と強く願ってはいるけれど、浮き足だった気分ではなくて落ち着いておだやかに食事を楽しみたい。だから12月24日と25日は、クリスマスど真ん中な洋食ではなく、それ以外のジャンルのおいしいお店に行ったほうが私は満足します。
そして和食はクリスマスの翌週に待つ大晦日とお正月で堪能する……となると、我がクリスマスディナーの第一候補に躍り出るのが中華料理というわけです。
さらに、中華料理にはこの時期ならではのごちそうが待っています。それが本稿の主役「上海蟹」です。もう、とびっきりおいしいんだから!
それに「クリスマスディナーに行きたいよ」と強く願ってはいるけれど、浮き足だった気分ではなくて落ち着いておだやかに食事を楽しみたい。だから12月24日と25日は、クリスマスど真ん中な洋食ではなく、それ以外のジャンルのおいしいお店に行ったほうが私は満足します。
そして和食はクリスマスの翌週に待つ大晦日とお正月で堪能する……となると、我がクリスマスディナーの第一候補に躍り出るのが中華料理というわけです。
さらに、中華料理にはこの時期ならではのごちそうが待っています。それが本稿の主役「上海蟹」です。もう、とびっきりおいしいんだから!
秋の風物詩・上海蟹
上海蟹(チュウゴクモクズガニ)は、上海や香港で愛されている秋の味覚の代表格。海と川の間である汽水域生まれの湖育ち、手のひらサイズくらいの丸っこい甲羅に濃厚な蟹味噌をぎっしり湛(たた)えた高級食材です。
ちなみに、日本の飲食店向けに現在流通している上海蟹の多くは中国から生きたまま輸入されているそうで、10月中旬あたりからレストランの季節限定メニューに加えるお店が多いです。その年によって入ってくる時期が少し前後しますが「少し寒くなってきたら上海蟹」と覚えておけば大丈夫。上海蟹のシーズン前半は産卵前の雌が特においしく、後半になると雄が旬を迎えます。
上海蟹のポピュラーな食べ方は、丸ごと蒸した「姿蒸し」。身の甘みや蟹味噌のコクをストレートに楽しめます。ただ、上海蟹に限らず「蒸した蟹」を食べるシーンを思い出してください。おしゃべりそっちのけで、黙々と蟹の身をほぐし続けていませんか? 私はいつも蟹と自分しかいない世界に没頭します。でも、せっかくの穏やかなクリスマスディナーなのですから、蟹との対話もさることながら、大切な人との会話や静かな夜を楽しみたい。
そんな魅惑たっぷりだが悩ましい上海蟹の姿蒸しを、食べやすく提供してくれるイチオシのお店を紹介します。クリスマスに限らず、秋から初冬にかけての特別な日のディナーにぴったりなんです。
ちなみに、日本の飲食店向けに現在流通している上海蟹の多くは中国から生きたまま輸入されているそうで、10月中旬あたりからレストランの季節限定メニューに加えるお店が多いです。その年によって入ってくる時期が少し前後しますが「少し寒くなってきたら上海蟹」と覚えておけば大丈夫。上海蟹のシーズン前半は産卵前の雌が特においしく、後半になると雄が旬を迎えます。
上海蟹のポピュラーな食べ方は、丸ごと蒸した「姿蒸し」。身の甘みや蟹味噌のコクをストレートに楽しめます。ただ、上海蟹に限らず「蒸した蟹」を食べるシーンを思い出してください。おしゃべりそっちのけで、黙々と蟹の身をほぐし続けていませんか? 私はいつも蟹と自分しかいない世界に没頭します。でも、せっかくの穏やかなクリスマスディナーなのですから、蟹との対話もさることながら、大切な人との会話や静かな夜を楽しみたい。
そんな魅惑たっぷりだが悩ましい上海蟹の姿蒸しを、食べやすく提供してくれるイチオシのお店を紹介します。クリスマスに限らず、秋から初冬にかけての特別な日のディナーにぴったりなんです。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori