生成AI時代、Web広告はなくなる?
Web広告は基本的に、PV(閲覧数)やクリック数に応じて収入が増える「PVモデル」です。ただ今後、生成AIが普及してメディアのPVが減少し、PVモデルは死んでいく可能性がある。
と考えると、Webに広告があるのは今だけかもしれません。今後Webは生成AIのデータベースっぽいものとなり、生成AIの回答が広告に汚染されていく可能性があります。そうなると、自社製品をいかに、AIにおすすめさせるかという時代になるのかも……。AIに「おすすめの○○」を聞いたら、実は広告だったり。AIによるステマですね。
Googleは「検索結果に広告を混ぜたら売れる」ということを発見しましたが、同様にAIの回答にも広告が混ざっていくんでしょうね。特定の商品の広告を出しているAIは、他社商品が載っている比較サイトに誘導しなくなるのかもしれません。
AIはユーザーに合わせて会話してくるから、心地よい感じで広告を提示してきそう。健康に関する悩みを相談していて、自然な流れで健康食品をすすめられたら「こんなに私のことわかってくれる人(AI)が言ってくれるなら、良いものなんだろうな」と思って買っちゃいそうです。
今のネットの広告は、どれだけうまくマッチングしてもクリック率は5%を超えないし、購入率までいくと最大0.5%ぐらいじゃないでしょうか。AIがマッチングすれば、クリック率が5割とか行く可能性もあるかもしれませんね。しかも、広告文言や写真などのクリエイティブも、ユーザーに合わせてAIが作ってくれる。やばいね……。
そこまでいくと、EUあたりから「AIと広告は分けなさい」という命令が来そうな気がします。AIが広告に汚染されるとよくない、って。
と考えると、Webに広告があるのは今だけかもしれません。今後Webは生成AIのデータベースっぽいものとなり、生成AIの回答が広告に汚染されていく可能性があります。そうなると、自社製品をいかに、AIにおすすめさせるかという時代になるのかも……。AIに「おすすめの○○」を聞いたら、実は広告だったり。AIによるステマですね。
Googleは「検索結果に広告を混ぜたら売れる」ということを発見しましたが、同様にAIの回答にも広告が混ざっていくんでしょうね。特定の商品の広告を出しているAIは、他社商品が載っている比較サイトに誘導しなくなるのかもしれません。
AIはユーザーに合わせて会話してくるから、心地よい感じで広告を提示してきそう。健康に関する悩みを相談していて、自然な流れで健康食品をすすめられたら「こんなに私のことわかってくれる人(AI)が言ってくれるなら、良いものなんだろうな」と思って買っちゃいそうです。
今のネットの広告は、どれだけうまくマッチングしてもクリック率は5%を超えないし、購入率までいくと最大0.5%ぐらいじゃないでしょうか。AIがマッチングすれば、クリック率が5割とか行く可能性もあるかもしれませんね。しかも、広告文言や写真などのクリエイティブも、ユーザーに合わせてAIが作ってくれる。やばいね……。
そこまでいくと、EUあたりから「AIと広告は分けなさい」という命令が来そうな気がします。AIが広告に汚染されるとよくない、って。
AIベースなら“不快な”広告は消えるかも
いま小学生の子どもたちが20歳ぐらいになる頃には、端末の初期画面がAIになるのではないでしょうか。コンピューティングのデフォルトのインターフェースがキーボードではなくなり、AIと対話しながら使うようになる。すると、AI同士がユーザーの可処分所得の奪い合いを始めるんじゃないかな。「おすすめの健康食品があります。予算が足りなければ、ここを節約したらどうですか」とか言い出しそう。
私は紙からPC、スマホへの移行をすべて見てきた世代ですが、この後の生成AIの波はこれまで以上に変化が大きそう。広告ビジネスも大きく変わるかもしれません。
例えば、ユーザーが子どもであるとAIが判断すれば、不適切な広告は絶対に出さない、というゾーニングも容易になるかもしれない。AIが各ユーザーに寄り添って広告を出すとすると「不快な広告」という概念がなくなるかもしれません。AIによる“広告商品のおすすめ”の良し悪しは別にして、広告の見た目的には平和な世界がくるかも知れませんね。
私は紙からPC、スマホへの移行をすべて見てきた世代ですが、この後の生成AIの波はこれまで以上に変化が大きそう。広告ビジネスも大きく変わるかもしれません。
例えば、ユーザーが子どもであるとAIが判断すれば、不適切な広告は絶対に出さない、というゾーニングも容易になるかもしれない。AIが各ユーザーに寄り添って広告を出すとすると「不快な広告」という概念がなくなるかもしれません。AIによる“広告商品のおすすめ”の良し悪しは別にして、広告の見た目的には平和な世界がくるかも知れませんね。

鷹木 創
編集主幹
2002年以来、編集記者や編集長などとしてメディアビジネスに携わる。インプレス、アイティメディアと転職し、2013年にEngadget日本版の編集長に就任。 その後スマートニュースに転職。国内トップクラスの機械学習を活用したアプリ開発会社においてビジネス開発として活躍。2021年からはフリーランスとして独立、IBM、Google などのオウンドメディアをサポートしている。