ソロキャン&徒歩キャンにも便利!コンパクトバーベキューコンロ3種を試してみた

齋藤 千歳

Specialsototanoアウトドアアウトドア・お出かけ使ってみた

3種のバーベキューグリル・ストーブを実際に使ってみた

燃やしているだけで楽しくなる「カマド スマート ストーブ <デルタ>」

「カマド スマート ストーブ <デルタ>」に着火剤を入れて、その上に薪を配置し、火をつける準備をしたところ。サイズはかなり小さめ

幅約170mm、奥行約150mm、高さ約145mmとかなりコンパクトな焚き火台である「カマド スマート ストーブ <デルタ>」。着火剤に火を付け、薪を燃やすと想像以上に簡単に燃えてくれました。

「カマド スマート ストーブ <デルタ>」の焚き火台が非常に低い位置にあるためか、地べたで直接焚き火をしているような気分が味わえ、小枝などを入れて燃やすと、とてもアウトドア感が盛り上がります。

施設などのルールに従っての範囲内ですが、拾った小枝や松ぼっくりなどを薪としてくべると、ちょっとした冒険をしているような気分になれました。この点も魅力的です。

調理については、シェラカップや小型のクッカーが乗せられる程度なので、お湯を沸かしてカップ麺を作ってみましたが、いつもよりもおいしく感じられます。

冒険感やアウトドア感を楽しむ、小さな焚き火ということなら、今回の3種類のなかでもいちばんおすすめといえます。

薪を多めに入れると、かなり火力は強くなります。小さな焚き火台なのですが、小枝などを入れて燃やしても楽しめます

気軽に焼肉を楽しむなら「モンテ V型卓上グリル B6型 (オールドイエロー)」

着火剤から薪、薪に火が回ったところで、その上に空気の入る隙間を作りながら、炭を配置しました。かなり簡単に火が回る構造です

「モンテ V型卓上グリル B6型」は、使用燃料に木炭とチャコールブリケットが指定されているので、焚き火台というよりは、バーベキューコンロといえるでしょう。実際には、着火剤から少量の薪、木炭といった手順で火を付けました。本体のV字に開いた部分から空気が入りやすいように、風の方向などを考慮すると、簡単に火が回ってくれます。

今回試した3つのなかで「モンテ V型卓上グリル B6型 」は、唯一卓上での使用が可能。写真ではほかの2つに合わせて地べたで使用していますが、ある程度の耐熱性があるテーブルなどの上でも使えるのが魅力です。

実際にジンギスカンを焼いてみたのですが、一度に焼くことのできる肉の枚数は、大きさにもよりますが数枚です。ガンガン焼肉を食べるというよりは、会話などを楽しみながら、ゆっくりと肉を焼くといったところでしょうか。

ソロにしろ、ふたりにしろ、テーブルの上などに置いて、ゆっくりとした時間と食事を楽しむなら「モンテ V型卓上グリル B6型 」が良いでしょう。

網のサイズが約163×108mmなので、ガンガン焼くというよりは、ゆっくりと楽しみながら、肉を焼くのに向いています

本格的に調理をするなら「カマド スマートグリル B5型(3段調節)」

着火剤から薪、さらに木炭という順番で火をつけました。「カマド スマートグリル B5型 (3段調節)」は薪、木炭、固形燃料に対応するので、燃料を選ばず便利です

同社の「カマド スマートグリル (3段調節)」には、「カマド スマートグリル B6型(3段調節)」というひとまわり小さなモデルもありますが、今回はより人気のあるB5型を試してみました。そのため、今回の3つのなかでもっとも重い約1.4kgですが、焼き網のサイズが約240×160mmと大きく、2人での焼肉に十分対応しますし、状況によっては片側でほかの調理も可能。かなり調理の幅が広がる印象です。

また、上段のゴトクや焼き網で調理を行っていても、下段の燃料(薪や木炭)にサイドからアクセスできるので、燃料の追加や火力の調整なども行いやすく、とても実用的です。

着火剤に火を付けたあとの火の回りも、炭受けの上に目皿のある構造で、燃料に下からも空気が入るためか、とてもよく火が回ります。今回紹介した3つのなかでは、もっとも本格的な調理に向いていると感じました。

上段の網で肉などを焼いていても、サイドから木炭といった燃料にアクセスできるので、火力の調整などに便利です

用途に合わせた構造を選んで使い分けよう

今回は、ソロもしくは2人程度までの少人数向けのバーベキューコンロ・ストーブ3種類を実際に使ってみました。正直な感想は「こんなに違うものなのだ」ということです。どれも単純に薪や木炭を燃やして、バーベキューや調理をする台といった印象だったのですが、構造が違うだけでかなり使い勝手や気分が変わります。

もっともシンプルな印象の「カマド スマート ストーブ <デルタ>」は、これで焚き火をするだけで、自転車での日本一周旅行といった冒険的妄想が広がり、何やら楽しくなってしまいます。また、少量の小枝や松ぼっくりといった燃料でも効率よく燃えてくれるので、非常用や災害時用としても使えそうです。調理の面ではシェラカップやメスティンなどが必須です。

「モンテ V型卓上グリル B6型 (オールドイエロー)」は、コンパクトで卓上でも使えるので、ゆっくりと会話などを楽しみながら食事をしたいときにぴったりな印象。組み立てや収納も簡単なので、気軽に使えるのがうれしいところ。焼き網も付属するので調理も簡単です。

これらに対してキャンプ場に1泊なり、2泊なりするといったシーンでは「カマド スマートグリル B5型 (3段調節)」が使いやすいと思います。やや大きく重いですし、組み立てなども若干面倒ですが、サイドから燃料にアクセスできるので調理時の利便性が高いのです。しかも、焚き火にも炭火での調理にも対応するので、ある程度腰を据えたキャンプにはぴったりだと感じました。メスティンなどの調理器具と組み合わせても安定して使えます。

筆者は、バーベキューコンロやストーブはサイズというか、何人向けというのが決まれば、あとはあまり違いはないと思っていたのですが、それぞれの違いは大きくシーンや気分に合わせて使いわけるのがおすすめです。小型のソロ向けキャンプ用品は価格も安いので、ぜひいくつかのタイプを試してみて目的毎のマイベストを探してみてはどうでしょうか。
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齋藤 千歳

フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。

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