2024年1月にOpenAIがリリースした「GPT Store」は、ユーザーが独自にカスタマイズしたGPTを作成、公開することができ、それらをほかのユーザーも自由に利用できる、有料版「ChatGPT Plus」ユーザー向けのサービスです。
ベースとなるAIチャットサービスの「ChatGPT」自体がもともとかなり便利なだけに、「カスタムされたGPTが使える」といわれても、さらにどんなメリットがあるのか、ピンとこない人もいるかもしれませんね。
カスタムGPTは、動作を指示する「Instructions」やデータを学習させる「Knowledge」などの機能を活用し、ユーザーそれぞれの「かゆい所に手が届く」機能を持ったGPTsを作成できる機能です。「あったらいいな」という機能に特化したものを作ったり、ChatGPTの「もう少しここが○○だったら」という部分を思い通りにカスタマイズしたりできるのは、想像以上に便利です。
本稿ではまず、自治体が配布する防災情報をまとめた冊子をもとにカスタムGPTを作る方法を解説。その後、ビジネスでも使えるカスタムGPTの例を紹介します。
ベースとなるAIチャットサービスの「ChatGPT」自体がもともとかなり便利なだけに、「カスタムされたGPTが使える」といわれても、さらにどんなメリットがあるのか、ピンとこない人もいるかもしれませんね。
カスタムGPTは、動作を指示する「Instructions」やデータを学習させる「Knowledge」などの機能を活用し、ユーザーそれぞれの「かゆい所に手が届く」機能を持ったGPTsを作成できる機能です。「あったらいいな」という機能に特化したものを作ったり、ChatGPTの「もう少しここが○○だったら」という部分を思い通りにカスタマイズしたりできるのは、想像以上に便利です。
本稿ではまず、自治体が配布する防災情報をまとめた冊子をもとにカスタムGPTを作る方法を解説。その後、ビジネスでも使えるカスタムGPTの例を紹介します。
カスタムGPTを作るには
「あったらいいな」の例として、防災に特化したGPTを作ってみましょう。
自前で防災に関する正確な情報を収集するのは大変ですが、日本では多くの地震や災害が発生するため、各自治体が防災に関する冊子などを発行していて、これがかなり充実した内容です。ただ、それをゆっくり読む余裕がない人も多いはず。これらの冊子を利用して事前に「防災用GPT」を作っておけば、いざというときに役に立つはずです。
今回は東京都で配布されている、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」でGPTを作ってみます。著作権上、GPT Storeに公開することはできませんが、個人で活用することは可能です。
ChatGPT画面を開いたら、画面左側の「探索する」から、「Create a GPT(GPTを作成する)」をクリックします。
自前で防災に関する正確な情報を収集するのは大変ですが、日本では多くの地震や災害が発生するため、各自治体が防災に関する冊子などを発行していて、これがかなり充実した内容です。ただ、それをゆっくり読む余裕がない人も多いはず。これらの冊子を利用して事前に「防災用GPT」を作っておけば、いざというときに役に立つはずです。
今回は東京都で配布されている、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」でGPTを作ってみます。著作権上、GPT Storeに公開することはできませんが、個人で活用することは可能です。
ChatGPT画面を開いたら、画面左側の「探索する」から、「Create a GPT(GPTを作成する)」をクリックします。
「Configure(設定)」タブをクリックし、これから作るGPTの名前と、どのような機能のGPTであるかを設定します。GPTのアイコンも設定できます。
続いて、「Instructions(インストラクション)」部分にプロンプト(命令文)を入力します。「防災に関する質問を入力されたら簡単な言葉で解答すること」「対象者は東京都に住む女性(住所や性別はご自身に合わせて指定してください)」といった具合に、やるべきことを指示します。
このプロセスは「Create(作成)」タブからチャット形式でも入力可能です。
ここまでの手順でも、それなりの挙動をするGPTが出来上がっているはず。しかし、今回作成したいのは「東京くらし防災」の内容に沿って回答を出力するチャットです。「Knowledge(知識)」をタブを利用して、「東京くらし防災」の内容をGPTが参照できるように設定しましょう。
KnowledgeにはPDFをはじめ、ExcelやCSV、テキストファイルなどをアップロードできます。
今回の例では、東京都防災ホームページから「東京くらし防災」のPDFをダウンロードします。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1005427/1005746.html
このPDFファイルを「Knowledge」タブからアップロードすることで、GPTがその内容を参照できるようになります。
なお、正確で意味のある回答を出力させるため、「東京くらし防災」のPDFは、章ごとに分割されたものを個別にアップロードしましょう。大容量のPDFを一括でKnowledgeに入れてしまうと、実際のデータの内容と異なる内容を出力してしまう「ハルシネーション」を起こしやすくなることがあるからです。
このプロセスは「Create(作成)」タブからチャット形式でも入力可能です。
ここまでの手順でも、それなりの挙動をするGPTが出来上がっているはず。しかし、今回作成したいのは「東京くらし防災」の内容に沿って回答を出力するチャットです。「Knowledge(知識)」をタブを利用して、「東京くらし防災」の内容をGPTが参照できるように設定しましょう。
KnowledgeにはPDFをはじめ、ExcelやCSV、テキストファイルなどをアップロードできます。
今回の例では、東京都防災ホームページから「東京くらし防災」のPDFをダウンロードします。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1005427/1005746.html
このPDFファイルを「Knowledge」タブからアップロードすることで、GPTがその内容を参照できるようになります。
なお、正確で意味のある回答を出力させるため、「東京くらし防災」のPDFは、章ごとに分割されたものを個別にアップロードしましょう。大容量のPDFを一括でKnowledgeに入れてしまうと、実際のデータの内容と異なる内容を出力してしまう「ハルシネーション」を起こしやすくなることがあるからです。
「Conversation starters(会話のきっかけ)」には、チャットを始めるきっかけとなる質問例を入れておきます。「防災」のような、普段の生活になじみの薄いことについて、聞くべきことをすらすらと思いつくユーザーばかりではありません。「東京くらし防災」の見出しを参考にするなど、「このチャットで知れること」が大まかにわかるようなものを設定しておくといいかもしれません。
PDFをKnowledgeにアップロードしたら、チャットが実際の内容に沿っているか確認してみましょう。
PDFをKnowledgeにアップロードしたら、チャットが実際の内容に沿っているか確認してみましょう。
災害時に備えて自分だけの資料として作成しておけば、スマートフォンから手軽に確認や質問ができるようになります。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019