いつのまにか「立体シール」が大流行しすぎていた
2026年1月上旬、都内のとある商業施設。お正月明けで人もまばらな館内なのに、1階エスカレーター脇に「立体シール購入希望の方はここに並ばないでください」といった注意書きが貼り出されていました。
商業施設でわざわざ「並ぶな」と禁止の張り紙を出すということは、おそらく行列さばきに相当苦労したのでしょう。
「さては文具売り場で、新春限定謹賀新年激レア3Dシール丙午モデルみたいな珍品が売られていたのかもな」とそのまま通り過ぎたものの、数週間後に同じ場所を通りかかると、やっぱり張り紙がある。しかも内容が「立体シールの取り扱いは停止しました」にチェンジ。さらにその翌週以降も「立体シールはない」と張り紙を出し続けているではないですか。
つまり、「立体シールどこにありますか?いつ入荷しますか?」と店頭で問い合わせる人が後を絶たず、いくら来てもらっても本当にありませんよ勘弁してくれ〜、ということのようです。先日ついにロフトでも「全店舗で取り扱いを停止した」とのアナウンスがありました。
そこでやっと「ボンボンドロップシール」をはじめとする立体シールをとりまく環境がただごとではないことが私にもわかりました。
なんでも全国の小学生女児の間でぷっくりとツヤのある立体シールがはやっているそう。ついでにオトナの女性にも人気で、いわれてみれば私もかつてAirPodsのケースにハンギョドンの立体シールを自分の目印として貼っていました。デコパーツのようでかわいいんです。
ただ、天下のロフトが取り扱いを停止&全国規模で品薄だなんて、みなさんどれだけシールを買っているんですか。そもそもそんな大量のシールをどこに貼ってるの? 持ち物がシールでビッチビチにならない?……全然わからなかったので、かつて私にイタリアンブレインロットが未就学児の間で大爆発している状況を教えてくれた学生時代の親友(3児の母)に昨今のシール事情を聞いてみることにしました。
商業施設でわざわざ「並ぶな」と禁止の張り紙を出すということは、おそらく行列さばきに相当苦労したのでしょう。
「さては文具売り場で、新春限定謹賀新年激レア3Dシール丙午モデルみたいな珍品が売られていたのかもな」とそのまま通り過ぎたものの、数週間後に同じ場所を通りかかると、やっぱり張り紙がある。しかも内容が「立体シールの取り扱いは停止しました」にチェンジ。さらにその翌週以降も「立体シールはない」と張り紙を出し続けているではないですか。
つまり、「立体シールどこにありますか?いつ入荷しますか?」と店頭で問い合わせる人が後を絶たず、いくら来てもらっても本当にありませんよ勘弁してくれ〜、ということのようです。先日ついにロフトでも「全店舗で取り扱いを停止した」とのアナウンスがありました。
そこでやっと「ボンボンドロップシール」をはじめとする立体シールをとりまく環境がただごとではないことが私にもわかりました。
なんでも全国の小学生女児の間でぷっくりとツヤのある立体シールがはやっているそう。ついでにオトナの女性にも人気で、いわれてみれば私もかつてAirPodsのケースにハンギョドンの立体シールを自分の目印として貼っていました。デコパーツのようでかわいいんです。
ただ、天下のロフトが取り扱いを停止&全国規模で品薄だなんて、みなさんどれだけシールを買っているんですか。そもそもそんな大量のシールをどこに貼ってるの? 持ち物がシールでビッチビチにならない?……全然わからなかったので、かつて私にイタリアンブレインロットが未就学児の間で大爆発している状況を教えてくれた学生時代の親友(3児の母)に昨今のシール事情を聞いてみることにしました。
ボンボンドロップシールは「貼って終わり」じゃない
保育園、小学校高学年、そして中学生の息子を都内で育てている親友は、「子どもが好きなものは、つべこべ言わず私も一緒に楽しむよ!」という非常にポジティブで楽しい人です。なので当然ボンボンドロップシールも知っており、なんなら自身のスマホに貼っているというので、見せてもらうことに。
立体シールで程よくデコられたスマホ。ケースの内側に大切に貼られていたのは、ヤクルトスワローズの長岡秀樹内野手とホセ・オスナ内野手のシール
シールのデザインは、キャラクターものや、抽象的なカタチもあるようです。よく見るとイタリアンブレインロットの謎キャラクター「バレリーナ・カプチーナ」がいますね。流行の2階建てのような立体シール!
彼女はイタリアンブレインロットが大好きな5歳の末っ子のために、この立体シールを買ってあげたといいます。それをクリスマスプレゼントの中に忍ばせたら子どもが大喜び! とはいえ「まだ『シール帳』は買ってあげてないんだよね。どうしようかなと思って」と何やら悩んでいる様子。
シール帳とは、シールを貼ったり剥がしたりできるバインダー式の台紙です。このシール帳を友だち同士で持ち寄って、シールを交換し合って遊びます。シールを集めたり、貼ったり、交換したりすることを「シル活(シール活動)」と呼びます。
5万円ほどするNintendo Switch 2を子どもが学校や公園に気軽に持ち出すことを許す親は少なそうですが、数百円から買える手帳なら、ちょっと安心かもしれません。
そしてシール交換は「1枚もらったから、1枚お返し」といったシンプルなものよりも、台帳を見せ合って「私の“ちいかわを1枚”あげるから、その“イチゴを3枚”くれない?」といった独自の「レート」を子どもたち同士で決めてやりとりするのが盛り上がるのだそう(私のお気に入りのパペットスンスンのレートが知りたい……)。
彼女はイタリアンブレインロットが大好きな5歳の末っ子のために、この立体シールを買ってあげたといいます。それをクリスマスプレゼントの中に忍ばせたら子どもが大喜び! とはいえ「まだ『シール帳』は買ってあげてないんだよね。どうしようかなと思って」と何やら悩んでいる様子。
シール帳とは、シールを貼ったり剥がしたりできるバインダー式の台紙です。このシール帳を友だち同士で持ち寄って、シールを交換し合って遊びます。シールを集めたり、貼ったり、交換したりすることを「シル活(シール活動)」と呼びます。
5万円ほどするNintendo Switch 2を子どもが学校や公園に気軽に持ち出すことを許す親は少なそうですが、数百円から買える手帳なら、ちょっと安心かもしれません。
そしてシール交換は「1枚もらったから、1枚お返し」といったシンプルなものよりも、台帳を見せ合って「私の“ちいかわを1枚”あげるから、その“イチゴを3枚”くれない?」といった独自の「レート」を子どもたち同士で決めてやりとりするのが盛り上がるのだそう(私のお気に入りのパペットスンスンのレートが知りたい……)。
シール帳=シール交換のゲートウェイ
つまり、親友が5歳の息子にシール帳を買ってあげるかどうかを迷っていたのは、シール交換に我が子を参加させるかどうかを迷っているからだったのです。
「シール帳を持つ」ことは「シール交換の土俵に上がる」こととほぼイコールであり、例えるなら私たちが株取引をするために証券口座を開設するようなものです。ならばシール台紙から剥がしてスマホやノートに貼ることは「利確」に等しいのかもしれませんし、昨今の狂騒ぶりは、実体経済からかけ離れた金融経済のバブルの匂いとも似ている気がします。
改めて、友人のスマホに貼られたぷっくりシールを見返してみます。なるほどカワイイ。これが交換ゲームの手札にもなるなら、そりゃ集めたくなるかも。ところが、シールをじっと見つめる私に、彼女は「でも“本物”は最近ほとんど手に入らないよ。そのイタリアンブレインロットのシールは“ニセモノ”だし」と言うじゃないですか。ニセモノって何!!
「シール帳を持つ」ことは「シール交換の土俵に上がる」こととほぼイコールであり、例えるなら私たちが株取引をするために証券口座を開設するようなものです。ならばシール台紙から剥がしてスマホやノートに貼ることは「利確」に等しいのかもしれませんし、昨今の狂騒ぶりは、実体経済からかけ離れた金融経済のバブルの匂いとも似ている気がします。
改めて、友人のスマホに貼られたぷっくりシールを見返してみます。なるほどカワイイ。これが交換ゲームの手札にもなるなら、そりゃ集めたくなるかも。ところが、シールをじっと見つめる私に、彼女は「でも“本物”は最近ほとんど手に入らないよ。そのイタリアンブレインロットのシールは“ニセモノ”だし」と言うじゃないですか。ニセモノって何!!

花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori















