タイアップ動画と広告の二次利用で「認知」を得る。そうしたYouTubeマーケティングの常識が変化を見せている。
2021年4月6日、GMO NIKKOが主催したウェビナー「トップクリエイターの起用で結果を出す次世代YouTubeマーケティングとは」では、人気YouTuberのヒカル氏を起用して約1週間で6億円の売上を上げた事例を通じて、よりダイナミックでインパクトのあるデジタルプロモーションの仕掛け方、「結果」を出すための次世代マーケティングがいかにあるべきかが語られた。
2021年4月6日、GMO NIKKOが主催したウェビナー「トップクリエイターの起用で結果を出す次世代YouTubeマーケティングとは」では、人気YouTuberのヒカル氏を起用して約1週間で6億円の売上を上げた事例を通じて、よりダイナミックでインパクトのあるデジタルプロモーションの仕掛け方、「結果」を出すための次世代マーケティングがいかにあるべきかが語られた。
動画広告市場は2023年には5000億円超まで拡大
ウェビナー最初のセッションでは、トップクリエイターを起用したプロモーション事業でGMO NIKKOとパートナーシップを結ぶ、サムライパートナーズ プロモーション事業本部長の青木康時氏がスピーカーとして登壇。「サムライパートーナーズが考える今、YouTubeで求められるコンテンツとは?」と題し、コンテンツを重視した最新のYouTubeマーケティングについて語られた。
現在、国内インターネット広告市場は拡大を続けており、2019年度には約2.1兆円に到達。それに伴い、動画広告市場も伸びており、2023年の市場規模は5000億円超と予測されるなど、無視できない存在になっている。
現在、国内インターネット広告市場は拡大を続けており、2019年度には約2.1兆円に到達。それに伴い、動画広告市場も伸びており、2023年の市場規模は5000億円超と予測されるなど、無視できない存在になっている。
右肩上がりの国内動画広告市場について説明するサムライパートナーズ プロモーション事業本部長の青木康時氏
また、青木氏によると広告への接触時間もテレビより、PC、さらにはスマートフォンによるものが増加している。だが、多くのマーケターは、ウェブマーケティングまでは積極的に対応しているものの、YouTubeはそれほど掘り下げて扱った経験がない状況にあるという。
しかし、コロナ禍における調査では、テレビの視聴者を無料動画の視聴者数が超えており、無料動画ユーザーのうちの95%がYouTubeを利用している。また、実際の商品を購入する前にGoogleで検索し、さらに追加情報としてYouTubeを見るという人は55%、YouTubeで見つけた商品を購入した経験を持つ人は40%に上る。YouTubeの影響はコンバージョンにも寄与するようになってきている。
青木氏はテレビが主要媒体だった「リーチ最大化時代」や掲示板など特定のコミュニティ内で情報が得られる「インターネット黎明期」と異なり、現在の「動画&SNS時代」では、消費者が能動的に特定のテーマを探すようになっていると指摘。じゅうたん爆撃ではなく、消費者の検索を待ち受けるような形でコンテンツを用意しておかなければ、全員が見てくれない時代が始まっていると語る。だからこそ、YouTube動画を作っていくことはプロモーションにおいて重要な要素になっているという。
しかし、コロナ禍における調査では、テレビの視聴者を無料動画の視聴者数が超えており、無料動画ユーザーのうちの95%がYouTubeを利用している。また、実際の商品を購入する前にGoogleで検索し、さらに追加情報としてYouTubeを見るという人は55%、YouTubeで見つけた商品を購入した経験を持つ人は40%に上る。YouTubeの影響はコンバージョンにも寄与するようになってきている。
青木氏はテレビが主要媒体だった「リーチ最大化時代」や掲示板など特定のコミュニティ内で情報が得られる「インターネット黎明期」と異なり、現在の「動画&SNS時代」では、消費者が能動的に特定のテーマを探すようになっていると指摘。じゅうたん爆撃ではなく、消費者の検索を待ち受けるような形でコンテンツを用意しておかなければ、全員が見てくれない時代が始まっていると語る。だからこそ、YouTube動画を作っていくことはプロモーションにおいて重要な要素になっているという。
エージェントという立場で動画のクリエイターと一緒にビジネスを作る
そのような状況の中で、サムライパートナーズはプロダクションではなくエージェントという立場で、動画クリエイターであるYouTuberと一緒にビジネスを作っていくというスタンスを示している。従来のYouTuberの収益構造には、アドセンスとタイアップの2つのパターンがあるが、サムライパートナーズはタイアップにフォーカスする。アドセンスには手をつけず、案件を持ってきてYouTuberとレベニューシェアするというわけだ。
例えば、テレビ業界の場合は、テレビ局があり、芸能事務所があり、タレントがいるという構造だが、YouTube業界では、クリエイターが自分で企画してチャンネルを運営できるため、従来のテレビ局の位置にYouTuberがいる。以前は芸能事務所に入っていないとタレントは仕事ができなかったが、現在は独立してもできる仕事は増えてきていると青木氏はいう。
例えば、テレビ業界の場合は、テレビ局があり、芸能事務所があり、タレントがいるという構造だが、YouTube業界では、クリエイターが自分で企画してチャンネルを運営できるため、従来のテレビ局の位置にYouTuberがいる。以前は芸能事務所に入っていないとタレントは仕事ができなかったが、現在は独立してもできる仕事は増えてきていると青木氏はいう。
テレビ業界とYouTube業界におけるタレントの位置の違い
「ですからクリエイターにとっては、広告主と一緒にビジネスを作ってYouTuberに提供できる、サムライパートナーズのようなエージェント型が非常に重宝されています。また、YouTuber自身もそういったエージェントと率先して組もうとしているような側面があり、私たちの元にも動画のクリエイターが大量に集まっているような状況です」(青木氏)
Jun Fukunaga
ライター・インタビュワー
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター・インタビュワー。最近はバーチャルライブ関連ネタ多め。DJと音楽制作も少々。