検索サービスやポータルサイトで飲食店などを検索して訪問してみると、臨時休業になっていたり、営業時間短縮で営業が終わっていたり……。コロナ禍となって以来、このような経験のある人は少なくないのではないでしょうか。
飲食店では休業要請に応じて休業や営業時間の短縮、酒類の販売を停止したりすることに加え、営業時には感染対策としてアクリル板の設置、テーブルや椅子などの消毒の徹底など、日々のオペレーションがコロナ前に比べてかなり増えています。
そんな日常の中で、Webサイトやポータルサイトなどに掲載している営業時間の変更や臨時休業などの情報を、頻繁に変更するのは至難の業です。とはいえ、飲食店などの店舗オーナーとしては、こうした状況に柔軟に対応していかないと、お客様のユーザー体験が下がってしまいます。
こうした状況で注目されるのが、「ローカルSEO(サーチエンジン最適化)」とも呼ばれる「MEO(マップエンジン最適化)」です。Googleマップなどでキーワード検索をすると、地図とともに表示される「Googleマイビジネス」の情報を最適化することでお店や施設などの情報をアピールし、集客につなげるというものです。
例えば「地域名+歯医者」や「地域名+インプラント」、「地域名+居酒屋」といった検索キーワードで検索した際、検索結果に表示される店舗の上位3位までに入ることが、来客・来院を促進する上で重要なポイントになってきます。
多店舗を経営するチェーンストアに向けた機能を相次いでリリース
GMOインターネットグループのGMO TECHは、2013年からMEOサービス「MEO Dash! byGMO」を提供しており、2020年12月には店舗オーナーがMEO対策における日々の効果・分析作業を一括で実施できる「MEO Dashboard」を標準搭載しました。
さらに2021年1月には複数店舗の情報を一括操作・編集できる「多店舗一括管理機能」、4月には複数店舗のGoogleインサイトデータを横断で比較できる「多店舗インサイトデータの比較機能」の提供を開始し、チェーンストアにおけるマーケティング施策で活用しやすくなりました。
多店舗インサイトデータの比較機能はリリースされたばかりですが、約100店舗を展開する企業がテスト運用を行ったところ、「施策5カ月で想定来店数が大幅にアップしました」(GMO TECH 執行役員の大澤健人氏)とのことです。
さらに2021年1月には複数店舗の情報を一括操作・編集できる「多店舗一括管理機能」、4月には複数店舗のGoogleインサイトデータを横断で比較できる「多店舗インサイトデータの比較機能」の提供を開始し、チェーンストアにおけるマーケティング施策で活用しやすくなりました。
多店舗インサイトデータの比較機能はリリースされたばかりですが、約100店舗を展開する企業がテスト運用を行ったところ、「施策5カ月で想定来店数が大幅にアップしました」(GMO TECH 執行役員の大澤健人氏)とのことです。
GMO TECH 執行役員 大澤健人氏
約100店舗を運営するチェーンストアでの運用事例
「クリニックや美容室など行かないと利用体験や施術してもらえないビジネスは、Googleマイビジネスによる集客数が、コロナ禍と関係なく伸びています。Googleマイビジネスにより、コロナ感染対策の状況や混雑具合などを見せるといった、情報の最適化により来客数が増えたことが、データとして現れています」(大澤氏)
特にコロナ禍において、MEO Dash!の売上高はかなり伸びていると言います。2021年第1四半期の売上高は前年同期比178%となっており、店舗や企業側からMEOの重要性が認知されていることがよく分かります。
特にコロナ禍において、MEO Dash!の売上高はかなり伸びていると言います。2021年第1四半期の売上高は前年同期比178%となっており、店舗や企業側からMEOの重要性が認知されていることがよく分かります。
2020年第2四半期は緊急事態宣言の影響で落ち込んだものの、1年を通じて大幅に売上増を実現
「新聞で特集されるなど、Googleマイビジネスは昨年秋頃からマスメディアでも大きく取り上げられるようになりました。店舗ビジネスオーナーが次にやるべき施策ということで、市場認知が進んだのも要因としてあると思います。
世の中がDX(デジタル・トランスフォーメーション)へシフトする中で、集客も今までの紙媒体からデジタルに変えなければならないという潜在的なニーズが世の中にありました。さらに新型コロナウイルス禍が発生したことで、営業時間やサービスの提供形態を頻繁に変えなければならないなど、ユーザーとのコミュニケーションコストも増えました。
そんな中で、ユーザーが目にしやすく使ってもらいやすいプラットフォームでありながら、ユーザーと正しいコミュニケーションを取れるプラットフォームとして、Googleマイビジネスが選択され始めているのだと個人的には捉えています」(大澤氏)
世の中がDX(デジタル・トランスフォーメーション)へシフトする中で、集客も今までの紙媒体からデジタルに変えなければならないという潜在的なニーズが世の中にありました。さらに新型コロナウイルス禍が発生したことで、営業時間やサービスの提供形態を頻繁に変えなければならないなど、ユーザーとのコミュニケーションコストも増えました。
そんな中で、ユーザーが目にしやすく使ってもらいやすいプラットフォームでありながら、ユーザーと正しいコミュニケーションを取れるプラットフォームとして、Googleマイビジネスが選択され始めているのだと個人的には捉えています」(大澤氏)
安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。