やんのか? こっちは猫だぞ?
ロボット達が暮らす世界で猫ムーブを真顔で繰り返し続けていくと、猫としての私は、なんだかものすごく満ち足りてきました。棚に飛び乗って箱をたたき落としたり。こうして、徹夜してゲームを進めるつもりが、毎度30分ほど遊んで大満足しては寝てばかり。
Strayは「野良猫のゲーム」ではありません。猫が不思議な都市をさまようゲームです。ですから、野良猫の生活を描写するならきっと避けて通れないはずの「飢え」や「ハンティング」は、今のところゲームに登場していません。だから余計に私はぬくぬくと遊んでいるのだと思います。
でも、猫は本来の家に帰りたい。やっぱり見知らぬ場所は落ち着かないんですよ。なので勇気を出して新天地にも向かっています。
Strayは「野良猫のゲーム」ではありません。猫が不思議な都市をさまようゲームです。ですから、野良猫の生活を描写するならきっと避けて通れないはずの「飢え」や「ハンティング」は、今のところゲームに登場していません。だから余計に私はぬくぬくと遊んでいるのだと思います。
でも、猫は本来の家に帰りたい。やっぱり見知らぬ場所は落ち着かないんですよ。なので勇気を出して新天地にも向かっています。
壁の曲面と大きな広告がパリの地下鉄みたい
怖い思いをいっぱいして、逃げて逃げてやっと新しい都市にたどり着いてはホッと一息つく日々。
実はロボットたちが暮らす都市と都市とをつなぐ場所が非常に危険なのです。「ちょっと! 猫になんてことするの⁉」と言いたくなるような目に遭っては、めちゃくちゃに怒ってる。
この怒りは自然な反応だろうなあと思います。たとえばこれがアクションゲームの名作『DEATH STRANDING』ならば「私はノーマン・リーダス(が演じる“サム”)だから、かっこよくがんばるよ……!」って、アクションゲームの主人公らしく腹をくくるんですよ。
Strayにおいて茶色い猫は、ノーマン・リーダス的存在なのです。あふれるリアリティで迫ってくるゲーム内のキャラクター。だから「こっちは猫なんですけど!」という気持ちでいろいろな危険と立ち向かうのは、ゲーマーとして正しいはず。
実はロボットたちが暮らす都市と都市とをつなぐ場所が非常に危険なのです。「ちょっと! 猫になんてことするの⁉」と言いたくなるような目に遭っては、めちゃくちゃに怒ってる。
この怒りは自然な反応だろうなあと思います。たとえばこれがアクションゲームの名作『DEATH STRANDING』ならば「私はノーマン・リーダス(が演じる“サム”)だから、かっこよくがんばるよ……!」って、アクションゲームの主人公らしく腹をくくるんですよ。
Strayにおいて茶色い猫は、ノーマン・リーダス的存在なのです。あふれるリアリティで迫ってくるゲーム内のキャラクター。だから「こっちは猫なんですけど!」という気持ちでいろいろな危険と立ち向かうのは、ゲーマーとして正しいはず。
怖かったよー! それにしても湿っぽい夜景が美しい
もはや私はすっかり猫のマインドなので、怖い思いなんてしたくない、じっとしていたい、できることなら72時間くらいソファで寝ていたい。だって誰からも怒られないし、追い出されないし、街はおもしろいし……。でもね、ロボット達から「おちびさん、すごいね!」なんて褒められると、小さな猫はまんざらでもない気持ちになって眠い目をこすりながら冒険を続けて、それでもやっぱり「ニャー(今日はここまで。また明日ね)」と寝てしまうのです。
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori