「永遠のC帯=ヘタクソ」で何が悪い
プレイヤーがいかにして主人公となり、その世界で生きていくか。これはゲームの良し悪しを左右する大切な要素だと思います。どんなジャンルでも「私は今ここで生きている!」と実感できたら、もう100点満点の大好きなゲームになるんです。そんなゲームの1つに最近、「スプラトゥーン3」が加わりました。
「スプラトゥーン」はNintendo Switch用のアクションシューティングゲームシリーズ。プレーヤーはヒトの姿でインクを塗ってまわって陣地を広げ、イカやタコの姿でインクに潜って、さらにインクを塗れるところへ移動していきます。最新作のスプラトゥーン3が9月9日に発売されてからというものの、私も夜な夜なプロコン(Nintendo Switch Proコントローラーのこと。長時間プレイするなら断然プロコンが楽ちんでおすすめ!)を握り、ヘアバンドでオデコ全開にして、真顔で遊んでいます。
「スプラトゥーン」はNintendo Switch用のアクションシューティングゲームシリーズ。プレーヤーはヒトの姿でインクを塗ってまわって陣地を広げ、イカやタコの姿でインクに潜って、さらにインクを塗れるところへ移動していきます。最新作のスプラトゥーン3が9月9日に発売されてからというものの、私も夜な夜なプロコン(Nintendo Switch Proコントローラーのこと。長時間プレイするなら断然プロコンが楽ちんでおすすめ!)を握り、ヘアバンドでオデコ全開にして、真顔で遊んでいます。
魚介類メインの世界で、私はタコの女の子になりました。「おさしみ」と名乗ってます
スプラトゥーン3にはいろいろな遊びが用意されています。私が主戦場としているのは「ナワバリバトル」というオンライン対戦です。8人のプレイヤーが4対4に分かれ、自分のチームカラーのインクを床にいっぱい塗ったほうが勝ち。制限時間は3分間。
タコあるいはイカであるわれわれは、自分のチームのインクに潜って隠れます
ただインクを床に塗るだけじゃなく、「ブキ」と呼ばれる銃やローラーで相手を倒すこともゲームで勝つためには必要。
残り10秒で敵のローラーに押しつぶされインクのシミとなる
で、私は敵を撃つよりも床を塗るのが好きなんですよ。目立たないようにコソコソ塗って、気が向いたら敵を撃って、とっとと安全な自陣のインクに逃げる。非常に臆病なタコです。そんな及び腰のプレイでスカッと勝てることもありますが、もちろん、豪快に負けることもあります。
3分間の激闘の末にボロ負け。こういう日もある
スプラトゥーンシリーズをバリバリやり込んでいる猛者たちは「バンカラマッチ」という、ナワバリバトルよりも少し過激なモードがお好きなようです。でも私はこれがとても苦手。なぜならバンカラマッチは塗ることが主役じゃなくて、対戦の要素が強いから。苦手なので、これっぽっちも上達しません。前作「スプラトゥーン2」の頃からずーっと最低レベルの「C帯」をウロチョロしてます。
バンカラマッチでの強さを示す「ウデマエ」は最低レベルの「C」のまま
「サーモンラン」と呼ばれるオンラインの協力プレイもありますが、私はこっちも苦手。襲ってくるシャケの怪獣が怖い!
つまり、スプラトゥーン3が誇るメインコンテンツのいくつかを私は徹底的に無視して遊んでいるのです。なのに後ろめたさゼロで「ここは私の世界だよーん」って思ってる。
本作の舞台「バンカラシティ」はカオスで美しい街
ヘタクソかつ臆病な上に、闘争心も向上心もあんまりない。だけど、スプラトゥーン3で生きる私はちっとも肩身が狭くない。もう毎日ゴキゲン。だって私が輝く場所だってたくさんあるから。
つまり、スプラトゥーン3は自己主張できるゲームだと思います。エイム(シューティングゲームでキチンとターゲットを撃つこと)がヘボでも、撃たれ弱くても、新機能の「ロッカー」や勝利時のポーズ「エモート」で、「これが自分だよ」と主張するチャンスがいっぱいあるのです。ロッカーもエモートもゲームで有利になるわけではないですし、ちょっとした機能かもしれませんが、しみじみ楽しい。
つまり、スプラトゥーン3は自己主張できるゲームだと思います。エイム(シューティングゲームでキチンとターゲットを撃つこと)がヘボでも、撃たれ弱くても、新機能の「ロッカー」や勝利時のポーズ「エモート」で、「これが自分だよ」と主張するチャンスがいっぱいあるのです。ロッカーもエモートもゲームで有利になるわけではないですし、ちょっとした機能かもしれませんが、しみじみ楽しい。
勝ったときのエモートや名札にも個性が光ります
ロッカーも自己主張の場。私の戦績はパッとしないがロッカーは派手だよ!
ほかのイカやタコたちのロッカーも巨大かつオシャレ
こうやって自己主張をしているうちに、勝っても負けても自分はこのゲームの一員なんだなと感じるようになりました。そう、私はバンカラシティで楽しく生きるタコ。あまりにここでの生活が愉快だったので、ちょっとバカンス先のタイにも連れて行きました。機内、海外、どこででも遊べるよ! そして予想外の場面で「ああやっぱり私はバンカラシティのタコなんだ」と思い知ることになります──。
飛行機の中で「陣取大戦ナワバトラー」にハマる
ずーっと飛行機に乗っていると、本を読んでも、機内食を食べても、映画を観ても、やがて退屈でムズムズしてきます。機内の有料Wi-FiでSNSを眺めるのも気が進まない。いっそ寝てしまえばいい? いや、今回は眠りたくなかったのです。タイと日本の時差はわずか2時間で、午前中のフライトだったので、万が一機内で寝ちゃうとタイに到着後の夜に眠れなくなるから。
ということで、スプラトゥーン3の「陣取大戦ナワバトラー(以下、ナワバトラー)」をやってみることに。これはボードゲームの「ブロックス」のような陣取りゲームで、オフラインでプレイ可能。
ということで、スプラトゥーン3の「陣取大戦ナワバトラー(以下、ナワバトラー)」をやってみることに。これはボードゲームの「ブロックス」のような陣取りゲームで、オフラインでプレイ可能。
いろんな形のピースを駆使してコンピューター相手に戦います
バンカラシティの路地裏にいる金魚のスタッフさんに話しかけるとナワバトラーで遊べます。
レベルが上がるといろんなコと遊べるように
フィールドや対戦相手の特性に合わせてデッキを組みます
普段はオンライン対戦でバチバチに遊んでいるけれど、さすがスプラトゥーン、オフラインのゲームも楽しい。バンカラシティの片隅でナワバトラーに興じているうちにタイへ到着。ナワバトラーは長時間フライトで最良の遊び相手だよ、ありがとうバンカラシティ!
ちなみに「ヒーローモード」という1人で遊べるオフラインのシューティングゲームもあります。こっちも楽しいよ! ただ、ヒーローモードはアクションゲームなので機内で遊ぶのは私はちょっとしんどかった。乗り物酔いしない人はヒーローモードもおすすめです。
ちなみに「ヒーローモード」という1人で遊べるオフラインのシューティングゲームもあります。こっちも楽しいよ! ただ、ヒーローモードはアクションゲームなので機内で遊ぶのは私はちょっとしんどかった。乗り物酔いしない人はヒーローモードもおすすめです。
夢中で遊んで時間がみるみる溶ける
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori