遅いWi-Fiにはつなげない──フリーWi-Fi自動接続アプリ「タウンWiFi」1000万DL突破のワケ

フリーWi-Fi自動接続アプリ「タウンWiFi byGMO(以下、タウンWiFi)」は、街中にある無料のWi-Fiスポットを検索し、自動でログインして接続できるアプリです。近くに対応スポットがあればWi-Fiに自動接続してくれるので、Wi-Fiにつながるかどうかを常に意識しなくても自然に通信量を節約することが可能になります。

2016年5月からサービスが始まったタウンWiFiは、2021年3月、ダウンロード数1000万件を突破しました。Wi-Fiスポットへの自動接続以外にも、さまざまな便利機能を備えているタウンWiFi。その特徴を詳しく見てみましょう。

自動接続だけじゃない、気が利く機能で“良いWi-Fi体験”

タウンWiFiが対応するWi-Fiスポットは、コンビニや飲食店、ショッピングモール、公共施設など、35万カ所以上。対応スポットの多さ、設定の簡単さがユーザーに支持され、サービススタートから4年を経て1000万ダウンロードを達成し、現在の月間利用者数は約400万人。国内では最大級のサービスとなっています。

フリーWi-Fiスポットに接続しようとすると、しばしばログインを求められることがあります。そんなときもタウンWiFiをインストールしておけば、大丈夫。面倒な認証はタウンWiFiが代わりに行ってくれます。メールアドレスなどの入力不要で、初回利用時のみタップするだけの簡単な設定で、Wi-Fiスポットに自動で接続できるようになります。次からはアプリを開く必要もありません。アプリは無料で利用することができます。

基本の使い方 iPhoneの場合

基本の使い方 Androidの場合

ほかにもタウンWiFiには、かゆいところに手が届く、細かな気配りが感じられる機能が搭載されています。

例えば、「遅いWi-Fiに接続しない」機能。自動接続するWi-Fiの最低速度をユーザーの好みで選ぶことができるので、「接続できるときにはいつでもフリーWi-Fiを利用したい」という人なら設定をオフに、「メールやLINEはスムーズに見たい」という人は比較的低速に、「動画がサクッと見られないならフリーWi-Fiでなくてもいい」という人なら高速での設定が可能です。一度設定しておけば、スポットの混雑などで通信速度が遅い時には、自動では接続しないようにできます。

また、通信キャリアが提供しているスポットなど、ユーザーが条件によって使えないWi-Fiスポットには自動で接続しないようにする「使えないWi-Fiに接続しない」機能や、通信傍受のリスクからユーザーを守る「VPN接続」といった機能も搭載。より良いWi-Fi体験をユーザーに提供すべく、接続スポットの増加やアシスト機能の拡充も図っているそうです。

意外にも中高年に人気? タウンWiFiはどんな人が使っているのか

タウンWiFiはどのようなユーザーに人気があるのでしょうか。タウンWiFiを提供するGMOタウンWiFi代表取締役社長の荻田剛大氏によれば、スタート当初は通信速度制限による、いわゆる「ギガ不足」に悩む若い年代のユーザーを中心に想定していたそうです。ただし、年々ユーザーの年齢層は上がっているとのこと。

年齢層の測定を開始した2017年当初は30〜40代が約半数を占めていたそうですが、2020年には40〜50代のユーザーが48.3%に増加。60代以上のユーザーも増えています。

タウンWiFiユーザー数、2017年から2020年の推移

利用する年代が広がった背景には、若年層だけでなく、あらゆる世代でスマホが普及し、データ通信量を節約しようという動きが活発になったことも要因として考えられるといいます。

「タウンWiFiの今のメインユーザーは50代です。地方在住で年収400万円、4人家族のようなモデルで考えると、『ahamo』『povo』『LINEMO』といった通信キャリアのサブブランドでは、月額1万2000円ほどかかります。これは手取り30万円弱の世帯には、なかなか厳しい金額です。普段は格安SIMを提供するMVNOのもっと安いプランでやりくりしておいて、フリーWi-Fiスポットがあれば勝手に切り替わる、いわばモバイル通信における“保険”のようなものとして、タウンWiFiが重宝されているのではないかと思います」(荻田氏)

2020年3月、キャリア各社が5G(第5世代移動通信システム)のサービスを開始し、モバイル通信の大容量化、高速化が進んでいます。しかし荻田氏は「金銭的な問題で大容量プランに移行できなければ、そうしたユーザーの通信のUX(ユーザー体験)は悪くなってしまう」と言います。

そしてタウンWiFiを提供する意義について、「お金があるかないかで、インフラへのアクセスや質が変わるのはおかしい。このサービスで通信のUXを担保したい」と語ります。
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ムコハタワカコ

編集・ライター
書店員からIT系出版社、ウェブ制作会社取締役、米系インターネットメディアを経て独立。現在は編集・執筆業。IT関連のプロダクト紹介や経営者インタビューを中心に執筆活動を行う。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)、組織づくりや採用活動などにも注目している。

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