2020年に起きた新型コロナウイルス感染拡大を受け、多くのミュージシャンはライブやライブ会場でのグッズ販売という主な収入源を、事実上絶たれることになった。別の収入源を探すことを余儀なくされることになった彼らの間で、注目が集まったのが「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」だ。
昨年以来、NFTを活用するミュージシャンが急増
NFTは現在、各分野で活用事例が増えており、最近では「メタバース」とともにバズワードとなっている最新テクノロジー。NFTとは、ブロックチェーン技術を活用してデジタルコンテンツなどデジタル資産の真正性(ほかにない本物であること)や保有者の情報を記録し、保有する権利を証明する仕組みである。またNFTでは、コンテンツクリエイターと保有者が二次流通以降の収益を得られるように設定することも可能だ。
音楽業界でも2021年2月、世界中の音楽フェスに出演してきたEDMスターの3LAU(ブラウ)が、アルバム『Ultraviolet』を33種類のNFTとしてオークションに出品。総計1170万ドル(約12億円)で落札されたことは記憶に新しい。
その成功以来、多くの有名アーティストがNFTで作品を発表するようになった。ほかにも、音楽NFTに特化した「Catalog」のようなNFTマーケットプレイスが新たにローンチされるなど、その可能性はここ1年で大きく拡大している。
GMOインターネットグループのGMOアダムが運営するNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」(以下Adam)では、2021年12月に日本を代表する音楽プロデューサーの小室哲哉氏が書き下ろしたGMOインターネットグループソング「Internet for Everyone」をNFT化。また同月、世界的ミュージシャンの坂本龍一氏の代表曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」の音源のNFTを販売し、NFTアートコレクターや音楽ファンの間で大きな注目を集めた。
Adamの音楽NFTカテゴリでは、小室氏、坂本氏のような有名ミュージシャンの作品以外に、東京・六本木のナイトクラブ・V2 TOKYOによるNFTコレクションなども販売されている。V2 TOKYOは現在、同クラブのレジデントDJとコラボしたオリジナル楽曲のNFTを販売しているが、今後はイベントの画像などもNFTとして提供していくという。
音楽業界でも2021年2月、世界中の音楽フェスに出演してきたEDMスターの3LAU(ブラウ)が、アルバム『Ultraviolet』を33種類のNFTとしてオークションに出品。総計1170万ドル(約12億円)で落札されたことは記憶に新しい。
その成功以来、多くの有名アーティストがNFTで作品を発表するようになった。ほかにも、音楽NFTに特化した「Catalog」のようなNFTマーケットプレイスが新たにローンチされるなど、その可能性はここ1年で大きく拡大している。
GMOインターネットグループのGMOアダムが運営するNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」(以下Adam)では、2021年12月に日本を代表する音楽プロデューサーの小室哲哉氏が書き下ろしたGMOインターネットグループソング「Internet for Everyone」をNFT化。また同月、世界的ミュージシャンの坂本龍一氏の代表曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」の音源のNFTを販売し、NFTアートコレクターや音楽ファンの間で大きな注目を集めた。
Adamの音楽NFTカテゴリでは、小室氏、坂本氏のような有名ミュージシャンの作品以外に、東京・六本木のナイトクラブ・V2 TOKYOによるNFTコレクションなども販売されている。V2 TOKYOは現在、同クラブのレジデントDJとコラボしたオリジナル楽曲のNFTを販売しているが、今後はイベントの画像などもNFTとして提供していくという。
原盤権販売やNFTキャラによるバンド結成など音楽NFTは多様化
ひとくちに「音楽NFT」と言っても、そのかたちはさまざまだ。例えば、先述の3LAUのように音源をNFT化して販売するケースもあれば、シンガーソングライターのVérité(ベリテ)のようにオーディオビジュアルNFTの原盤権を販売している例もある。
2022年2月にアメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」はイベントに入場できる生涯パスをNFTで提供。このNFTでは、イベントの象徴的な写真10枚のうち1枚を、NFTとして新たに発行・作成できる権利なども特典として用意されている。
また、NFTを活用した音楽業界の取り組みでは、ユニバーサルミュージックが人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」のキャラクターをメンバーとして結成したバーチャル音楽グループ「KINGSHIP」のような取り組みもある。
2022年2月にアメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」はイベントに入場できる生涯パスをNFTで提供。このNFTでは、イベントの象徴的な写真10枚のうち1枚を、NFTとして新たに発行・作成できる権利なども特典として用意されている。
また、NFTを活用した音楽業界の取り組みでは、ユニバーサルミュージックが人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」のキャラクターをメンバーとして結成したバーチャル音楽グループ「KINGSHIP」のような取り組みもある。
Jun Fukunaga
ライター・インタビュワー
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター・インタビュワー。最近はバーチャルライブ関連ネタ多め。DJと音楽制作も少々。