こんにちは。鷹木です。最近、Playdateというクランク付き携帯ゲーム機にハマっています。モノクロ液晶でクランクをぐるぐる回すシンプルなゲームが楽しめます(サーフィンゲームがたのしい!)。ちなみに2021年7月に予約したんですが、届いたのは2年後の2023年7月。だいぶ待たされました(苦笑)。
さて、今回の鵜の目「鷹木」の目は、MetaのSNS「Threads」を考えます。開始からわずか5日で1億ユーザーを超えるなど順調な滑り出しに見えますが、長く続く定番SNSになるでしょうか? 私は今のところ、難しいのではないかと考えています。その理由を考察していきます。
さて、今回の鵜の目「鷹木」の目は、MetaのSNS「Threads」を考えます。開始からわずか5日で1億ユーザーを超えるなど順調な滑り出しに見えますが、長く続く定番SNSになるでしょうか? 私は今のところ、難しいのではないかと考えています。その理由を考察していきます。
1億人がドカンと来た、初のSNS
これまでのSNSにも、mixi、Twitter、Facebook、Instagramなど、プラットフォームの栄枯盛衰がありました。これらは最初、友人限定などで小さく始まり、徐々に拡大していったものがほとんどです。
しかしThreadsはいきなりドカンと爆発し、1億ユーザーに達しました。Instagramのユーザーが同じアカウントで利用できるので、その土台があってこそだったんですが、ここまで急速に広がったSNSは初じゃないでしょうか。
SNSは一般的に、まず少人数の“濃い”人たちが好きなことだけをやり、仲間内で盛り上がって楽しい場になっていきます。その評判が広がってユーザー規模が大きくなるにつれ、“見るだけ”の人が増えていきます。2ちゃんねるのようなコミュニティも同様ですね。
“見る専”が増えると、最初からいた人は「投稿しても思ったような反応が返ってこない」と白けて抜けていく。そして、あとから来た大勢が残っていく……という流れです。
でもThreadsは、最初の徐々にユーザーが増える「点」のフェーズを吹っ飛ばして「面」を取りに来た。いきなり放り込まれたユーザーは何をしていいか分からないし、面白いことがあるかどうかも分からないけれど、人だけがいる状態。これでうまくいくでしょうか?
しかしThreadsはいきなりドカンと爆発し、1億ユーザーに達しました。Instagramのユーザーが同じアカウントで利用できるので、その土台があってこそだったんですが、ここまで急速に広がったSNSは初じゃないでしょうか。
SNSは一般的に、まず少人数の“濃い”人たちが好きなことだけをやり、仲間内で盛り上がって楽しい場になっていきます。その評判が広がってユーザー規模が大きくなるにつれ、“見るだけ”の人が増えていきます。2ちゃんねるのようなコミュニティも同様ですね。
“見る専”が増えると、最初からいた人は「投稿しても思ったような反応が返ってこない」と白けて抜けていく。そして、あとから来た大勢が残っていく……という流れです。
でもThreadsは、最初の徐々にユーザーが増える「点」のフェーズを吹っ飛ばして「面」を取りに来た。いきなり放り込まれたユーザーは何をしていいか分からないし、面白いことがあるかどうかも分からないけれど、人だけがいる状態。これでうまくいくでしょうか?
「少数の面白いユーザー」が作ったTwitter
実際、この記事公開直前でThreadsユーザー激減という話もありました。一説によると7割減ったとか。SNSは、人がいればいいというものではなくて、面白いことを言ってくれる人がいないと意味がない。最初は少人数で面白い人だけを集めるという旧来のコミュニティ戦略は、間違っていないんじゃないかと思います。
Twitterがブームになるまでの道のりを考えると、当初のユーザーは開発者が中心だったんですよね。プアな機能をユーザーが工夫して使い、その工夫が正式に機能化されていった歴史があります。例えば、引用RT機能は当初はなく、ユーザーが自ら「QT」(Quote Tweet)とテキストを打ち込んで、他人のツイートをコピペして引用RTしたりとか。今から考えると、初期は不便だったけど、不便さを楽しめる人達が集まっていた。
リアルなコミュニティでも、コンテンツを作って提供する「giver」が多くいないと成立しない面があります。口を開けて待っているだけの「taker」ばかりだと、コミュニティにいる意味がなくなり、人が離れてしまう。
Threadsユーザーの反応を見ていても、急拡大したのにサーバーが落ちないことなど、プラットフォームとしての堅牢さをほめている人が多い。Threadsに投稿される内容はあまり話題にならなくて、SNSとしてこれでいいのか?と疑問です。
一度Threadsに入ったユーザーも「結局Twitterのほうが面白いじゃん」って、戻っていくような気がします。二度と帰ってこない、アクティブではないユーザーが増えているのではないでしょうか。
ただThreadsには既に企業アカウントがたくさんあります。フォロワーを増やすのは、はやり始めているタイミングが一番楽ですからね。Twitterみたいに広まりきっちゃったところでフォロワーを増やすのはとても大変。
Twitter運用すらポリシーにがんじがらめの企業は、Threadsにアカウントを立てるだけでも大変そうですが。Twitterが失速して一番困るのは、Twitterを情報拡散のハブにしていた企業アカウントや個人の漫画家、作家さんかもしれませんね。
Twitterがブームになるまでの道のりを考えると、当初のユーザーは開発者が中心だったんですよね。プアな機能をユーザーが工夫して使い、その工夫が正式に機能化されていった歴史があります。例えば、引用RT機能は当初はなく、ユーザーが自ら「QT」(Quote Tweet)とテキストを打ち込んで、他人のツイートをコピペして引用RTしたりとか。今から考えると、初期は不便だったけど、不便さを楽しめる人達が集まっていた。
リアルなコミュニティでも、コンテンツを作って提供する「giver」が多くいないと成立しない面があります。口を開けて待っているだけの「taker」ばかりだと、コミュニティにいる意味がなくなり、人が離れてしまう。
Threadsユーザーの反応を見ていても、急拡大したのにサーバーが落ちないことなど、プラットフォームとしての堅牢さをほめている人が多い。Threadsに投稿される内容はあまり話題にならなくて、SNSとしてこれでいいのか?と疑問です。
一度Threadsに入ったユーザーも「結局Twitterのほうが面白いじゃん」って、戻っていくような気がします。二度と帰ってこない、アクティブではないユーザーが増えているのではないでしょうか。
ただThreadsには既に企業アカウントがたくさんあります。フォロワーを増やすのは、はやり始めているタイミングが一番楽ですからね。Twitterみたいに広まりきっちゃったところでフォロワーを増やすのはとても大変。
Twitter運用すらポリシーにがんじがらめの企業は、Threadsにアカウントを立てるだけでも大変そうですが。Twitterが失速して一番困るのは、Twitterを情報拡散のハブにしていた企業アカウントや個人の漫画家、作家さんかもしれませんね。
Threadsは休眠ユーザー激増か?
SNSでユーザーを初手から増やしすぎると、薄いコミュニティになってしまい、盛り上がらなかったり飽きたりしてアクティブがダダ下がりになり、起動されないアプリになってしまうのは、先ほど述べた通りです。
Threadsは最初に1億人も取っちゃったから、みんなが休眠アカウントになったら、1億人分取り返すのが大変になるでしょう。最初の段階が1000万とか3000万ユーザーで、あとから1億人入ってくるなら十分にカバーできるのですが。
一度休眠してしまったユーザーを再びアクティブにするには、プロモーションコストがかかります。ただ、1億ユーザー獲得まではプロモーションコストをかけていないとマーク・ザッカーバーグは言っていましたから、休眠掘り起こしに使える予算は余っているかもしれませんね。
新しいSNSといえば、Twitterを創業したジャック・ドーシーが始めた「BlueSky」は、クローズドなスモールスタートで、小さなコミュニティの雰囲気を保っているようです。招待コードがないと入れず、急拡大しないので、ある程度の秩序が守られている印象ですね。
Threadsは最初に1億人も取っちゃったから、みんなが休眠アカウントになったら、1億人分取り返すのが大変になるでしょう。最初の段階が1000万とか3000万ユーザーで、あとから1億人入ってくるなら十分にカバーできるのですが。
一度休眠してしまったユーザーを再びアクティブにするには、プロモーションコストがかかります。ただ、1億ユーザー獲得まではプロモーションコストをかけていないとマーク・ザッカーバーグは言っていましたから、休眠掘り起こしに使える予算は余っているかもしれませんね。
新しいSNSといえば、Twitterを創業したジャック・ドーシーが始めた「BlueSky」は、クローズドなスモールスタートで、小さなコミュニティの雰囲気を保っているようです。招待コードがないと入れず、急拡大しないので、ある程度の秩序が守られている印象ですね。
鷹木 創
編集主幹
2002年以来、編集記者や編集長などとしてメディアビジネスに携わる。インプレス、アイティメディアと転職し、2013年にEngadget日本版の編集長に就任。 その後スマートニュースに転職。国内トップクラスの機械学習を活用したアプリ開発会社においてビジネス開発として活躍。2021年からはフリーランスとして独立、IBM、Google などのオウンドメディアをサポートしている。