生成AIは若手社員の味方！日々の業務に活用しよう

2024.10.9

社会人になって日が浅いうちは、業務に振り回されてしまいがち。仕事量が多いせいではなく、「敬語の使い方はこれで合っている？」「議事録作成にすごく時間がかかってしまう」など、わからないこと、要領よくできないことに悩んでいるうちに時間がすぎてしまう人も多いのでは？

生成AIは、そんな若手社員の強い味方。生成AIを上手に使うことで、資料作成や議事録作成にかかる時間を大幅に短縮し、業務効率をアップすることができます。空いた時間でスキルアップや新しいことにチャレンジすることも可能に。業務の幅を広げ、キャリアアップを加速させる「生成AIの活用方法」をみていきましょう。

文書作成、添削で社会人の基礎力アップ

社会人になって「想像以上に文章を読み書きする機会が多い」と感じた人もいるのではないでしょうか。

文章を読む・書く力は社会人の基礎力と言っても過言ではありません。しかし、読み書きの習慣のなかった人や、ビジネス特有の言い回しや文体を難しく感じる人も多いでしょう。

そして、そんな悩みは、社会人経験が長くなってくると忘れてしまうものでもあります。上司や先輩は「議事録を作っておいてね」と軽く言うけれど、具体的にどうすればいいかわからない……なんてこともありえます。

さて、生成AIは、報告書、議事録といったビジネス文書のテンプレート作成が得意です。

単に「議事録のテンプレートを作成して」と指示するだけでもこの通り

「議事録のテンプレートを作成して」と依頼すれば、瞬時に出力してくれます。

このままでもいいけれど、コピペして穴埋めすればいいだけになっていると、もっとうれしいですよね。そんなときはそのまま続けて、こんなふうに頼んでみましょう。

コピペで使えるように依頼すれば、ここまで出力してくれる

膨大な量のテキストデータを学習した生成AIに作ってもらうテンプレートは、「無難に使える」だけでなく、「”議事録”とは、どんな項目が書かれていれば記録の役割を果たすのか」という点を押さえています。ですから、会議に不慣れな若手社員がヌケモレのない議事録を作るためのチェックリストにもなるのです。

また、メールや社内文書などの文章校正、添削も生成AIの得意分野です。謝罪やお断りといった言いづらい内容のメールは、社会人歴が長くなっても文面に悩んでしまうもの。若手にとってはなおさら、気の重い作業になるはずです。

生成AIに失礼のない文章で作成してもらったり、敬語の使い方、言い回しを確認してもらうのもいいでしょう。

そして謝罪やお断りというのは、相手との関係性や事実関係によっても適切な文章のトーンが変わってくるものです。生成AIに代筆をお願いするときは、「どんな相手に、どんな経緯でお詫び（またはお断り）しなくてはならないのか」を、きちんと知らせておくのが、好感度の高いメールを作成するポイントです。

例えば、大事なお取引先との打ち合わせに遅刻してしまった！そんなときはお詫びのメールをすぐに送る必要があります。まずはお取引先へのメールの文面をAIに考えてもらいましょう。

相手やシチュエーションを具体的に指定するとよい

さらに、このような失敗は自分の上司にもきちんと情報共有しておく必要があります。続けて、上司に向けて経緯を説明し、お詫びするメールを考えてもらいましょう。

流れで上司向けの謝罪も考えてもらう

遅刻したことに動揺して、最低限の説明しかできなくても大丈夫。AIが謝罪のポイントを押さえたメールの案を出してくれます。必要に応じて「何分遅れたか」「先方はどのような反応だったか」などを書き添えてもいいですね。

「謝罪メールは自分で書かないと誠意がないのでは？」と思うかもしれません。しかし、そこにこだわり時間をかけるうちに、先方が怒り出してしまったり、リカバーできることもできなくなったりするかもしれません。

まずはAIの手を借りてスピーディな対応を、そして仕事に慣れていく中で、状況にふさわしいメールを書けるようになっていきましょう。

情報整理で知識不足を補い効率アップ

仕事に関しては、「ウェブ検索すれば、何でもスッキリ理解できる」とは限らないと思いませんか？そんなときも生成AIの出番です。

社会人になったばかりの人が陥りがちな「わからない」「どこが要点なのかピンとこない」と”悩む”時間を減らして、効率よく”考える”ための手助けをしてくれます。

特に、分からない用語や専門知識について小学生でもわかるように説明してもらったり、関連情報を収集して要約、比較をしてもらうのがおすすめの使い方です。

決算書の見方を小学生にも分かるように説明してもらう

また、仕事に関する知識が足りないうちは、資料を読んでも要点がつかみにくく、スッと理解できないことも。

そんなときは生成AIに長い資料を要約してもらい、資料の全体像、概要を理解したうえで自分なりに深堀りしていくほうが、知識が頭に入りやすくなります。

同じく、知識が足りないとイマイチはかどらないものに、「アイデア出し」があります。知識が足りないことで、さまざまな切り口でものごとを考えにくいだけでなく、その自覚から「ブレインストーミング」に苦手意識を持っている人も多いのではないかと思います。

「思いついたアイデアを全部出す」のがブレインストーミングのルールだとはわかっていても、「こんなアイデアでいいのだろうか」「上司や先輩に笑われないだろうか」と気後れしてしまうこともありますよね。そういうときも生成AIに手伝ってもらいましょう。

アイデア出しの前に「知りたい」と思うことをそのまま聞いてみる

こんなふうに「知りたい」と思うことをそのまま質問してみるだけでも、生成AIはかなり具体的な回答をくれます。ウェブ上で「30代女性美容関心」などと検索するより、自分の求めるものに近い回答が素早く返ってきます。

この回答を起点に自分の中にアイデアが浮かんでくることもありますし、それぞれの項目について掘り下げていけば、関連する知識を得ることもできます。いずれにしてもいい壁打ちになるでしょう。

生成AIはどんなことを何度質問しても「まだわからない？」「またその質問？」なんて嫌な顔をすることはありません。「こんなこと何度も上司や先輩に確認するのは恥ずかしい」といった遠慮がいらないのもうれしいですね。

ルーティンワークを効率的に

社会人と切っても切れないのが定型業務、いわゆる「ルーティンワーク」です。慣れていれば疲れている日や頭が働かない日でもミスせずにできる仕事ではあるものの、それは「一度理解すれば特に学ぶものがなく、時間と手間がかかるだけ」ということも意味します。若手社員として仕事の仕組みを理解することも大切ですが、時間と手間をかけることだけが正しいわけではありません。

これを読んでいる方にも「自動化できるとうれしいのに……」と思っている作業があるのでは？

そんなルーティンワークを生成AIに手伝ってもらうとしたら、どんなパターンがあるでしょう？

例えば「スキャンした請求書からOCRでデータを読み取り、必要な情報を自動で会計ソフトに入力」「アンケート結果をCSVファイルで読み込み、生成AIが自動で集計・分析し、グラフ化」といった具合に、データ入力や集計のような単純作業の処理にかかる時間は、ぐっと短縮できるはず。

また顧客への定期連絡メールが必要なら、「顧客情報と過去のメール履歴をもとに、パーソナライズされた文面を作成してもらう」のもありです。

AIに作成してもらったメールの文面を自分がチェックしたのち、さらにそれをAIに外国語に翻訳してもらうのもいいですね。

営業資料として、生成AIに「商品情報と顧客情報をもとに、提案書やプレゼンテーション資料の大まかな構成を作らせる」のもありです。

「提案書をイチから作る」と考えると大変そうに思えますが、資料の骨子ができている状態なら、あとは細かな肉付けをしていけばいいのです。自分の作業時間がゼロになるわけではないけれど、完成までの道のりはぐっと近づいて見えるはず。心の負担も軽くなるでしょう。

業務内容に合わせて、適切な活用方法を見つけましょう。

著作権・セキュリティには注意！AIと二人三脚で社会人力もアゲていこう

もしかしたら「始めたばかりの仕事で生成AIを使うなんて手抜きなのでは？」と思っている人もいるかも知れません。しかし、生成AIは良くも悪くも、「一度の指示で完璧に仕事を仕上げてくれる」存在ではありません。

まずは「AIの出力結果を鵜呑みにせず、最終判断は自分でする」「生成した画像やテキストが他者の著作権を侵害していないか確認する」「個人情報・機密情報の入力は避ける」といったことには留意しつつ、いろいろ試してみましょう。

一度で望む結果は得られないにしても、「依頼のしかたを変える」「自分が考えるべきこと、AIが自動でできることを切り分けて考える」といった試行錯誤を重ねることで、自分なりの上手な生成AIの使い方を見つけることはできるはず。

先ほども書きましたが、「何を何回質問しても、面倒くさいことをお願いしても、嫌な顔をしない」のがAIです。まずは、自身の業務で活用できそうな場面を見つけ、そこに生成AIを取り入れるのです。

そうしていくうちに、「仕事の切り分けスキル」「お願いスキル」といった社会人力も自然に身についていくはずです。

「生成AIは、自分と二人三脚で頑張ってくれるもの」……そう考えて、日々の業務を自身の成長につなげていきましょう。