また、全国統一小学生テストのほうも、小4の6月に行われるテストで上位30名の成績優秀者になると、「アメリカIvyLeague視察団」として夏に10日間のアメリカ研修旅行に招待されます。ハーバード大学などの名門校やMITなどのトップ大学、国連本部などをめぐり、講義を受けるプログラムで、あまりにすばらしい体験ができるので、この選抜の合格に焦点を当てて学習を組み立てる家庭もあるそうです。コロナ禍で数年間実施されずにいましたが、再開されていますので、ぜひトライしてもらいたいです。
──文化祭や説明会は何年生ぐらいで行きましたか?
西村:正直、土日に時間が取れるのは小4までなので、気になる学校の文化祭や説明会には、4年生までにできるだけ多く行っておくのがおすすめです。秋の土日は志望校同士で文化祭の日程が被ることも少なくありません。すべての志望校を1年で回るのは無理なので、2〜3年かかると思ってスケジュールを立てることをお勧めします。
我が家の場合、4年生までの時期はコロナ禍が収まっていなかったので文化祭の入場規制が厳しく、ほとんどの学校が導入している予約システムの「ミライコンパス」にひたすらアクセスしていました。コロナ禍がおさまった今も、説明会などにはミライコンパスからの申し込みが必要で、このチケット争奪戦を何度も勝ち抜く必要があります。
ミライコンパスは各学校ごとに専用ページが用意されており、各学校のホームページの入試概要ページにリンクされています。飛んだ先のミライコンパスのURLをまずは保存しておきましょう。このページに更新チェックツールを設定しておくと安心です。私の場合は、Chromeの無料の拡張機能「Distill Web Monitor」を使ってチェックしていました。
──文化祭や説明会は何年生ぐらいで行きましたか?
西村:正直、土日に時間が取れるのは小4までなので、気になる学校の文化祭や説明会には、4年生までにできるだけ多く行っておくのがおすすめです。秋の土日は志望校同士で文化祭の日程が被ることも少なくありません。すべての志望校を1年で回るのは無理なので、2〜3年かかると思ってスケジュールを立てることをお勧めします。
我が家の場合、4年生までの時期はコロナ禍が収まっていなかったので文化祭の入場規制が厳しく、ほとんどの学校が導入している予約システムの「ミライコンパス」にひたすらアクセスしていました。コロナ禍がおさまった今も、説明会などにはミライコンパスからの申し込みが必要で、このチケット争奪戦を何度も勝ち抜く必要があります。
ミライコンパスは各学校ごとに専用ページが用意されており、各学校のホームページの入試概要ページにリンクされています。飛んだ先のミライコンパスのURLをまずは保存しておきましょう。このページに更新チェックツールを設定しておくと安心です。私の場合は、Chromeの無料の拡張機能「Distill Web Monitor」を使ってチェックしていました。
Chromeの無料の拡張機能「Distill Web Monitor」を使ってミライコンパスの更新をチェックしていました。Googleアラートなどどんな更新ツールでも良いので、設定しておくと便利です
また、ミライコンパスに参加している学校の情報発信サイト「ココカラテラス」からも各学校のリンクに飛ぶことができるので、そちらからたどることも可能です。この予約システムは慣れるまでとにかく大変なので、保護者が早めに慣れておくことをお勧めします。ちなみに満席でも直前にキャンセルが出るので、それをリアルタイムで拾うチャンスもあります。保護者がキャンセルする時間帯は平日お昼休みの12〜1時半ぐらいまでと、夜中12時ぐらいが多いようで、よくその時間帯にキャンセルを拾っていました。
我が家の後悔としては、当初あこがれの学校ばかり回ったために、最終的に受験した押さえの学校まで回るのに6年生までかかってしまい、いくつか講座をパスし、受講料を無駄にしたことです。もっと早めに、受験する可能性が少しでもある学校はすべて回っておくべきだったと後悔しています。
──塾での勉強のピークは、やはり小学5、6年生でしょうか?
西村:3年生の2月からが受験のスタートで、どの塾も小4、5の2年間で受験の範囲を学習し終えます。ですから通塾が小5からだとやや厳しく、やはり小4からの通塾が必要だと思います。小4、5の2年間は、週1回の小テスト、月1回のテスト、年数回の全国テストというサイクルで過ぎていきます。
6年生ではこのサイクルががらっと変わり、1年間かけて学習し終えた内容を一気に総復習します。春、夏、冬の講習会はもちろん、土日は学校別の講習会で埋まります。個別指導を併用する場合も小6の1年間が多く、我が家も小6の1年間は個別指導を受けました。親は、お弁当作りと送迎に徹する日々です。
子どもは休みがほぼない1年を過ごし、特に夏休みは300時間勉強します。我が家も朝早くに塾の自習室に行き、講習を受けて夜遅くに帰ってくる毎日で、ほとんど家にいませんでした。
そして秋からは、志望校の過去問に本格的に取り組む時期になります。この過去問がなかなか難しく、最初はほとんど合格点が取れませんでしたが、それでも淡々と解き続けました。親は志望校の過去問をコピーするよう塾から指示されるため、コンビニやキンコーズなどにこもる人も多いです。この作業はあまりに大変なので、複合機を自宅にレンタルするのも定番となっています。サブスクリプション型の専用印刷サービスもいくつかあります。
我が家の場合は、過去問題集を分解してスキャナーで読み込む、いわゆる「自炊」でデジタル化し、プリンターで印刷するという方法で過去問のコピーを用意しました。
──受験の直前の冬はどのように過ごされましたか?
西村:塾で設定された講習会にそのままフルで通いました。大晦日もお正月もなく、毎日講習会に通う冬休みを過ごし、そこから先は埼玉受験、千葉受験、東京受験とバタバタと過ぎました。親も出願手続きなど失敗できない作業で緊張が続きます。
家庭によっては小学校を休み、自宅や塾にこもる場合もあるようです。正直、親はその方が安心できるのですが、我が子はそうしてくれず、受験当日以外は休まず学校に通っていました。周りの結果を見てもいろいろなパターンがあり、どちらが良いとはいえません。
東京受験の2月1日からの数日間は、既に出た合否結果によって受ける学校が変化するほど劇的な日々になります。繰り上げ合格もあるため、この日々は2月中旬まで続くこともあります。
怒濤のような日々ですが、受験終了後もすぐに卒業式や入学式など親のサポートが必要な作業が続くので親はなかなか落ち着かず、意図的に気持ちを切り替える必要がありました。
──受験が終わってからも、入学後の授業準備で大変と聞きますが?
西村:入学前は、ずばり英語の準備が大変です。英語は、4年生からは取り組む時間がなくなるので、集中的にやるなら3年生までが勝負です。最近は、中学受験の際に帰国子女枠以外でも受験科目に英語がある学校が増えています。希望校の教科に英語があるなら、加点対象になる可能性がある英検3級を目指すのが目安のようです。我が家はほとんど英語に取り組めず、中学受験が終わってから入学後の今もひたすら英語を学ぶ日々を送っています。
ちなみに帰国子女ではないのに非常に英語学習が進んでいる生徒は「隠れ帰国子女」といわれ、中学校に入ってからの英語学習が非常に楽ですが、一般生徒も猛スピードで追いついてくるので気は抜けないようです。
──なるほど、では最後にこれから小学生最後の冬を迎えるお子さんの親御さんにメッセージをお願いします。
西村:中学受験のまっただ中にいる家庭は、すべてが受験生を中心に回り、保護者も本当に疲弊していると思います。我が家では、特に6年生に入ってから、小学生にこんなに長時間勉強をさせていいのか、無理をさせているんじゃないかと罪悪感も感じていました。
ただ最近、子どもがふと「中学受験って新しいことがたくさん覚えられて楽しかった。もう1回やり直してもいいかも」と言い、衝撃を受けました。「勉強することが楽しい」と思う経験ができたなら、結果にかかわらずやって良かったと思います。
中学受験は、子どもにも親にも強いプレッシャーのかかる経験ではありますが、得られるものも大きいと思います。ぜひいろいろな先輩保護者の失敗談も情報のひとつとして使いつつ、無事に完走されることを祈っています。
我が家の後悔としては、当初あこがれの学校ばかり回ったために、最終的に受験した押さえの学校まで回るのに6年生までかかってしまい、いくつか講座をパスし、受講料を無駄にしたことです。もっと早めに、受験する可能性が少しでもある学校はすべて回っておくべきだったと後悔しています。
──塾での勉強のピークは、やはり小学5、6年生でしょうか?
西村:3年生の2月からが受験のスタートで、どの塾も小4、5の2年間で受験の範囲を学習し終えます。ですから通塾が小5からだとやや厳しく、やはり小4からの通塾が必要だと思います。小4、5の2年間は、週1回の小テスト、月1回のテスト、年数回の全国テストというサイクルで過ぎていきます。
6年生ではこのサイクルががらっと変わり、1年間かけて学習し終えた内容を一気に総復習します。春、夏、冬の講習会はもちろん、土日は学校別の講習会で埋まります。個別指導を併用する場合も小6の1年間が多く、我が家も小6の1年間は個別指導を受けました。親は、お弁当作りと送迎に徹する日々です。
子どもは休みがほぼない1年を過ごし、特に夏休みは300時間勉強します。我が家も朝早くに塾の自習室に行き、講習を受けて夜遅くに帰ってくる毎日で、ほとんど家にいませんでした。
そして秋からは、志望校の過去問に本格的に取り組む時期になります。この過去問がなかなか難しく、最初はほとんど合格点が取れませんでしたが、それでも淡々と解き続けました。親は志望校の過去問をコピーするよう塾から指示されるため、コンビニやキンコーズなどにこもる人も多いです。この作業はあまりに大変なので、複合機を自宅にレンタルするのも定番となっています。サブスクリプション型の専用印刷サービスもいくつかあります。
我が家の場合は、過去問題集を分解してスキャナーで読み込む、いわゆる「自炊」でデジタル化し、プリンターで印刷するという方法で過去問のコピーを用意しました。
──受験の直前の冬はどのように過ごされましたか?
西村:塾で設定された講習会にそのままフルで通いました。大晦日もお正月もなく、毎日講習会に通う冬休みを過ごし、そこから先は埼玉受験、千葉受験、東京受験とバタバタと過ぎました。親も出願手続きなど失敗できない作業で緊張が続きます。
家庭によっては小学校を休み、自宅や塾にこもる場合もあるようです。正直、親はその方が安心できるのですが、我が子はそうしてくれず、受験当日以外は休まず学校に通っていました。周りの結果を見てもいろいろなパターンがあり、どちらが良いとはいえません。
東京受験の2月1日からの数日間は、既に出た合否結果によって受ける学校が変化するほど劇的な日々になります。繰り上げ合格もあるため、この日々は2月中旬まで続くこともあります。
怒濤のような日々ですが、受験終了後もすぐに卒業式や入学式など親のサポートが必要な作業が続くので親はなかなか落ち着かず、意図的に気持ちを切り替える必要がありました。
──受験が終わってからも、入学後の授業準備で大変と聞きますが?
西村:入学前は、ずばり英語の準備が大変です。英語は、4年生からは取り組む時間がなくなるので、集中的にやるなら3年生までが勝負です。最近は、中学受験の際に帰国子女枠以外でも受験科目に英語がある学校が増えています。希望校の教科に英語があるなら、加点対象になる可能性がある英検3級を目指すのが目安のようです。我が家はほとんど英語に取り組めず、中学受験が終わってから入学後の今もひたすら英語を学ぶ日々を送っています。
ちなみに帰国子女ではないのに非常に英語学習が進んでいる生徒は「隠れ帰国子女」といわれ、中学校に入ってからの英語学習が非常に楽ですが、一般生徒も猛スピードで追いついてくるので気は抜けないようです。
──なるほど、では最後にこれから小学生最後の冬を迎えるお子さんの親御さんにメッセージをお願いします。
西村:中学受験のまっただ中にいる家庭は、すべてが受験生を中心に回り、保護者も本当に疲弊していると思います。我が家では、特に6年生に入ってから、小学生にこんなに長時間勉強をさせていいのか、無理をさせているんじゃないかと罪悪感も感じていました。
ただ最近、子どもがふと「中学受験って新しいことがたくさん覚えられて楽しかった。もう1回やり直してもいいかも」と言い、衝撃を受けました。「勉強することが楽しい」と思う経験ができたなら、結果にかかわらずやって良かったと思います。
中学受験は、子どもにも親にも強いプレッシャーのかかる経験ではありますが、得られるものも大きいと思います。ぜひいろいろな先輩保護者の失敗談も情報のひとつとして使いつつ、無事に完走されることを祈っています。
楽しい中学校生活を夢見て、無事に完走を!
鷲木 造
ライター
テクノロジーがもたらす未来に興味あり。SF映画やゲームなどのカルチャーとガジェットが好き。黎明期マニア。わかりやすく、楽しく、そして有益な情報を発信する様に心がけ、業界の最新トレンドや新製品の情報をそれなりに早くお届けします。