永久保存版！ミシュランガイド東京2022掲載の星付きラーメン店3店舗

2022.3.30

銀座八五

確かにラーメン店ではありますが、「銀座八五」はフレンチ出身のシェフが織りなす「フレンチ由来の発想から生まれた極上ラーメン」が楽しめる場です。コンソメから着想を得て、極めて旨味が強い、タレ（カエシ）不使用のラーメンを考案したのだとか。

『ミシュランガイド東京2020』でビブグルマンとして認められ、ミシュランガイド東京 2022では1つ星付き高評価を獲得した「銀座八五」。未体験のラーメンが食べられる！というワクワク感も楽しめそうです。

店内の6席に対して、開店前から数十人が行列を作ります

開店時間より早く到着し、「銀座でこの時間から行列ができる店はココぐらいじゃあないかな？」と思いつつスマホや文庫本で時間を潰し、行列に並ぶこと1時間以上、2時間未満。
ようやく店内に入れました。

回転は早いほうだと思いますが、店内はカウンター席のみで6席しかないため、長時間の並びは覚悟する必要が！

メニューはシンプル。ビールが飲めるので、その点が嬉しいお客さんも多いのではないでしょうか

券売機にはラーメンのラインアップとして「中華そば」（税込1100円）、「味玉中華そば」（税込1250円）、「特製中華そば」（税込1400円）があります。

いつもならお店の定番メニューともいえる中華そばをオーダーし、次回チャレンジする際に「特製」を食べる私ですが、この店はフレンチ出身シェフの店。いったいどんなラーメンの具が取り入れられているのか！？すべての具を体験したい気持ちが勝り、奮発して特製中華そばに決定！

麺の量ですが、かつては「大盛り」が可能だったようです。しかし2021年12月の段階ではやめてしまったようですね。また「ご飯」（税込150円）と「肉ご飯」（税込400円）もありましたが、この日の販売はお休みでした。でも「ビール」（税込400円）は購入可能だったので、ほろ酔いになりながらラーメンで舌鼓を打ちたい人は呑みラーメンもアリかもしれません。

ラーメン、箸、レンゲ、お冷や、おしぼり。丁寧な配膳だと感じました

琥珀色のスープに沈む麺が美しい曲線を描いています。チャーシューには厚みがあってリッチな印象

店員さんの丁寧な接客に案内されカウンター席に座り、数分してラーメンがやってきました。

う、う、美しい！見た目は確かにラーメンですが、アートともいえる整然とした具の盛り付けとスープのキラメキに感動です。具は味玉、大判のチャーシュー2枚、メンマ、そして刻みネギ。琥珀色ともいえるスープの底には流線形に整えられた細麺が沈んでいます。

スープを作るために名古屋コーチン、鴨、昆布、ドライトマト、干し椎茸、生ハムなどの食材が使われているそうですが、ひとつ、他のラーメン店と大きく違うポイントがあります。このスープ、タレは不使用。つまりカエシはゼロなのです。

ラーメン店に行くと、スープとカエシを丼でひとつにする光景、皆さんも見たことあると思いますが、その行為はこの店で見られません。スープ単体で美味しさを表現することに成功しているそうです。でもちょっと待って。凄い薫りが！？この薫り、その食材だけで出せるのかな？

……と思ったら、チャーシューにふりかけられている胡椒は普通の胡椒ではなくペッパーキャビアだと判明。マダガスカルの野生の胡椒木から採れる貴重なスパイスで、通常の胡椒より極めて強い薫りと辛味を楽しめるのだとか。それがほどよく少量、チャーシューに振りかけられているのです！細かいところにこだわってる！さすが元フレンチシェフといったところでしょうか。

麺に乗るように盛られた味玉。昆布や薄口醤油の旨味が染み込んでいるとのこと

さっそく豪快に麺をサルベージしてズズッとすする。……う、うまい！ガツンとしたパワフルな旨味というより、ジワッとくる旨味。これがカエシ皆無のラーメンですか！初体験！しっかり心地良い塩気を感じる。

カエシがないのに塩気！？と思ったのですが、そうか、これはダシ取りに使われている生ハム由来の塩気！旨味と芳醇な薫りだけでなく、塩気ももたらす存在、それが生ハム。ラーメンのスープ作りに生ハムを使うラーメン店。まさに洋食の発想ですね！

浅草開化楼の細いストレート麺は、クリアでサラサラとしたスープをしっかりととらえます

まさに太陽のような輝きを持つ味玉の卵黄。スープ、麺、チャーシューの美味しさを邪魔せず、昆布と薄口醤油の旨味をほんのりと感じさせながら、濃厚なコクを楽しませてくれます

スープをすするとコンソメにも通ずる洋食的な旨味が楽しめ、麺をすすると「やっぱりラーメンだ！」と思い出させる魅惑のラーメン。

麺を食べるたびにフワッと広がるほのかな薫りはなんだろうと思ったのですが、やはり麺も普通ではありませんでした。イタリアンでパスタ生地などに使われる小麦粉「ファリーナ」を通常の小麦粉とミックスし、麺を作っているそうです。いやはや、驚きの一杯でした。

店名: 銀座八五
住所: 東京都中央区銀座3-14-2
営業時間: 11:00～15:00 17:00～21:00 （要確認）
定休日: 水第2第4木（要確認）
行列度: ★★★★★ メチャ並ぶ
備考: 臨時休業や時短営業等をしている場合がありますのでご確認下さい

ミシュラン常連店からは黄金に輝く、薫り高い煌めきのラーメン！

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クドウヒロカズ

旅人・編集者・ライター
ガジェット通信、ロケットニュース24、Pouchの初代編集長・創設者。TVチャンピオン「焼肉王選手権」「デカ盛り王選手権」共に準優勝。日清公認どん兵衛士。空条海苔助の名義で「世にも微妙なグルメレストラン」「彦龍のノリヒコさん」出版。「月曜から夜ふかし」出演。無人航空従事者試験3級、一級小型船舶免許所持。秘境レポには定評あり。昭和的な「個人経営の焼肉屋」をめぐる旅をする焼肉マニア。