AIで画像を生成することがごく当たり前になった今、どれを選ぶべきか迷っていませんか。そんなときは、単なる「画像生成速度」「画像の品質」の比較だけでなく、「AIにしかできない付加価値」に注目してみましょう。
今回は「キャラクター同一性保持」「会話的編集」が話題のGoogle Gemini「Nano Banana」、「エージェント統合制作」「複数AI連携」が特徴の「Genspark」、「AI支援プロンプト最適化」を強みとするGoogleの「ImageFX」を試してみました。
今回は「キャラクター同一性保持」「会話的編集」が話題のGoogle Gemini「Nano Banana」、「エージェント統合制作」「複数AI連携」が特徴の「Genspark」、「AI支援プロンプト最適化」を強みとするGoogleの「ImageFX」を試してみました。
どんな画像を生成できる?同一プロンプトで3シチュエーションにトライ
「ピッタリの画像があればドキュメントの見栄えが格段に良くなるのに、なかなか見つからない。でも画像がメインのコンテンツではないから、手間をかけて撮影するのも面倒」……そんなシーンこそ生成AIの出番です。
まずは、それぞれのAIモデルがどんなアウトプットをしてくれるのかを知りたいところ。ここでは、それぞれのモデルに同じプロンプトで指示を出した時に、どんな画像を生成してくれるのか見てみましょう。プロンプトには同じ文章を使いますが、英語での入力が原則のImage FXのみ、同じ内容を英語に訳したものを入力しています。
まずは、それぞれのAIモデルがどんなアウトプットをしてくれるのかを知りたいところ。ここでは、それぞれのモデルに同じプロンプトで指示を出した時に、どんな画像を生成してくれるのか見てみましょう。プロンプトには同じ文章を使いますが、英語での入力が原則のImage FXのみ、同じ内容を英語に訳したものを入力しています。
1:プレゼン資料作成
プレゼン資料や社内報告書にはクセがなくてシンプルなタッチのイラストがマッチします。以下のプロンプトでどんな画像ができるでしょうか。
プロンプト:「日本人男性1人、女性2人のビジネスパーソンが会議している様子のシンプルなタッチのイラストを生成してください」
プロンプト:「日本人男性1人、女性2人のビジネスパーソンが会議している様子のシンプルなタッチのイラストを生成してください」
Nano Bananaの生成例。自然な作風でリアルな打ち合わせ風景
Gensparkの生成例。色も構図も超シンプル
ImageFXの生成例
2:ブツ撮り画像をアイキャッチ画像に
ガジェットの使用感をブログやnoteにアップしたいけど、単なるブツ撮り画像ではアイキャッチとしては物足りません。
ここへ文字を入れたとしても物足りない
しかし、アイキャッチのためだけにおしゃれなカフェに撮影に行くのも少し面倒です。そんなときは……。
プロンプト:「このシンプルなブツ撮りを、ブログのアイキャッチに使えるようなおしゃれな写真にして。おしゃれなデスクの上にあって、飲み物と一緒に写っているような」
プロンプト:「このシンプルなブツ撮りを、ブログのアイキャッチに使えるようなおしゃれな写真にして。おしゃれなデスクの上にあって、飲み物と一緒に写っているような」
Nano Bananaの生成例。リアルなレイアウトではないが雰囲気はそれっぽい
Gensparkの生成例。いい感じ。カメラが主役になるとなおよい
ImageFXの生成例。テーブルの隅に水が生成されてしまった
3:抽象的なイメージ画像
同じアイキャッチ画像でも、具体的なアイテムを紹介するドキュメントではなく、テクニックやノウハウの話題に使える抽象的なイメージ画像も、探すとなかなか見つからないもの。クセが強すぎず、文字入れもしやすいおしゃれな画像を生成できるのは……。
プロンプト:「複数のモニターにAIデザインツールが表示されたモダンなワークスペース、
クリーンでミニマルなデスクセットアップ、柔らかい照明、フォトリアリスティックスタイル」
プロンプト:「複数のモニターにAIデザインツールが表示されたモダンなワークスペース、
クリーンでミニマルなデスクセットアップ、柔らかい照明、フォトリアリスティックスタイル」
Nano Bananaの生成例。プロンプトどおり、かつおしゃれ
Gensparkの生成例。直感的に「生成した画像」とわかってしまう
ImageFXの生成例。自然、かつイスも描写されている
使用感まとめ
Nano Banana
画像を生成するまでの時間が早い!と感じたのがNano Bananaです。プロンプトに盛り込んだ要素をきっちり取り入れてくれるのも高ポイント。観葉植物やマウスの位置といった細かい描写にも実際に近いリアリティがあり、「いかにも生成AI」な雰囲気を感じにくいのもいいと思います。
またイラストも写真も少ない色数でまとめられていること、「メインの人物は濃いめに、背景は淡く」といったメリハリが効いているのもAIではない本物っぽさを感じさせます。十分なクオリティといえるでしょう。
生成時間:短い
基本品質:★★★★★
Genspark
良くも悪くもプロンプトに忠実な仕上がりなのがGenspark。
「柔らかい照明」も「複数のモニターにAIデザインツールが表示された」も、文字通りの意味で再現されています。「シンプルなタッチ」は「単色」のイラストになりました。
モニターで遮られる位置に照明があったり、「AI DESIGN TOOL“という文字列”が表示されたモニター」だったりと、見る人が見ればすぐに生成された画像だとわかるでしょう。
しかし「文字通りの意味を再現」することにはメリットもあります。「誰が見てもわかりやすい」画像を生成する際にはそれが強みになりますし、プロンプト次第では理想の画像を生成できる確率を一番高い状態に持っていけるかもしれません。
生成時間:やや長め
基本品質:★★★☆☆
ImageFX
行間を読んだかのような気の利いた表現をしてくれるのがImage FX。「柔らかな照明」を自然光として表現してきたのが、そう感じた理由のひとつです。デスクを窓に向けて配置していないこと、モニター裏の電源コードが描写されているのもリアリティがあっていい感じです。イラストのタッチも悪い意味での「AIっぽさ」がなく、とても自然。おしゃれなテイスト、雰囲気のある画像が欲しい場合にも期待に応えてくれそうです。
一方、カメラのブツ撮りをオシャレに仕上げるのは、今回のプロンプトとは相性が良くなかったようで、「テーブルと水」が生成されてしまいました。
しかしプロンプトを別のものに変えると、理想に近いものが生成されてきます。
画像を生成するまでの時間が早い!と感じたのがNano Bananaです。プロンプトに盛り込んだ要素をきっちり取り入れてくれるのも高ポイント。観葉植物やマウスの位置といった細かい描写にも実際に近いリアリティがあり、「いかにも生成AI」な雰囲気を感じにくいのもいいと思います。
またイラストも写真も少ない色数でまとめられていること、「メインの人物は濃いめに、背景は淡く」といったメリハリが効いているのもAIではない本物っぽさを感じさせます。十分なクオリティといえるでしょう。
生成時間:短い
基本品質:★★★★★
Genspark
良くも悪くもプロンプトに忠実な仕上がりなのがGenspark。
「柔らかい照明」も「複数のモニターにAIデザインツールが表示された」も、文字通りの意味で再現されています。「シンプルなタッチ」は「単色」のイラストになりました。
モニターで遮られる位置に照明があったり、「AI DESIGN TOOL“という文字列”が表示されたモニター」だったりと、見る人が見ればすぐに生成された画像だとわかるでしょう。
しかし「文字通りの意味を再現」することにはメリットもあります。「誰が見てもわかりやすい」画像を生成する際にはそれが強みになりますし、プロンプト次第では理想の画像を生成できる確率を一番高い状態に持っていけるかもしれません。
生成時間:やや長め
基本品質:★★★☆☆
ImageFX
行間を読んだかのような気の利いた表現をしてくれるのがImage FX。「柔らかな照明」を自然光として表現してきたのが、そう感じた理由のひとつです。デスクを窓に向けて配置していないこと、モニター裏の電源コードが描写されているのもリアリティがあっていい感じです。イラストのタッチも悪い意味での「AIっぽさ」がなく、とても自然。おしゃれなテイスト、雰囲気のある画像が欲しい場合にも期待に応えてくれそうです。
一方、カメラのブツ撮りをオシャレに仕上げるのは、今回のプロンプトとは相性が良くなかったようで、「テーブルと水」が生成されてしまいました。
しかしプロンプトを別のものに変えると、理想に近いものが生成されてきます。
ImageFXでブツ撮り画像を「ウッディなカフェのテーブル」というフレーズを入れてアイキャッチとして再度生成し直した画像
「他モデルと同じプロンプト」にこだわらなければ、十分思い通りの結果を得られるプロンプトといえそうです。
生成時間:比較的短い
基本品質:★★★★☆
どのモデルも、思いつくままのプロンプトを入力しただけで一定のクオリティの「使える」画像を生成してくれたのは好印象でした。しかしモデルごとのテイストの違いも明確にあると感じます。シンプルなプロンプトで求めるテイストに一番近い画像を生成するモデルを見極め、使い込んでいくのがよいでしょう。
生成時間:比較的短い
基本品質:★★★★☆
どのモデルも、思いつくままのプロンプトを入力しただけで一定のクオリティの「使える」画像を生成してくれたのは好印象でした。しかしモデルごとのテイストの違いも明確にあると感じます。シンプルなプロンプトで求めるテイストに一番近い画像を生成するモデルを見極め、使い込んでいくのがよいでしょう。

中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019













