この夏、都内で一番涼しげな場所!?日本科学未来館「大南極展」で南極直送の氷に触れてきた

Jun Fukunaga

Specialアウトドア・お出かけカルチャー

涼みつつ、南極について学べる体験型展覧会

夏も終わりが近づいてきたというのに、都内はまだまだ暑い日が続いている。昨年に比べると今夏はまだマシだという声も聞くが、アスファルトに覆われた都内では、晴天ともなると少し歩くだけで汗が噴き出す。そんな過酷な都内の夏の暑さを忘れさせてくれるのが、お台場・日本科学未来館で開催中の「大南極展」だ。

本展は日本の南極観測が70周年を迎えたのを機に開かれた特別展だ。会期は9月27日(日)まで。日本が70年間にわたって積み重ねてきた南極観測のデータは、いまや気候変動の解明や未来の予測にも大きく貢献している。会場では、さまざまな展示を通じて、南極観測の成果を「ただ見て学ぶ」だけでなく、手や体を動かして体験しながら理解することができる。そこで今回は、実際に会場に足を運んだ筆者の視点で本展の見どころを紹介していく。

手のひらで感じる、本物の南極の氷

入り口を抜けるとまず、目の前に白い布で作られた氷穴を模したトンネルが広がる。さらにそこを抜けると南極で採取された本物の氷が展示されている。

白い布で作られた「氷穴」(場内撮影可、写真はすべて筆者撮影)

ここでは、その氷を実際に触ることができる。これは何千年、何万年も前に降った雪からできているものだそうで、その冷たさを手で感じるとともに大自然が作る歴史の重みを感じ取れる。ちなみに氷は一般に目にするものより透明度が高い。細かい気泡も入っていて、耳を澄ますとかすかにプチプチと気泡が弾ける音がした。

南極で採取された氷に触れる

その先に進むと南極上陸エリアにたどり着く。ここには南極探検のための船の模型や、実際に使われていた装備品、家族の手紙など観測隊員の私物、過酷な寒さに耐えるための防寒服などが展示されている。

南極上陸エリア

展示されている観測隊員の装備品や私物

34万年前の空気が閉じ込められた「タイムカプセル」

南極上陸エリアを抜けた先に広がるのが、複数の展示で構成される観測体験エリアだ。こちらでは海洋調査、地質調査、隕石探査、大気観測、南極の生き物にまつわる展示が用意されている。

複数の展示で構成される観測体験エリア

そのなかで特に印象的だったのが、南極の氷床の深部から採取されたアイスコアの展示だ。アイスコアは南極の氷床を垂直に掘り抜いて取り出した氷の柱で、国立極地研究所の低温室に厳重保管される貴重なサンプル。一般に公開されること自体が極めてまれだという。氷の中には雪が降った当時の空気が閉じ込められ、気温や降水の状況など地球環境の変化の痕跡もたどれる。このため、気候変動を読み解く「タイムカプセル」として扱われるという。

本展では、深さ2499mから掘削された、34万年前の空気を含むアイスコアの実物が展示されており、その貴重なタイムカプセルを間近で鑑賞できる。また、掘削に使われたドリルも併せて展示されているが、こちらも普段なかなか目にすることがないレアな代物だそうだ。

34万年前の空気を含むアイスコアの実物

掘削ドリルの展示

南極の恐怖体験「ブリザード」をこの身で味わう

もうひとつ、お勧めしたいのがブリザードの体験ブース。南極や北米で見られるブリザードは、強い風と舞い上がった雪で視界が急激に奪われる、非常に激しい吹雪を伴う気象現象だ。地表の雪が巻き上がるため、雪が降っていなくても周囲は真っ白になり、ホワイトアウトに近い状態が発生する。このコーナーでは、その激しい強風と視界不良を安全面に配慮しながら再現し、擬似的なブリザードを体験できる。実際にブースの中に入ってみると寒さこそ少し肌寒い程度だったが、強風と視界不良は予想以上で、ブリザードの厳しさをしっかりと身をもって体感できた。

ブリザードの体験ブース入り口

ブリザードによる視界不良状態が再現される様子

南極観測隊員気分を味わえるミッションに挑戦

ちなみに観測体験エリアでは、来場者自身が「特別南極観測隊の一員」となって、さまざまなミッションに挑戦できる。用意されているのは、20秒ごとに発生する人工オーロラの観測や、南極で採取された岩石が何億年前のものかを当てるクイズ、アデリーペンギンのヒナの重さを測る体験などだ。

実物大のアデリーペンギンのヒナのぬいぐるみを使って計測体験。体重は2kgほどだった

こうした南極観測隊員気分を味わえるミッションの中で特に人気だったのが、南極のペンギンの個体数をカウントする「ペンギンセンサス体験」と「観察ドーム体験」だ。前者はゲーム形式で調査員の仕事を疑似体験でき、後者は南極の厳しい環境で暮らすペンギンやアザラシの標本を展示台の下から間近で観察できる。筆者が訪れた日は夏休み期間だったこともあって、子どもたちが順番待ちの長蛇の列を作っていた。

ペンギンセンサス体験の模様

観察ドーム体験の模様。展示台下のトンネルに潜り、標本の間から顔を出して間近で観察できる

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Jun Fukunaga

ライター・インタビュワー
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター・インタビュワー。最近はバーチャルライブ関連ネタ多め。DJと音楽制作も少々。

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