SNSとソーシャルメディアは違う
そもそもSNS……「ソーシャルネットワーク」とは何でしょうか。ソーシャルネットワークと「ソーシャルメディア」って、違うものではないでしょうか。ソーシャルネットワークが人間同士をつなぐ、人間中心のサービスだとすると、ソーシャルメディアは情報を拡散する、情報が中心のメディアだと思います。
だから、情報を拡散するXのようなプラットフォームって、ソーシャルネットワークではなくソーシャル「メディア」なのではないかと思うのです。
Twitterも当初は人脈作り・ネットワーキングが主体だったけど、発信内容に重みが寄って、メディアになっていきました。ソーシャルネットワークだけでは滞在時間を最大化できないから、どんどんメディアに寄っていったんでしょう。
私が2017年ごろ、アメリカで市場調査していた当時から、Twitterはソーシャルメディアと呼ばれていました。LinkedInやFacebook、もしくはかつてのmixiや前略プロフィールのような、人脈を作るサービスはソーシャルネットワークだけれど、Xのように情報を拡散・取得できるのはソーシャルメディア、という使い分けですね。
ソーシャルメディアでは、情報だけでなく、怒りや愚痴など、強い感情に動かされた文章が拡散されていくことも多い。スナックでママに愚痴るような内容を、世界に向けて発信している、と言えるかもしれません。
だから、情報を拡散するXのようなプラットフォームって、ソーシャルネットワークではなくソーシャル「メディア」なのではないかと思うのです。
Twitterも当初は人脈作り・ネットワーキングが主体だったけど、発信内容に重みが寄って、メディアになっていきました。ソーシャルネットワークだけでは滞在時間を最大化できないから、どんどんメディアに寄っていったんでしょう。
私が2017年ごろ、アメリカで市場調査していた当時から、Twitterはソーシャルメディアと呼ばれていました。LinkedInやFacebook、もしくはかつてのmixiや前略プロフィールのような、人脈を作るサービスはソーシャルネットワークだけれど、Xのように情報を拡散・取得できるのはソーシャルメディア、という使い分けですね。
ソーシャルメディアでは、情報だけでなく、怒りや愚痴など、強い感情に動かされた文章が拡散されていくことも多い。スナックでママに愚痴るような内容を、世界に向けて発信している、と言えるかもしれません。
ネットでの会話は、クローズドな場に移行している
ソーシャルメディアでの発信は、リスクが伴います。誰が見ているか分からない場ですし、ネットワークを通じて怒りが簡単に増幅しますから、発言が意図と違うとらえられ方をして批判を受けたり、炎上したりすることもあります。私自身も、ソーシャルメディアで発信することは、ほとんどなくなりました。
人間同士の交流は、クローズドなコミュニティに移行してきています。例えば、私の会社でやっている会員制コミュニティ「テクノエッジアルファ」では、会員同士と編集部員が交流でき、ガジェットについての活発な会話が会員制のDiscordチャンネルで交わされています。
テクノエッジアルファは月額5000円しますから、会員には経済的余裕や一定の立場のある人が多い。そういう人が名前を明かしてソーシャルメディアで書くと、リスクが高いですが、会員専用Discordなら興味ある話をつぶやいて、適切なリプライが来るから、楽しいと言ってくださいます。
SNSがメディアになっていく一方で、興味のあることを仲間内で話したいというニーズは減っていません。それがクローズドな場に移行しているんですよね。Discordやグループチャットツールが、“知ってる人だけが来る、客筋のいいスナック”みたいになっているわけです。そういったツールは、“新たなソーシャルネットワーク”だといえるのかもしれません。
人間同士の交流は、クローズドなコミュニティに移行してきています。例えば、私の会社でやっている会員制コミュニティ「テクノエッジアルファ」では、会員同士と編集部員が交流でき、ガジェットについての活発な会話が会員制のDiscordチャンネルで交わされています。
テクノエッジアルファは月額5000円しますから、会員には経済的余裕や一定の立場のある人が多い。そういう人が名前を明かしてソーシャルメディアで書くと、リスクが高いですが、会員専用Discordなら興味ある話をつぶやいて、適切なリプライが来るから、楽しいと言ってくださいます。
SNSがメディアになっていく一方で、興味のあることを仲間内で話したいというニーズは減っていません。それがクローズドな場に移行しているんですよね。Discordやグループチャットツールが、“知ってる人だけが来る、客筋のいいスナック”みたいになっているわけです。そういったツールは、“新たなソーシャルネットワーク”だといえるのかもしれません。
鷹木 創
編集主幹
2002年以来、編集記者や編集長などとしてメディアビジネスに携わる。インプレス、アイティメディアと転職し、2013年にEngadget日本版の編集長に就任。 その後スマートニュースに転職。国内トップクラスの機械学習を活用したアプリ開発会社においてビジネス開発として活躍。2021年からはフリーランスとして独立、IBM、Google などのオウンドメディアをサポートしている。