会議や打ち合わせで、正しい課題設定を行えたり、全体像を描くことがうまい人物に驚いたことはないだろうか。なぜその人だけが誰も気付けなかった問題に気付き、物事を俯瞰できるのだろうか。
仕事でもプライベートでも人は考え続けているが、その大半はパターン化されている思考をなぞっているだけのことが多い。そこに気が付き、最適解を見つけるには、思考法の基礎知識の体得が役立つ。
先が見えない現代を生き抜くための能動的な思考法が身につき、これまでにない選択肢が見えてくるオススメの書籍6選を紹介したい。
仕事でもプライベートでも人は考え続けているが、その大半はパターン化されている思考をなぞっているだけのことが多い。そこに気が付き、最適解を見つけるには、思考法の基礎知識の体得が役立つ。
先が見えない現代を生き抜くための能動的な思考法が身につき、これまでにない選択肢が見えてくるオススメの書籍6選を紹介したい。
「メタ思考」で現代社会を軽やかに生き抜く
一生懸命仕事をしている人ほど、「今のままで良いのか」という不安や葛藤を抱えているもの。課題の解決探しに翻弄され続けないために、余裕を持って気持ちが楽になる、一生ものの思考法を築いてみることをオススメしたい。
本書で著者が提唱する「メタ思考」とは、社会全体の大きな枠組みで自分を俯瞰、客観的な視点でとらえること。特にユニークなのが、自分のエイリアスを作り、そのつど適切な複数の場所にいろいろな自分を置くという提案だ。このエイリアス発想こそが、自分を相対化して俯瞰でとらえ、消耗せずに一歩引いた考え方ができる第1歩である。
組織に属している人でも、自らビジネスルールを定義し、外部との接点を活用して個人のパフォーマンスを上げられることを実感できるだろう。これからの生き方を模索するときに参考になる1冊だ。
本書で著者が提唱する「メタ思考」とは、社会全体の大きな枠組みで自分を俯瞰、客観的な視点でとらえること。特にユニークなのが、自分のエイリアスを作り、そのつど適切な複数の場所にいろいろな自分を置くという提案だ。このエイリアス発想こそが、自分を相対化して俯瞰でとらえ、消耗せずに一歩引いた考え方ができる第1歩である。
組織に属している人でも、自らビジネスルールを定義し、外部との接点を活用して個人のパフォーマンスを上げられることを実感できるだろう。これからの生き方を模索するときに参考になる1冊だ。
『メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける』
発行:大和書房
著者:澤円
定価:1760円(税込)
発行日:2023年10月17日
判型:四六判
頁数:248P
ISBN:978-4-4797-9793-7
https://www.daiwashobo.co.jp/book/b10033587.html
発行:大和書房
著者:澤円
定価:1760円(税込)
発行日:2023年10月17日
判型:四六判
頁数:248P
ISBN:978-4-4797-9793-7
https://www.daiwashobo.co.jp/book/b10033587.html
こだわりを捨て、しなやかな視点を育てる
社会人経験を積むほどに、思考や判断力は磨かれていき、より鋭く正確な結論を導き出せるようになる。しかし同時に、思い込みや偏見、こだわりへの執着も蓄積されていく。
本書で著者が提唱するマッピング思考とは、自分と世界を認識する地図を正確に作成していくマインドセットのことだ。人は見たいように見て、自分に都合の良い物語を作ってしまう。そのため、戦場で例えるなら、守りの姿勢を貫く兵士でなく、偵察者として全体を俯瞰で見る意識が必要だと説く。
著者の主論は、かたより、凝り固まっている視点を解放して対立意見を聞き、俯瞰で物事をとらえるというごく基礎的なもので、目新しさはない。だが、大半の人がこの意識付けができていない実例を徹底的に取り上げ、この問題がいかに根深いかを説明していく。
時には自分のアイデンティティだと思っていることがバイアスにもなる。先入観や偏見にどうあらがっていくか、具体的な手法も収録されているため、戦略的思考のスキルを学べるだろう。
本書で著者が提唱するマッピング思考とは、自分と世界を認識する地図を正確に作成していくマインドセットのことだ。人は見たいように見て、自分に都合の良い物語を作ってしまう。そのため、戦場で例えるなら、守りの姿勢を貫く兵士でなく、偵察者として全体を俯瞰で見る意識が必要だと説く。
著者の主論は、かたより、凝り固まっている視点を解放して対立意見を聞き、俯瞰で物事をとらえるというごく基礎的なもので、目新しさはない。だが、大半の人がこの意識付けができていない実例を徹底的に取り上げ、この問題がいかに根深いかを説明していく。
時には自分のアイデンティティだと思っていることがバイアスにもなる。先入観や偏見にどうあらがっていくか、具体的な手法も収録されているため、戦略的思考のスキルを学べるだろう。
『マッピング思考』
発行:東洋経済新報社
著者:ジュリア・ガレフ著/児島修訳
定価:1980円(税込)
発行日:2022年7月15日
判型:四六判
頁数:384P
ISBN:978-4-4925-5814-0
https://str.toyokeizai.net/books/9784492558140/
発行:東洋経済新報社
著者:ジュリア・ガレフ著/児島修訳
定価:1980円(税込)
発行日:2022年7月15日
判型:四六判
頁数:384P
ISBN:978-4-4925-5814-0
https://str.toyokeizai.net/books/9784492558140/
単なる妄想を価値あるアイデアへ発展させるには
今日、あなたはどれだけ「自分モード」と呼べる時間を過ごしただろうか? 何かにわくわくしたり心動かされる好奇心を見失ったり、人から受け取った情報に反応したりする「他人モード」に支配されてはいないだろうか。
本書は、内なる妄想から始まった直観を具体的な形に落とし込み、説得力のある論理につなぐビジョン思考を解説したもの。大切なのは、妄想でも直観でも自分発信であることだ。
人はやるべきことをこなしているうちに、内発的動機が不足し他者からの承認を基準にして自分の思考を喪失していく。まずは妄想から始めて、ありのままに感じる「知覚力」を磨き、概念を壊す「組替」の技法を取得し、さらには「表現」としてアウトプットする、という一連のプロセスを反復することを主軸にしてみよう。
オリジナルな妄想も突き詰めれば、人と協働できるという著者の提案は、ビジネスだけでなく生き方としても身につけたい思考のヒントにもなる。本書を参考に、手を動かしながらビジョン思考を体得していこう。
本書は、内なる妄想から始まった直観を具体的な形に落とし込み、説得力のある論理につなぐビジョン思考を解説したもの。大切なのは、妄想でも直観でも自分発信であることだ。
人はやるべきことをこなしているうちに、内発的動機が不足し他者からの承認を基準にして自分の思考を喪失していく。まずは妄想から始めて、ありのままに感じる「知覚力」を磨き、概念を壊す「組替」の技法を取得し、さらには「表現」としてアウトプットする、という一連のプロセスを反復することを主軸にしてみよう。
オリジナルな妄想も突き詰めれば、人と協働できるという著者の提案は、ビジネスだけでなく生き方としても身につけたい思考のヒントにもなる。本書を参考に、手を動かしながらビジョン思考を体得していこう。
『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』
発行:ダイヤモンド社
著者:佐宗邦威
定価:1760円(税込)
発行日:2019年3月7日
判型:A5変形
頁数:272P
ISBN:978-4-4781-0285-5
https://www.diamond.co.jp/book/9784478102855.html
発行:ダイヤモンド社
著者:佐宗邦威
定価:1760円(税込)
発行日:2019年3月7日
判型:A5変形
頁数:272P
ISBN:978-4-4781-0285-5
https://www.diamond.co.jp/book/9784478102855.html
葉々社 小谷輝之
本屋と出版社
2社の出版社勤務を経て、2022年4月に東京・梅屋敷で本屋「葉々社」を開店。ひとりで本屋の運営を切り盛りしながら、出版社としての本作りにも取り組み中。Twitter:@youyousha_books