中国メーカーが相次いで参入した2022年
シャオミの動きに触発されてか、2021年12月から中国メーカーの横折り式スマートフォンの種類が一気に増えた。
2021年12月:OPPO「Find N」
2022年1月:HONOR「Magic V」
2022年4月:vivo「X Fold」
これで世界シェア上位メーカーで折りたたみモデルを出していないのはアップルだけとなり、各社はフラッグシップモデルを「カメラフォン」「折りたたみ」という2製品体制としていった。3社の製品ともヒンジを曲げてもすき間のない構造で、サムスンやシャオミの製品に対する優位性をアピール。OPPOは横折りながらも小型化させることで差別化を図った。
2021年12月:OPPO「Find N」
2022年1月:HONOR「Magic V」
2022年4月:vivo「X Fold」
これで世界シェア上位メーカーで折りたたみモデルを出していないのはアップルだけとなり、各社はフラッグシップモデルを「カメラフォン」「折りたたみ」という2製品体制としていった。3社の製品ともヒンジを曲げてもすき間のない構造で、サムスンやシャオミの製品に対する優位性をアピール。OPPOは横折りながらも小型化させることで差別化を図った。
OPPOのFind Nは横折りながらもサイズは小さい
サムスンは前年モデルの順当な進化製品として「Galaxy Z Fold4」「Galaxy Z Flip4」を8月に発表。前年に引き続きドコモとauから販売となったほか、Galaxy Z Flip4は楽天モバイルからも発売された。韓国での縦折りスマートフォン人気がK-POPブームなどにより日本でも一部で話題となり、日本での取り扱いが拡大したのだろう。
楽天モバイルからも一部カラーが発売されたGalaxy Z Flip4
薄型化や大画面化など「折りたたみ2.0」時代を迎えた2023年
2023年の折りたたみスマートフォンは、横折り式と縦折り式、どちらも今までにはない大きな進化を遂げている。折りたたみ新時代ともいえる製品が次々と登場し、折りたたみスマートフォンは一部のユーザーのものではなく、万人に勧められる製品になろうとしている。
まずは縦折り式、フリップスタイルのスマートフォンの進化だ。2022年12月にOPPOが発表した「Find N2 Flip」は外側に3.26インチの大画面を搭載し、写真やウィジェットも大きく表示できるため、閉じたままでの実用性も十分高い。Find N2 Flipは中国で発売されるや一気に人気となり、中国国内の折りたたみスマートフォンで販売数1位となった。2023年に入るとグローバルでの販売も始まり、ヨーロッパやアジアなど、どの国でも人気になっていった。
まずは縦折り式、フリップスタイルのスマートフォンの進化だ。2022年12月にOPPOが発表した「Find N2 Flip」は外側に3.26インチの大画面を搭載し、写真やウィジェットも大きく表示できるため、閉じたままでの実用性も十分高い。Find N2 Flipは中国で発売されるや一気に人気となり、中国国内の折りたたみスマートフォンで販売数1位となった。2023年に入るとグローバルでの販売も始まり、ヨーロッパやアジアなど、どの国でも人気になっていった。
大型ディスプレイを搭載するOPPO Find N2 Flip
4月にはvivoが3インチ外画面搭載の「X Flip」を発表。そして6月にはモトローラが外パネル部分をほぼ全画面表示できる3.6インチ画面搭載の「razr 40 ultra」を発表した。モトローラは前年に「razr 2022」を発表しているが、前モデルからの進化も少なく、販売は中国国内のみにとどまっていた。razr 40 ultraは全く新しい設計とし、閉じたままでも動画も視聴できる大型画面を搭載したことで、スマートフォンそのものの使い方を変える存在になるだろう。日本でも8月末から販売が始まっている。
閉じてもほぼスマホ感覚で使える大画面を搭載したrazr 40 ultra
一方、横折り式のスマートフォンは中国で超薄型モデルが相次いで登場している。3月発表のファーウェイ「Mate X3」は閉じたときの厚みが11.1mm、開くと5.3mmしかなく、重量もiPhone 14 Pro Maxの240gより軽量な239gだ。本体を持ってみるともはや折りたたみモデルとは思えないほど薄い。ところが6月にはHONORがさらに薄型軽量の「Magic V2」を発表。閉じたときの厚みは9.9mm、開いたときは4.7mm、重量は371gだ。もはや普通のスマートフォンを選ぶ理由がなくなってしまう。
世界最薄最軽量のHONOR Magic V2
サムスンは、モトローラには及ばないものの外側画面を3.4インチとした「Galaxy Z Flip5」、ヒンジのすき間をなくし薄型化を図った「Galaxy Z Fold5」を8月に発表。日本を含むグローバルで販売している。2023年秋の話題といえば最新型のiPhoneと思われがちだが、折りたたみスマートフォンの世界でも熱い戦いが繰り広げられているのである。
Galaxy Z Fold5とGalaxy Z Flip5
山根 康宏
香港在住携帯研究家
スマホとSIMを求めて世界各国を取材中。海外、特に中国の通信事情に精通している。大手メディアへの執筆も多数。海外スマホ・ケータイを1800台所有するコレクターでもある。