香港在住の筆者は、時間があれば中国・深センに出向いてスマートフォンやガジェットの新製品を見たり買ったりしている。例えばスマートフォンのケースは深センに行けば100円程度から手に入るため、オンラインよりも安く、つい爆買いしてしまうこともある。
今回は、筆者が深センを訪れた際にどんなお店を回り、どのように過ごしているのか、1日の行動をお見せしよう。
今回は、筆者が深センを訪れた際にどんなお店を回り、どのように過ごしているのか、1日の行動をお見せしよう。
朝マックからバスで深センへ
香港から深センへは電車やバスなど複数のルートがある。主な目的地の電脳街「華強北路(ファーチャンベイルー)」へは、深セン地下鉄1号線「華強路(ファーチャンルー)」駅や7号線「華強北(ファーチャンベイ)」駅からアクセスできる。多くの人は鉄道で国境の羅湖(ローウ)駅から深センに入るだろうが、筆者は電脳街に出やすいことから、香港の旺角(モンコック)や尖沙咀(チムサーチョイ)、湾仔(ワンチャイ)から出ている越境バスに乗って、皇崗(ファンガン)経由で入国している。旺角のバス停までは自宅から徒歩10分ほど。朝は乗車前にマクドナルドで朝食を取るのが定番で、香港を出るのはたいてい午前9時台である。

「朝マック」のセット。香港では朝食にマカロニを食べるのが一般的
バスは日中20分おきに運行しており、国境までは約40分で着く。乗車券は不要で、バスに乗り込み現金やQRコード、ICカード(八達通・オクトパス)で支払う仕組み。車内は冷房が効いていて快適だ。

皇崗行きのバス
皇崗の国境に着いたらバスを降り、香港側の出国ゲートを徒歩で通過する。その後、先ほどのバスに再び乗り込み、5分ほどで深セン側の国境に到着。そこで中国に入国すると、だいたい午前10時ごろになっている。

深セン側の国境から入国
ここから徒歩で地下鉄9号線の「皇崗口岸(ファンガン国境)」駅へ向かう。駅構内には、WeChatアカウントを使うと無料でペットボトルの水がもらえる自動販売機があり、筆者はいつも利用している。ボトルのラベルにはアカウントアイコンの顔写真が小さく印刷されて出てくるので、受け取りまで1分ほどかかる。深セン地下鉄の乗車もWeChatのミニアプリで可能なので、日本から訪れる人もWeChatアカウントを作り、日本のクレジットカードを紐づけておくと便利だ。

ペットボトルのラベルには自分のWeChatのアイコンが印刷される
家電店をじっくり視察
地下鉄はここから電脳街へと走り、駅は赤尾(チーウェイ)、華強南(ファーチャンナン)、華強北、華新(ファーシン)の順に並ぶ。このうち華強南はスマートフォンのパーツビルが近い。このパーツビルに潜り込んでiPhoneの非正規パーツを買い集め、ビル1階のマクドナルドでiPhoneを組み立ててしまうツワモノもいるらしい。華強北は電脳街の中心駅、華新は電脳街の最北端に位置する。

地下鉄9号線は電脳街を南北に縦断している
電脳街の華強北路は完全歩行者道路で、ところどころに緑地があり、最新の科学技術と自然が融合した街並みとなっている。もともと4車線道路だったため幅が広く、道の両側にはIT製品関連(といってもほとんどがスマートフォン関連だが)の小売店が入るビルが軒を連ねているのだ。

深センの電脳街、華強北路
筆者のルーチンは、華新駅で下車し、すぐ近くの家電量販店巡りから始まる。家電量販店の営業時間は朝9時半や10時から。一方、この後訪れるケース問屋ビルはだいたい昼過ぎに開くため、まず北側の家電量販店から回るのが定番だ。

家電量販店は午前から営業している
このエリアの家電量販店は、北側から京東電器(ジンドンデンチー/JD)、順電(シュンデン)、蘇寧易購(スーニンイーゴウ/Suning)の3つ。それぞれの店内には各スマートフォンメーカーのブースが設けられ、製品が展示されている。メーカー直営店よりも店員さんの声がけやマークが緩いため、自分のペースで自由に試せるのが魅力。

メーカーごとにスマートフォンの販売ブースが並ぶ
順電のスマートフォン売り場は3階にあり、品ぞろえは若干少ない。ただ1階の喫茶・軽食コーナーや2階のトイレはよく利用している。

電脳街でトイレに行くなら順電もチェック

山根 康宏
香港在住携帯研究家
スマホとSIMを求めて世界各国を取材中。海外、特に中国の通信事情に精通している。大手メディアへの執筆も多数。海外スマホ・ケータイを1800台所有するコレクターでもある。