メーカー店舗で新製品チェック、お昼は「学食系」へ
3つの家電量販店を見終えた後は、向かいに並ぶメーカーショップを回る。Samsung(サムスン)ストアもあるが、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)、Xiaomi(シャオミ)といった中国メーカーの方が品ぞろえは面白い。vivoでは“最強”の高性能カメラフォンを、OPPOやXiaomiでは日本未発売モデルをチェック。特にXiaomiはグローバルより中国で先に最新モデルを発売することも多い。筆者も新製品が発表されると、翌日にはこれらのお店に出向いてチェックしている。なお日本で最もメジャーな“りんごのロゴ”のお店もあるが、全て非正規店舗なので立ち寄らない方が無難だ。

メーカーショップが並ぶ
今回はXiaomiのAIグラスや、OPPOの回転ファン内蔵スマートフォン「OPPO K13 Turbo」を見たりと、なかなか楽しめるショップ巡りとなった。なおHUAWEI(ファーウェイ)のメーカーショップはもう少し南側、ケース問屋ビルの辺りにある。

Xiaomi(シャオミ)のAIグラス
さて、この辺りまで回ると、ちょうどお昼の12時前後になる。そこで定石のお昼ご飯を食べに行くことにする。家楽縁(ジャーレーユエン)というチェーン店で、ここは食べたいものを指差して選べるため、注文が簡単。筆者がよく行くのは振旺(チェンワン)店だ。隣のデパート「茂業天地(マオイエティエンディー)」の2階にはトイレがあるので覚えておくと便利だ。

家楽縁ではおかずを指さして選ぶ
お店に入ると、おかずがずらりと並んでいる。たいてい先客が列を作っており、そこに並んでトレイを取ると有無をいわさずご飯が2杯盛られる。その後は好きなおかずを指差して注文する。
昼時で混んでいると、後ろから急かされてしまうので「これは何だろう」と考え込まず、直感で選ぶべし。並びの上流側は肉や魚など高めのおかずが置かれ、下流に進むほど安いものになる。おかずは3品も選べば十分だろう。料金は大抵25〜40元(約500〜800円)くらいだ。
昼時で混んでいると、後ろから急かされてしまうので「これは何だろう」と考え込まず、直感で選ぶべし。並びの上流側は肉や魚など高めのおかずが置かれ、下流に進むほど安いものになる。おかずは3品も選べば十分だろう。料金は大抵25〜40元(約500〜800円)くらいだ。

味は結構おいしい
午後は巨大問屋ビルでパーツ探し
昼食の後は華強北路をさらに南下し、ケース問屋を中心に回る。問屋ビルは地下鉄1号線華強路駅と9号線華強北駅の間にある「SEGCOM(セグコム)」と書かれたビルだ。正面からは大きなビルに見えるが、実際にはビル3棟が横に並び、内部の連絡通路でつながっている。

ケース問屋ビル
内部は意外にきれいだが、外観からは想像できないほど細長い。通路の両側にはスマートフォンケースやケーブル、スマートウォッチのバンドなどアクセサリ関連の店がずらりと並ぶ。1つの通路に50店舗、通路2本で100店舗、それが5階まであるので500店舗。さらに同規模のビルが3棟あり、小さなビルも含めると合計で2000店舗以上という、とてつもない数の店が集結している。

細い通路の左右にびっしりと店が並ぶ
ここは観光地ではなく問屋なので、10元(約200円)の品を「8元(約160円)にして」なんて値引き交渉は通用しない。多くの店は工場で作ったものをそのまま並べている。むしろ「これください、いくら?」と聞くと「何個?」と聞き返されることが多い。つまり1個や2個ではなく10個や100個単位で大量に仕入れる客が大半なのである。5元(約100円)の品を見つけて悩むようなら、迷わず買ってしまったほうがいい。1000円や2000円くらい無駄遣いしてもいい、そんな気構えで筆者はいつも買い物を楽しんでいる。

ここは観光地ではなく問屋。値切って買う場所ではない
中古コンデジを見た後は「中国のスタバ」で一服
筆者は趣味も仕事もスマートフォンなので、電脳街で見るのもスマートフォン関連ばかりだ。とはいえ、ここにはドローンやPC関連製品などのお店もあり、時間があれば立ち寄ることにしている。深センのドローンメーカーDJIの店舗もあるし、無名メーカーのスマートウォッチも山のように売られている。近頃はスマートリングの種類も増えた。子ども向けの感熱ロール紙プリンター内蔵デジカメなどは、お土産にいいかもしれない。

スマートフォン以外のものもいろいろ売られている
ここ数年は、Z世代を中心に「昔のコンデジブーム」といわれているが、その現象が本当である光景をここ電脳街で目にすることができる。デジカメを扱うビルもあるが、今や多くの店が出ていくか廃業してしまい閑古鳥が鳴いている。ところが若い女性客が集まる店舗がいくつもあるのだ。そこにあるのは中古のコンデジ。状態の良い品も多く、驚きである。なおそれら中古コンデジに付属するバッテリーは、おそらく深センで作られた互換品だろう。

中古コンデジ人気を目の当たりにできる
午後もいろいろなお店を回り、ちょっと糖分補給がしたくなったらLuckin Coffee(ラッキンコーヒー)へ行く。Luckin Coffeeは「中国のスタバ」とも呼ばれているが、実態はだいぶ異なる。
スターバックスは基本のコーヒーに好みであれこれ追加してカスタムするのが楽しいが、Luckin Coffeは50種類以上のメニューから自分の好みのドリンクを選ぶスタイルだ。しかもコーヒーだけでなく生ジュースなどのドリンク類の種類も多い。さらにWeChatやAlipayのミニアプリで購入・支払いができ、店員との会話や現金支払いが不要なので、外国人にも使いやすい。筆者もココナッツミルク系のドリンク(詳細はわからない)で喉を潤した。
スターバックスは基本のコーヒーに好みであれこれ追加してカスタムするのが楽しいが、Luckin Coffeは50種類以上のメニューから自分の好みのドリンクを選ぶスタイルだ。しかもコーヒーだけでなく生ジュースなどのドリンク類の種類も多い。さらにWeChatやAlipayのミニアプリで購入・支払いができ、店員との会話や現金支払いが不要なので、外国人にも使いやすい。筆者もココナッツミルク系のドリンク(詳細はわからない)で喉を潤した。

「中国のスタバ」ことLuckin Coffeeで休むのも定番だ
今回の深セン滞在で何を買った?
さて今回の滞在では、スマートフォンケースをいくつかとUSBケーブルなどを購入。さらに無名メーカー製の謎の超小型ケータイも手に入れた。その通信方式は海外の2Gのため日本では使えないが、指先サイズなのに折りたたみスタイルというかわいらしさも気に入った。価格は120元(約2500円)。

今回のお買い物は謎の超小型ケータイ
午後もお店を回っていると、だいたい夕方5時か6時になる。この後は電脳街の地下街にあるフードコートで食事をするか、疲れていれば香港に戻るのがいつものルーチンだ。「日本でちょっと話題になった中華系のIT製品やスマートフォンを、深センにすぐ見に行ける」——筆者が香港に住み続ける理由は、まさにそこにある。

深センには謎の再生品ケータイ屋もあるが、その話はまたいつか

山根 康宏
香港在住携帯研究家
スマホとSIMを求めて世界各国を取材中。海外、特に中国の通信事情に精通している。大手メディアへの執筆も多数。海外スマホ・ケータイを1800台所有するコレクターでもある。