ブランドの悪用は、コロナ禍に急増
コロナ禍でリアルな営業が減少する中、各社はブランドを活用したオンラインマーケティングに力を入れています。オンラインマーケティングは顧客にとって、適宜情報収集しながら、今まで通りに購買できる点で安心です。
しかし、こうしたオンライン上のブランドマーケティングに目をつけて、悪質な第三者が、そのブランド力にフリーライド(ただ乗り)し、自社の製品を購入するように仕向けるケースや、ブランドサイトを模倣し情報を詐取したり、模倣品を販売するようなケースも最近は増えています。いくつか例を画像で挙げてみます。
フリーライドのケース
しかし、こうしたオンライン上のブランドマーケティングに目をつけて、悪質な第三者が、そのブランド力にフリーライド(ただ乗り)し、自社の製品を購入するように仕向けるケースや、ブランドサイトを模倣し情報を詐取したり、模倣品を販売するようなケースも最近は増えています。いくつか例を画像で挙げてみます。
フリーライドのケース
「株式会社SUBARU」の偽サイト。本物のURLは「https://www.subaru.co.jp/」で、画像の偽サイトのURLは「https://subaru-auto.com/」
フィッシングサイトのケース
フリマアプリ『メルカリ』の公式ブログの本物。URLは「https://jp-news.mercari.com/」
フリマアプリ『メルカリ』の公式ブログの偽物。URLは「https://mercari-school.com/」
主に国内のフィッシング詐欺について情報を取りまとめている「フィッシング対策協議会」の月次報告書によれば、第1回目の緊急事態宣言が発動された2020年4月と、2021年3月を比較すると、フィッシングの報告件数は、実に3.72倍に増えています。
フィッシングの報告件数は、2020年4月から2021年3月で3.72倍に増えている(フィッシング対策協議会の月次報告書を元に作表)
またフィッシング対策協議会の「2021年5月のフィッシング報告状況」によれば、フィッシング詐欺にブランドが悪用されたケースも徐々に増加しています。
フィッシング詐欺にブランドが悪用されたケースも徐々に増加(出典:フィッシング対策協議会、2021年5月のフィッシング報告状況)
せっかく育んできたブランドを悪質な第三者に利用され、顧客の個人情報の詐取や模倣品被害が発生したとなれば、真正なブランドホルダーへもそうしたサイト等を認識しながらも放置した責任の目を向けられる可能性があり、対応次第では、ブランド力の失墜につながってしまいます。
そういった被害をできる限り避けるためにも、企業は自社の公式サイトの把握にとどまらず、悪質なサイトも監視する必要性がこのコロナ禍ではさらに高まっているといえます。
そういった被害をできる限り避けるためにも、企業は自社の公式サイトの把握にとどまらず、悪質なサイトも監視する必要性がこのコロナ禍ではさらに高まっているといえます。
ブランド悪用を避けるために企業のできる4つのこと
自社ブランドを第三者による悪用から守るためには、守るべきブランドを定義し、管理し、ブランドの情報を正しく発信しているかを監査し、第三者からブランドを毀損等される行為がないかを監視する必要があります。
具体的には、次の4つのポイントを押さえることが重要です。
・信頼できるウェブサイト、SNSなどを構築する
・構築したサイト等のポートフォリオ管理を正確に行う
・自ブランドをフリーライド、毀損するサイトやSNSなどを監視し、侵害行為を排除する
・上記を実践できる組織を作る
具体的には、次の4つのポイントを押さえることが重要です。
・信頼できるウェブサイト、SNSなどを構築する
・構築したサイト等のポートフォリオ管理を正確に行う
・自ブランドをフリーライド、毀損するサイトやSNSなどを監視し、侵害行為を排除する
・上記を実践できる組織を作る
GMOブランドセキュリティ 寺地裕樹
GMOブランドセキュリティ マーケティング&サービスストラテジ本部 本部長